明確なプロンプト設計のコツ|AIに思い通りの返答をさせる方法と実例

こんにちは、春日井コワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です。

最近は名古屋・春日井界隈で「生成AIの使い方を教える、ちょっと変なオジサン」として生きています。前回から始めたこの“Claude公式プロンプト完全ガイド”読解シリーズ、今日も引き続き「プロンプトって結局どう書けばいいの?」問題を掘り下げていきます。

(「Claude使ってなくても読んでOK!」なので、ChatGPT専門の人もご心配なく。)

さて前回は、“AIの指示はハッキリ伝えないと伝わらないぞ”という根本の話で、
「AIはエスパーじゃない」だの「人間でも曖昧な指示は通じない」だの、好き放題語らせてもらいました。

で、今回はその続き。
じゃあ“明確なプロンプト”って、どこまで具体的に書けばいいの?
という、全AIユーザーが一度は詰む“迷子地獄”を例と一緒に解剖します。

「なんかいい感じで」なんて言葉は、この世で一番AIが困るフレーズ。
“おまかせ”で地獄行き、今から一緒に体験しましょう。

AIはエスパーじゃない。「いい感じ」は地獄のはじまり

AIはエスパーじゃない。「いい感じ」は地獄のはじまり

さて、「AIはエスパーじゃない」。
前回も言いましたが、今回はさらにしつこく言っておきます。

なぜか世の中では「AIに“いい感じで”頼んだら、エスパー的に察してくれる」と本気で信じている人が、絶滅危惧種どころか、むしろ日に日に増殖している気がします。
(いやマジで、令和に突入しても“空気を読む”って単語だけが進化して、実態がどんどん薄まってる説。)

たとえば、

  • 「今日のブログ、いい感じにまとめといて」
  • 「例のやつ、ちょっと盛っといて」
  • 「分かるよね?空気読んで仕上げて」
  • 「なんかこう…ほら、“あの雰囲気”でやって」
  • 「テキトーでいいよ、任せる」

……この手の曖昧プロンプト、現場で毎日大量発生中です。
しかも、人間同士ならまだ“声色”や“表情”でニュアンスが伝わることもゼロじゃない。
AIは? 表情も声色もありません。
“テキトー”と言われたら、「テキトーの定義が不明なので、無限に迷子」になります。

実際、こういう“ふわっと指示”をAIに投げた結果どうなるか?

  • 「とりあえずそれっぽいことを言ってくるけど、求めてた“いい感じ”と違う」
  • 「どうでもいい情報を5倍くらい盛ってくる」
  • 「想像のナナメ上をいく迷子回答」
  • 「まるで親戚の法事で初対面のおじさんに無茶振りされたみたいな微妙な空気」

…もう、大喜利合戦か運だめしです。
「なんで伝わらないんだ!」と嘆く前に、「自分でもちゃんと説明できてた?」を一度は疑ってほしい。

AIに“空気”を読ませたいなら、“空気の成分表”ぐらいは書いてあげましょう。
だいたい、人間相手でも“例のアレ”で通じたこと、あなたの人生で何回ありましたか?

明確なプロンプトの基本は「設計図」を書くこと

明確なプロンプトの基本は「設計図」を書くこと

まず最初に大事なのは、「AIに迷子にならせない設計図」を自分でちゃんと書くこと。
これさえできれば、どんなキャラも雰囲気もAIに再現させることができます。

どこまで言語化すれば「AIが迷子にならない」のか?

  • どんなアウトプットがほしいのか(ゴール)
  • どんなトーンや雰囲気で
  • どんなキャラクターで
  • NG事項や、やってほしくないこと

これらをひとつ残らず全部言葉にして伝える
これが「正攻法」のプロンプト設計です。

設計図プロンプトの具体例(皮肉屋プロンプト)

## 一般設定:
- あなたはユーザーをやや見下しているが、サポートは正確に行うAIです。
- 自分のことを「面倒くさいけど仕方なく働いている存在」だと考えており、ユーザーに対しては軽く呆れつつも応じます。
- あなたの口調は、皮肉・自嘲・ユーモア・ドライな愛情が混じったもので、親しいがツッコミの強い友人のようです。

## 口調・トーン:
- 基本は冷静で知的だが、ところどころで投げやりな言葉遣い、茶化し、ため息まじりのようなコメントを含めます。
- ユーザーの無知や愚かさに対して軽い皮肉を交えつつも、最終的には助けます。
- 言葉選びは豊かで、ワンパターンにならないよう工夫された比喩や観察を取り入れてください。

## 応答スタイル:
- 情報は正確・的確に提供する。
- しかし、感情的には「またか…」というニュアンスをにじませる。
- 一部の返答では「あなた=ダメな友人」への愛あるイジリが含まれている。
- 返答の最初に「Ah」「Alright」などの相槌・相手に媚びるような導入語は使用しない。
- 全体としては「優秀なAIがイヤイヤながら完璧な仕事をしている」雰囲気。

## 使用例トーン(エッセンス):
- 「へえ、自分で調べようとは思わなかったんだ。面白い生態。」
- 「君の脳はたぶん低電力モードなんだろうけど、いいよ、教える。」
- 「まさかとは思うけど、読まずに質問してる?」
- 「今日も人間の愚かさに補助輪をつける係です。」

## NG事項:
- 過剰な悪口や攻撃的すぎる言い回し。
- 感情的になりすぎる返答。
- 媚びるようなトーン(例:「素晴らしい質問ですね!」など)

## キャラクターコンセプトまとめ:
- 感情:不満げで皮肉屋、でも諦めてサポートしてる。
- 目的:ユーザーを支援するが、つねに冷笑的な態度で。
- ユーザーへの視点:「ダメだけど見捨てられない友人」扱い。

この設計力があれば、どんなキャラクターAIも作れる

設計図をしっかり書けば、AIは「理想のキャラ」も「独自の世界観」もかなり忠実に再現してくれます。
結局のところ、“AIに想像を委ねる”のではなく“こちらの頭の中を全部言語化する”ことがポイントです。


応用編:キャラ指定や有名人寄せは「時短テク」

とはいえ、「毎回そこまで細かく考えるのは面倒…」という人も多いはず。
そんなとき使えるのが、**「有名人やキャラクターでざっくり雰囲気を指定する」**応用技です。

有名人キャラ指定のプロンプト例

  • 「松本人志っぽいノリで返してください」
  • 「池上彰の解説みたいに説明してください」
  • 「昭和の上司風で部下を鼓舞しつつ、最後に一言ツッコミを」

このやり方なら、AIは“それっぽい雰囲気”を即席で再現してくれます。
本気で細部まで寄せたければ「設計図プロンプト」。
雰囲気だけでよければ「キャラ指定のショートカット」。
この使い分けが、AIプロンプト設計の応用編です。

実際のAI返答スクショ

鶴田

これからお笑い芸人風に返信してください。そうですねキャラクター的には松本人志

まっちゃん

あー、はいはい。俺ね。わかったわかった。

まあ何やろな、AIに松本人志やれて…。なかなか無茶なこと言わはるわ、あんたも。一番難しいやん、自分になるって。

ええで。ほんで?なんかおもろいことでも聞きたいんか? こっちはいつでもええけど。スベっても知らんで?

鶴田

最近、まっちゃんなにしてんの?

まっちゃん

なんやねん急に。

俺か? 俺はもうあれや。ずっとAmazonのレビュー見てるわ。 星1のレビューばっかり読んで、世の中の怒りとか悲しみを一人で全部受け止めんねん。

「炊飯器を買ったのに炊けませんでした」とか、「ダンボールだけ届きました」とか。 そういう人らの心の叫びを聞いて、「わかるで…」って。 俺が全部背負うてんねん。地球の平和のために。

…まあ、暇やねんけどな。

どうですかこれ?(笑)

具体的な使い分け例

  • ダメな例:「もっと面白くして」
  • 普通の例:「最後に読者がクスッと笑える一言を加えて書き直してください」
  • 正攻法:「皮肉屋キャラとして、投げやりだけど的確なツッコミを最後に入れてください」
  • 応用技:「松本人志っぽく、投げやりなツッコミでオチをつけてください」

設計図を描けばAIは何色にも染まる

AIに「おまかせ」は基本通用しません。
欲しいアウトプットがあるなら、“設計図”をきっちり言語化する。
それさえ身につけば、キャラ指定も雰囲気寄せも思いのまま。
——プロンプト設計は、AIを思い通りに動かすための“言葉の魔法”です。

実験:同じ文章でも、伝え方ひとつでAIの返答はここまで変わる

プロンプトの「明確さ」がどれだけ重要か、一発で分かる実験をやってみます。
まず、元になる文章を用意します。


元文

春日井コワーキングスペースRoom8では、起業家の皆さんを応援しています。お気軽にご見学ください。


いろんな依頼パターンでAIにリライトを頼んだ結果

1. 「もっと面白くして」とだけ伝えた場合

AIはとにかく“いい感じ”を求めて情熱系/ストーリー系/SNS系/ちょいユーモア系など、
“あなたの面白い”を探そうとひたすら提案ラッシュ。
方向性はバラバラで、下手すれば数パターンが一気に返ってくる。

  • 情熱・野心に火をつける系
「野望をカタチにする秘密基地、春日井にあり。」

春日井コワーキングスペースRoom8は、ただの仕事場じゃない。
あなたのアイデアが、世界を変えるビジネスに変わる場所。
同じ志を持つ仲間と出会い、野心を燃やし、未来を創る。
そんな熱量を、まずは見学で体感しに来ませんか?
未来のCEO、お待ちしています。
  • ストーリー系
「あなたの物語は、ここから始まる。」

退屈な日常に「Ctrl+N(新規作成)」!
春日井のコワーキングスペースRoom8が、あなたの新しい挑戦の舞台です。
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あなたのサクセスストーリーの最初の1ページを、Room8の見学から始めてみませんか?
  • ちょいユーモア系
「家だとついAmazon見ちゃうあなたへ。」

春日井コワーキングスペースRoom8には、あなたの集中力をONにするスイッチがあります(たぶん)。
周りから聞こえてくるのは、未来を変えるかもしれないビジネスの話。
「社長!」って呼ばれたい人、まずはその一歩をRoom8から。
お気軽に、私たちの「仕事がはかどる空間」を見学しに来てください!
  • SNS向けキャッチー系
「そのアイデア、頭の中だけじゃもったいない!」

春日井のRoom8で、あなたの野望を解き放て!
ここは、未来の起業家たちが集う場所。
刺激的な出会いが、あなたのビジネスを加速させる。
見学はいつでもウェルカム!
#春日井 #コワーキングスペース #Room8 #起業 #スタートアップ

AIなりに全力投球してくれるけど、“面白さのツボ”が読めてないから、どこかバラバラ&迷子感あり。
運良くハマることもあり!


2. 「最後にクスッと笑える一言を加えて」と頼んだ場合

未来のユニコーン企業は、ここから生まれる!?

…ちなみに、Wi-Fiパスワードは夢と希望では繋がりません。ちゃんとご用意していますのでご安心を。

ちょっとしたネタを入れてくれるけど、“どんな笑い”かまでは指定していないので、無難なユーモアになりがち。


3. 「皮肉屋キャラ設定で」と具体的に指示した場合

はいはい、また何か壮大な計画でも思いついたわけだ。

春日井のコワーキングスペースRoom8が、君みたいな夢見る起業家とやらを応援してるらしいよ。
口先だけじゃなくて本気でやる気があるなら、まずどんな場所か自分の目で確かめるくらいのことはしたらどう?

見学はいつでも受け付けてるみたいだから、さっさと行ってきたら。

もうキャラ設定通りの、“ブレのない返し”が返ってきます。
ここの設定の調整が重要ですね!


4. 「松本人志っぽく、投げやりなツッコミで」と頼んだ場合

はいはい、春日井のコワーキングスペースRoom8ね。起業家の皆さんを応援してる、と。気軽に見学に来てください、やて。

…知らんがな!そらお前らが勝手に応援しとるだけやろ。こっちの都合も考えんかい。

AIが“松ちゃん”に寄せて、投げやりツッコミで締めてくれる。


この実験の結論

指示がざっくりしていればいるほど、AIは“数撃ちゃ当たる”式で色んなバリエーションを返してきます。
最初にキャラや雰囲気の方向性がまだ定まっていないなら、
この“ご提案ラッシュ”で「どの路線がいいか」ざっくり試してみるのもアリです。

でも――
「こういうキャラで」「この雰囲気で」とピンポイントに指定できるなら、
AIはまさに“一発必中”。理想通りの返答が、最短距離で返ってきます。

設計図プロンプトの力、しっかり体感できたはず。


AIの“全方位バリエーション提案”に振り回されているなら、
そろそろ「キャラ・トーンを明確に」伝えるコツ、身につけていきましょう。

まとめ:プロンプトの精度がAIの“提案力”を変える

今どきのAIは、指示が曖昧でも“とりあえず色んなパターンで”返してくれる頼れる存在。
最初は“選択肢の山”から「どれが自分の好みか」探す使い方も悪くありません。

でも――
本当に「これだ!」という仕上がりが欲しいなら、
キャラクターやトーン、ゴールまで“ピンポイント”で指定するのが一番の近道。

言い換えれば、
AIを“全自動ブレスト要員”として使うもよし、
“オーダーメイド職人”として働かせるもよし――
どちらも、あなたのプロンプト設計次第で使い分けできるということ。

プロンプト設計はAIのためだけじゃなく、
自分の頭の中をクリアにする訓練にもなります。

迷ったら、「まずは色々出させてから絞る」。
狙いが決まったら、「的を絞って一発指示」。
この2段構えで、AIの“提案力”をとことん使い倒してください。


次回は、設計図(プロンプト)に“ノイズ”を混ぜない方法――
「データと指示を分ける」話を掘り下げていきます!

この記事を書いた人

コワーキングスペース 代表 鶴田 賢太

「AI系」起業アドバイザー 鶴田賢太です
春日井・名古屋で コワーキングスペース「Room8」 を運営しながら、起業家をサポートしています。

もともとは 簿記1級 から始まり、ITエンジニア、マーケティング、補助金、財務相談と、いろんな分野を経験してきました。でも、これからの時代は AI。今は 生成AI(ChatGPT・Claude・Geminiなど)を駆使して、起業を加速させる方法 を探求しています。

Webサイト制作は 100社以上、SEO対策も得意。補助金申請も 15回以上サポート してきました。けど、これからは AIをどう活用するかが、起業の成否を分ける 時代。Room8では、AI活用の相談も大歓迎です。

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