こんにちは、春日井コワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です!
最近では春日井・名古屋エリアを中心に、AI活用や業務効率化の相談に乗ることも増えてきました。
そんな中、「これ、地味に革命じゃない?」と思わず声が出たツールがありまして──
それが、Googleが提供する知識活用AI「NotebookLM」です。
ChatGPTやGeminiのような“何でも答えてくれる系AI”とはちょっと違う。
NotebookLMは、自分が読み込ませた資料の中からだけで要約したり、質問に答えてくれたり、要点を構造化してくれたりする、言うなればAI秘書付きの知的ノート。
今回はこのNotebookLMについて、
- 「何ができて」
- 「どう使えて」
- 「どんな場面で役立つのか?」
実際に使い倒してみた体験を交えながら紹介していきます。
ChatGPTを試して「便利だけど、なんかイマイチ刺さらないな…」と思ったことがある人には、特に読んでほしい内容です。
NotebookLMで扱える“インプットとアウトプット”

NotebookLMが優れているのは、ただ資料を読ませるだけじゃなく、多様な形式の情報を一括で扱えること。
「PDFしか対応してないんでしょ?」なんて思ってると、けっこう損してます。
📂 読み込める資料(インプット)
NotebookLMにアップロードできるのは、以下のような資料たち:
- PDF(提案書・マニュアル・論文など)
- Googleドキュメント / Googleスライド
- テキストファイル(.txt / .md)
- WebサイトのURL
- YouTube動画のURL(自動で文字起こし&要約)
- mp3音声ファイル(会議録音など)
しかも、「自分で資料探してこい」じゃなくて、NotebookLM内で検索して追加する機能もあり。
この“検索→読み込み→整理”の流れが、全部ワンストップで済むのは地味に革命。
🔁 出力できるもの(アウトプット)
NotebookLMが出してくれるのは、単なる要約だけじゃありません。ちゃんと使える“成果物”が揃ってます:
- 要約:ドキュメントの要点を整理。セクションごとのハイライトも可能。
- チャット応答:読み込ませた資料を元にQ&A。回答には引用付きで信頼性あり。
- マインドマップ(マッピング):人物・用語・トピックの関連を視覚化。
- FAQ生成:自然言語で「FAQ作って」と依頼すれば、資料から自動生成。
- 音声概要:読み込んだ資料を要約して、対談形式の音声で出力(後述)
- など
🧠 つまり…
NotebookLMは、“読み込ませた資料”から、
- 何が書いてあるか?
- どういう構造か?
- 誰にどう説明するか?
までをAIが考えて出してくれるツール。
これが、ただの要約ツールとは一線を画す理由です。
NotebookLMの便利な機能いろいろ

NotebookLMには、情報整理や理解の助けになる機能がいくつかあります。
以下は実際に使ってみて便利だと感じたものです。
✅ URLやWeb検索結果を直接ナレッジにできる
NotebookLMでは、あらかじめ調べたい内容を入力して検索し、
表示された記事をそのままワンクリックでナレッジに追加できます。
通常であれば、Web検索 → ページを確認 → URLコピー → ソース追加、といった作業が必要ですが、
NotebookLMなら検索から追加までが一貫してできるため、作業の手間を減らすことができます。
✅ YouTube動画もソースとして扱える
YouTubeのURLをソースとして登録すると、動画の内容が文字起こしされ、
チャットや要約などの機能で活用できるようになります。
音声や映像中心のコンテンツを、後から検索・整理しやすくなるのは実用的です。
✅ 資料の構成を俯瞰できるマップ表示
読み込んだドキュメントの構成を、トピックごとに整理して一覧できる“マッピング”機能があります。
マインドマップのように情報の位置関係が見えるため、資料の全体像をつかむのに役立ちます。
✅ チャットが中心で操作しやすい
NotebookLMの基本操作はチャットです。
資料を読み込ませた上で、「FAQを作って」「この中にセキュリティ関連の話はある?」といった質問ができます。
回答には該当部分の引用が付くため、内容の確認や共有もしやすくなっています。
音声概要が要約の域を超えてる
NotebookLMには「音声概要」という機能があります。
読み込んだ資料の内容を要約して、音声で聞けるように出力してくれるというものです。
ここまでは他のAIでもありそうですが、NotebookLMの場合は単なる“読み上げ”ではありません。
出力される音声は、対談形式のナレーションになっており、ニュース番組やポッドキャストのような構成でまとめられています。
✅ 使ってみた例:Dockerマニュアルを読み込ませた場合
NotebookLMにDockerの公式マニュアル(英語)を読み込ませて音声概要を出力したところ、対談形式で構成された約6分間の音声が生成されました。
内容の全体像を丁寧に整理してくれていて、資料を読んだあとに「誰かがうまく要点を説明してくれる感覚」に近いです。
▼ 実際に生成された音声はこちらからお聴きいただけます:
✅ 単に聞き流すだけではない活用
音声概要は、全体を流し聞きするだけでなく、特定のセクションだけを要約して音声化することもできます。
「この章だけ要点を聞きたい」といった使い方ができるため、長い資料を全部読む時間がないときにも便利です。
✅ 多言語対応でグローバルな資料にも使える
現在、NotebookLMの音声概要は日本語を含む50言語以上に対応しており、英語の技術ドキュメントや海外資料の理解にも活用できます。
「読むのがしんどい資料」を、“聞いて把握する”別の入り口に変えてくれるのがこの機能の強みです。
NotebookLMの注意点と限界
NotebookLMは便利なツールですが、使う際に注意しておきたい点もいくつかあります。
過度な期待を避けつつ、特性を理解したうえで使うのがポイントです。
✅ 日本語対応は高精度。ただし資料の構造には影響される
NotebookLMのチャットや要約は、Googleの大規模言語モデル(Gemini系)をベースにしていると考えられ、日本語での対話や理解についてもかなり自然に使えます。
ただし、読み込ませた資料の形式や構造に応じて、うまく情報が整理されなかったり、要点の拾い方にばらつきが出るケースもあります。
これはAI側の日本語能力というより、「資料の作りによる相性」の問題に近いです。
✅ アップロードしただけでは“覚える”わけではない
NotebookLMは、読み込ませた資料を元に質問応答などを行いますが、
ChatGPTのように「学習していく」わけではありません。
資料の内容にアクセスできる状態になるだけであって、
アップロード=完全理解というわけではない点には注意が必要です。
✅ チャットは正確性が高いが、資料依存の誤りは起こりうる
NotebookLMは、読み込んだ資料の内容に限定して回答するため、ChatGPTのように“文脈からの推測”で話を盛ってしまうようなハルシネーションは起こりにくいです。
ただし、読み込んだ資料そのものに誤りや古い情報が含まれていた場合、そのまま引用・要約してしまうため、元のソースの正確性がそのままAIの回答に反映されることになります。
AIの精度だけで判断せず、「この資料、そもそも正しい?」という視点は持っておくと安心です。
✅ セキュリティや機密情報の取り扱いには慎重に
NotebookLMはGoogleのクラウド上で動作しており、アップロードしたファイルはGoogleのサーバーに保存されます。
そのため、社外秘資料や個人情報が含まれるファイルの取り扱いには注意が必要です。
✅ 一部の機能は有料プラン限定
音声概要やソース上限300件などは、有料プラン(NotebookLM Plus)でのみ利用できます。
無料プランでは1ノートブックあたり50ソース、音声生成も1日3回までと制限があります。
ChatGPTやGeminiとの違いと使い分け
NotebookLMは、ChatGPTやGeminiのような汎用型の生成AIとは設計思想が異なります。
一番の違いは、NotebookLMは“読み込んだ資料だけを元に答える”という点です。
✅ 参照元の違い
ChatGPT / Gemini | NotebookLM | |
---|---|---|
情報の参照元 | モデルに学習された知識 + 読み込ませた資料 | 読み込ませた資料のみ |
回答の方針 | 最も自然で妥当そうな答えを構築(補完あり) | 読み込んだ資料の範囲から忠実に回答 |
ハルシネーション | 起こりやすい(情報の混合・憶測) | 起こりにくい(資料が根拠) |
信頼性の特徴 | 論理や語感は自然だが、出典不明なこともある | 引用元が明示されるため、根拠が確認しやすい |
✅ どう使い分けるべきか?
- ChatGPTやGeminiが向いている場面
- アイデア出し・ブレスト・一般的な知識を踏まえた提案
- 外部情報と自社情報を組み合わせたいとき
- NotebookLMが向いている場面
- 社内マニュアルや議事録など、手持ち資料を活用したいとき
- FAQ作成や研修用資料の整理など、既存情報を「使いやすくする」作業
- 「この中に答えがある」という前提で、正確に引用付きで返してほしいとき
NotebookLMは、“ゼロから考える”ためのAIではなく、“持っている情報を活かす”ためのAI。
そう割り切って使うことで、ChatGPTとは別軸の価値を発揮します。
まとめ:NotebookLMは“情報を再利用するAI”
ChatGPTのような生成AIを試した人の多くが、一度は感じる疑問があります。
「これ、自分の資料とか、社内の情報にはどう活かせるんだろう?」
NotebookLMは、まさにその問いに対する答えのひとつです。
新しい知識を作るのではなく、既に手元にある情報を整理して、使える形に変えてくれるAI。
言い換えれば、“眠っていたファイルに価値を与え直す”ツールです。
✅ NotebookLMが特に役立つ場面
- 議事録やマニュアルをFAQ化したいとき
- セミナー動画や長文PDFの要点だけを把握したいとき
- 社員教育のために資料を構造化・要約したいとき
- 外部サイトやYouTubeの情報をまとめて参照したいとき
NotebookLMは、「これ毎回手間だったんだよな」っていう作業を、ちゃんと省いてくれる。
PDFを読んで要約、議事録からFAQ、動画を要点だけ抽出──
そのひとつひとつは地味なんだけど、この地味な便利さの掛け算が効いてくる。
そしてたまに、「音声概要」みたいな明らかに“すげーやつ”も出してくる(笑)
対談風の構成でニュース番組みたいに資料を語り始めたときは、正直ちょっとゾッとしました。
新しい知識を生み出すChatGPTに対して、
NotebookLMは「持ってる情報を使える形にする」ためのAI。
資料を再利用するという地味だけど本質的な部分で、確かな強さを持っているツールです。
AIに何かを考えさせる前に、自分の持っている情報をどう活かすか?
その最適解のひとつが、NotebookLMだと思います。