こんにちは、春日井コワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です!
最近、地元のIT企業から「AI導入したいけど、結局人間がやることが多くて効率化にならない」という相談が増えてます。まあ、そりゃそうだよねと。
Web版のGeminiやChatGPTって確かに優秀です。分析力も文章力も申し分ない。でも現実問題として使ってみると、なんだかんだで人間の手作業が山盛りなんですよ。
例えば売上データを分析してもらいたいとき。CSVファイルをアップロードして、「このデータから傾向を分析して」とお願いする。すると素晴らしい分析結果が返ってくる。でもそれをコピペして、Excelに貼り付けて、適切なフォルダに保存して、関係者にメール送信して…って、結局人間がやることだらけじゃないですか。
複数ファイルの処理なんてもっと悲惨です。100個のファイルがあったら、100回アップロード作業ですよ。現実的に考えて無理でしょう。
つまり現状のWeb版AIは「めちゃくちゃ優秀なコンサルタント」なんです。的確なアドバイスはくれるけど、実際に手を動かすのは全部あなた。これじゃあ効率化どころか、むしろ「AI様にお伺いを立てる」という工程が増えてるだけ。
ところが最近、この状況を根本から変える可能性を秘めたツールが登場しました。それが「Gemini CLI」です。これ、表面的には「WebのGeminiをターミナルで使えるようにしただけ」なんですが、実はとんでもない変化なんです。
Gemini CLIとは何か(そして何が革命的なのか)
Gemini CLIって何かというと、超シンプルに言えば「今までWebにあったGeminiを、あなたのパソコンで動かせるようになった」ということです。AI自体の能力は基本的に同じ。分析力も文章生成力も変わりません。
で、これの何がすごいかって言うと、あなたのPCに直接アクセスできること!
でもこの「たった一つの違い」が、とんでもない変化を生むんです。
Web版の場合、AIはブラウザの中の箱庭でしか動けません。ファイルを見るにはアップロードが必要だし、結果を保存するにはダウンロードしてから手動で配置する必要がある。つまりAIと現実世界の間には、常に「人間という中継役」が必要なんです。
一方、パソコンで動くGeminiは、あなたのPC内で直接動きます。
- ローカルのファイルに自由にアクセスできる
- 処理結果を指定した場所に直接保存できる
- プログラムを実行することもできる
- 他のソフトウェアと連携することもできる
要するに「AIにPCの操作権限を与えた」ということです。これまでは「賢いアドバイザー」だったAIが、いきなり「実行力のある秘書」に変身したわけ。
まあ、技術的に言えば「APIをローカルで動かしただけ」なんですが、実用性の観点では「ChatGPTに手足が生えた」レベルの変化です。

具体的な違いを対比で説明
ここからが本題です。「PCで動く」って言っても、実際どれくらい違うのか?具体例で見てみましょう。
ファイル分析の場合
Web版Geminiの流れ:
- CSVファイルを手動でアップロード
- 「このデータを分析して」と依頼
- 分析結果がテキストで表示される
- 結果をコピペしてExcelに貼り付け
- 適切なフォルダに手動で保存
- 関係者にメール送信
Gemini CLI:
gemini "sales/フォルダの全CSVファイルを分析してレポート作成、report.csvで保存して"
→ 全自動で完了
えーっと、これ冗談じゃないですよ。本当にこれだけです。

大量ファイル処理の現実
Web版の場合:
100個のファイルがあったら、100回アップロード作業。現実的に考えて絶対にやりたくないでしょう。
Gemini CLIの場合:
「documents/フォルダの500個のファイルから重要情報を抜き出して、summary.csvで一覧作成して」→ 一括処理完了
既存ファイルとの連携
Web版:
既存のExcelファイルと新しいデータを組み合わせたい?まず既存ファイルをダウンロードして、新しいデータをアップロードして、結果をまた手動で統合して…(もう疲れた)
Gemini CLI:
「今月の売上データと去年の同月データを比較して、既存のmonthly_report.csvに追記して」→ 勝手にやってくれる
生成物の保存と共有
Web版:
AIが作った資料をダウンロードして、適切なフォルダに移動して、ファイル名を変更して、共有フォルダにコピーして…
Gemini CLI:
「作成したレポートを共有フォルダに保存して、チームメンバーにSlack通知も送って」→ 全部自動
もうね、「コンサルタント」と「執事」くらいの違いがあるんですよ。
実用例(具体的なビジネスシーン)
理論はいいとして、実際のビジネスでどう使えるのか?「PCに直接アクセスできる」ことで、想像以上に幅広いことができるんです。
メール+カレンダー連携の自動化
やりたいこと:
お客さんからの予約メールを見逃したくない。でも一日中メールチェックしてる暇はない。
Gemini CLIなら:
gemini "15分おきにメールをチェックして、予約関連のメールがあったらカレンダーに自動追加、確認通知も送信して"
→ 完全自動の予約管理システム
Macならメールアプリにアクセスできるし、カレンダーアプリとも連携できる。WindowsでもOutlookと連携可能。人間は結果だけ確認すればOK。
ファイル検索+情報抽出
やりたいこと:
「去年のあの資料、どこにあったっけ?」「似たような企画書、前にも作った気がするんだけど…」
Gemini CLIなら:
gemini "過去2年分の企画書から『コワーキング』関連のものを探して、使えそうなアイデアをリストアップして"
→ AI秘書が過去資料を漁ってくれる
ファイル名だけじゃなく、中身まで読んで関連性を判断してくれます。
Web操作の自動化
やりたいこと:
競合他社の料金改定を定期的にチェックしたいけど、毎回サイト見に行くのは面倒。
Gemini CLIなら:
gemini "競合サイトの料金ページを毎週チェックして、変更があったら差分をレポートして"
→ 市場調査も自動化
Web操作も可能なので、サイトの情報収集から変化の検知まで全自動。
システム間連携の自動化
やりたいこと:
予約システムのデータを会計ソフトに転記する作業、毎月やってるけど地味に時間かかる。
Gemini CLIなら:
gemini "今月の予約データを会計ソフト用のフォーマットに変換して、インポート用ファイルを作成して"
→ システム間のデータ移行も自動
日次・週次業務の完全自動化
やりたいこと:
毎朝やってる「昨日の売上チェック」「今日の予定確認」「重要メール確認」を自動化したい。
Gemini CLIなら:
gemini "毎朝8時に昨日の売上集計、今日のスケジュール、重要メール一覧をまとめてSlackに送信して"
→ 朝の定型業務が完全自動
要するに、PCでできることは大体自動化できるんです。メール、カレンダー、ファイル操作、Web閲覧、アプリ連携…。
今まで「面倒だけど誰かがやらなきゃいけない」作業が、どんどん自動化できるようになりました。
本質的な変化
ここまで具体例を見てきましたが、もう少し本質的な話をしましょう。Gemini CLIが引き起こしているのは、単なる「効率化」を超えた変化です。
「AIコンサルタント」から「AI執事」への進化
これまでのWeb版AIは、どんなに優秀でも結局「アドバイザー」でした。
- 「このデータを分析すると、こんな傾向が見えます」
- 「改善案としては、こんな方法があります」
- 「次のステップとしては、こういう作業をお勧めします」
で、実際にやるのは人間。AIは「こうしたらいいですよ」と言うだけ。
ところがGemini CLIは違います。「やっておきました」なんです。
- データ分析?→ やっておきました
- レポート作成?→ やっておきました
- ファイル整理?→ やっておきました
- 競合調査?→ やっておきました
この変化、実は革命的です。

「ChatGPTに手足が生えた」ようなもの
よく「AIは人間の脳を拡張する」って言いますが、これまでは「頭だけ」だったんです。考える力は人間以上でも、実際に手を動かすのは人間。
Gemini CLIは、そこに「手足」をつけた感じ。
- 脳:分析・判断・計画立案
- 手:ファイル操作・データ処理・レポート生成
- 足:情報収集・システム連携
この「手足」がついたことで、「AI秘書」どころか「AI執事」レベルになってるんです。
無料で使えるのも革命的
これだけの機能が無料って、冷静に考えてヤバくないですか?
従来なら:
- プログラマーを雇う→月30万円〜
- 業務システム導入→初期費用100万円〜
- RPAツール導入→月10万円〜
それが:
- Gemini CLI→無料
- 設定→5分
- 学習コスト→ほぼゼロ
誰でも「プログラマー並みの自動化」が可能になりました。これ、中小企業の競争力を一気に底上げする可能性がありますよ。
今起きていることの本質
つまり、今起きていることって:
- 技術的には:WebのAPIをローカルで叩けるようにしただけ
- でも実用的には:AIが「現実世界」に手を伸ばせるようになった
- 結果として:人間の役割が「実行者」から「指示者」に変わった
これまでは「AIが考えて、人間が実行」だったのが、「人間が指示して、AIが実行」になったんです。
パラダイムシフトって、まさにこういうことを言うんでしょうね。
まとめ
結局のところ、Gemini CLIって何がすごいのか?
技術的には、めちゃくちゃシンプルな話です。WebにあったGeminiを、あなたのパソコンで動かせるようにしただけ。APIをローカルで叩けるようにした「移植」に過ぎません。
でも実用性では、これは「AI執事の誕生」レベルの変化です。
- これまでのAI:「こうしたらいいですよ」(アドバイス)
- Gemini CLI:「やっておきました」(実行)
この違いは、想像以上に大きい。
僕がお客さんに説明するときは、「ChatGPTに手足が生えたと思ってください」って言ってます。頭は今までと同じくらい賢いけど、今度は実際に手を動かせるようになった。ファイルを触れるし、データを処理できるし、結果を保存もできる。
しかも無料。設定も簡単。学習コストもほぼゼロ。
これまで「プログラマーじゃないと無理」だった自動化が、誰でもできるようになりました。中小企業でも、個人事業主でも、「AI執事」を雇えるようになったんです。
ただし、万能ではありません。あくまで「優秀な新人」レベル。指示の仕方次第で結果は変わるし、複雑すぎるタスクは人間がサポートしてあげる必要もある。
でも、それを差し引いても「ゲームチェンジャー」だと思います。
特に、毎日同じ作業を繰り返してる人は、一度試してみてください。きっと「もう手作業には戻れない」って思うはずです。
Room8でも、スタッフの作業効率が明らかに上がりました。浮いた時間で、もっとクリエイティブな仕事に集中できるようになった。これが本来のAI活用の姿なんでしょうね。
技術の進歩って、たまに「こんなシンプルな変化で、こんなに世界が変わるのか」って驚かされることがあります。Gemini CLIは、まさにそういう技術だと思います。
春日井コワーキングスペースRoom8では、AI・DXに関する相談も随時受け付けています。「うちの業務でも使えるかな?」という方は、お気軽にご相談ください。