起業家・フリーランス必見「確定申告3つのポイント」

名古屋のとなり春日井市JR勝川駅から歩いて1分のところにあるコワーキングスペース「Room8」オーナーの鶴田です。 確定申告の時期ですね! コワーキングスペースには、起業家やフリーランスの方が多いので確定申告についてちょっとまとめたいと思います。

これでも、一応日商簿記1級まで取得し昔は経理で働いてました(笑)

これの勘定科目はなんですか?とかは、違っているといけないので専門家にお聞きください。

ちなみにうちの会員さんにも税理士の方がいますのでお繋ぎします!

今回お話するのは、「確定申告とは?」「会計ソフト比較」「帳簿作成」の3つです。

確定申告とは?

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まずはこれからですね。

日本人である以上、納税の義務があることはみなさん知っていると思います。

では、いくら納税するのか?
サラリーマンの人は、会社が納税額を計算して徴収して支払ってくれていました。

しかし、起業した瞬間、その納税額の計算と納税の手続きは自分でしなくてはいけません。

確定申告とは、一言で言うとあなたが支払うべき税金を計算し納税の手続きを行うことです。

確定申告したいんですがどうしたらいいですか?

この質問は、本当にいろいろな人から聞かれます。

大きな流れで説明すると

  1. 昨年一年(1月1日〜12月31日)までの売り上げや経費を集計します。
  2. 白色の人は「収支内訳書」、青色の人は「青色申告決算書」を作ります。
  3. それを元に確定申告書類を作成します。

ここで、一番大変なのは1の売り上げや経費の集計です。

1が完璧に出来れば、2と3は会計ソフトがほぼ自動で作ってくれます。

では、どうするのか?

それは、税理士と契約をしないのであれば、会計ソフトを導入しましょう。

まずは白色申告にするか青色申告にするか選びましょう

大きな違いは、控除額です。
白色申告の場合、10万円の控除を受けられます。
青色申告の場合、65万円の控除を受けられます。

ちなみに給与所得控除は最低65万です。

控除以外の違いは、その処理方法ですね。

白色申告は単式簿記・青色申告は複式簿記がという違いがあります。
この大きな違いは、簡単に言うとどこまで細かく帳簿をつけるかという違いです。

白色申告の単式簿記は、いわば家計簿の延長ぐらいのものです。

一方、青色申告の複式簿記は、いわゆる「仕分け」というものが必要となってきます。

簡単なイメージですが

例えば、
2/1商品を売って売り上げが10,000円あったとします。
2/2交通費を3,000円支払ったとします。

単式簿記の場合

日付 摘要 収入 支出
2/1 売り上げ 10,000
2/2 交通費 3,000

ざっと、こんな感じです。

家計簿とか小遣い帳ぐらいの感じです。

複式簿記

仕訳帳
日付 借方勘定科目 金額 貸方勘定科目 金額
2/1 現金 10,000 売上 10,000
2/2 交通費 3,000 現金 3,000

総勘定元帳

現 金
日付 摘要 貸方金額 日付 摘要 借方金額
2/1 売上 10,000 2/2 交通費 3,000
交通費
日付 摘要 貸方金額 日付 摘要 借方金額
2/2 交通費 3,000
売 上
日付 摘要 貸方金額 日付 摘要 借方金額
2/1 売上 10,000

こんな感じです。

総勘定元帳というのは、仕訳帳からそれぞれの科目へ転記したものです。
目的は、それぞれの科目がどのような動きがあるのかを把握することができます。
現金を見れば、いつどんな入金があっていつどんな出金があるかがすぐにわかります。

こんなに沢山作るのか・・・

と思った人安心してください。
今は会計ソフトが仕訳帳から自動で振り分けてくれます。
僕たちがやらなきゃいけないことは、仕訳帳を作るところですね。

というとこで、会計ソフトを紹介してみます。

会計ソフト比較

確定申告2

どれがいいかというと好みなどもありますが、使い慣れてしまえばどれでも大丈夫だと思います。

今回は、フリーランス個人事業主ということで確定申告用の会計ソフトを紹介します。

他にもあると思いますがざっとこんな感じです。

そして、クラウド型とローカル型のソフトがあります。

クラウド型とローカル型どちらがいいの?

オススメはクラウド型です。

理由1:銀行の口座の情報を自動で収集できる。

そこなの?という人もいるかと思いますが、作業する立場からして自動で収集してきてくれるのは非常に楽です。
ただマイナーな銀行だと対応していない場合もあります。

理由2:WindowsでもMacでも使える

僕は、Room8ではMacを使い、自宅ではWindowsを使ってます。
そんな時に、どちらでも使えるというのは非常にありがたいです。
それどころか、スマホでも利用できたりします。

理由3:無料バージョンアップ

税法とか会社法とか年々変わっていきます。
クラウド型であれば、法改正や制度に合わせて自動で対応してくれます。

ローカル版であると、一度買えばずっと使えると言っても、法律が変わると有料でバージョンアップしなくてはいけません。
そうなると結局は毎年なのか2年に一度なのかわかりませんが購入し続けなければいけません。

例外:ローカル版を使い慣れてる人は、そのままローカル版がおすすめ

使い慣れてる人は、不満がない限りそのまま使った方がいいでしょう。
あえて変えるほどのものではありません。

僕のオススメ会計ソフト

それぞれ無料版や体験版があるので使用感などは試してみると良いでしょう。

簡単に比較表を載せておきます。

MFクラウド freee やよい青色申告オンライン
月払い 800円 980円
年払い 8,800円 9,800円 8,640円
サポート メール・チャット チャット・メール

ちなみに僕は全部使ってみました。

使った結果、僕が感じたことをお伝えします。

一番のオススメといえばコレ「やよい青色申告オンライン」

メリット

会計ソフトの定番中の定番ですね。
基本はしっかりと抑えられておりとても使いやすいです。
とても便利な請求書ソフトMisocaとの連携ができとても便利。
銀行のデータ取り込みが問題なければこれを選んでました。

デメリット

メリットにも書きましたが、銀行のデータ取り込みが弱い印象です。
僕が使ってる銀行のデータが取り込めなかったので、MFクラウド確定申告を使うことになりました。
サポートが欲しい場合追加料金が必要。

こんな人にオススメ

使ってる銀行のデータが問題なく取り込める人!
銀行データが問題なく取り込めたら断然これです!
初年度無料だし

公式サイトはこちら → やよいの青色申告オンライン

会計初心者にオススメ「freee」

メリット

初心者でも簡単にできるというところです。
簿記の知識がなくても使いやすいように作られています。

スマホアプリでレシートや領収書を写メして登録するなんて機能もあります。

あと請求書の発行がfreee(フリー)の中でできます。
追加料金なしで利用できるのでこれは結構大きなメリットだと思います。

デメリット

逆に、簿記の知識がある人には使いにくいと感じました。
これはあくまでも僕の感覚ですが、仕分け感覚が身についているため混乱します。

こんな人にオススメ

簿記はあまり詳しくない人、レシート入力の手間を省きたい人向けです。

公式サイトはこちら → freee(フリー)

銀行のデータ取り込みがの不具合が少ない「MFクラウド」

メリット

「やよい確定申告オンライン」の次にオススメです。
機能は、やよいと比べても引けを取りません。

銀行等のデータ取り込みがMFクラウドの方が上です。

MFクラウド確定申告とは別にMFクラウド請求書というサービスもあります。
これ請求書の郵送までしてもらえるのでとても便利です。
カード決済機能もあります。

デメリット

基本、やよい青色申告オンラインの方が上です。

こんな人にオススメ

僕のように「やよい」でデータが取り込めなかったという人にはMFクラウド確定申告をオススメします。
ちょっとマイナーな地方銀行や信用金庫をご利用の方はMFクラウド確定申告がいいかも
メールなどのサポートも付いているので、サポートが欲しい人はこちらを

公式サイトはこちら → MFクラウド確定申告

僕が使ってる銀行のデータが取り込めなかったため、MFクラウド確定申告になりましたが銀行の取り込みがうまくいけば「やよいの青色申告オンライン」になっていたと思います。

どれも試用無料で利用できるので使ってみるといいと思います。

ちなみに、法人化して今は顧問から提供されたソフト使ってます。

帳簿作成

確定申告3 会計ソフトも決まったし(僕が勝手に決めた?)、次は実務的な部分です。 まずは、売り上げの集計です。 小売店のように、日々現金売り上げがあるところもあれば フリーランスのエンジニアのように、作業が完了したらどかっと売り上げになるところもあります。

まず、売り上げになるタイミングはいつか?

みなさんご存知ですか?

売り上げになるタイミングは、商品やサービスを納品した日です。

お金をもらった日でも、請求書を発行した日でもありません。

納品した日です。

うちもホームページの制作など受けたりしますが、手附金で半額とかもらう場合もあります。

仮に2/9に30万の案件を受け手付金10万もらったとします。

そして3/9に納品し、代金は4/9にもらったとします。

そうするとこんな感じの仕分けが必要です。

日付 摘要 貸方金額 摘要 借方金額
2/9 現金 100,000 前受金 100,000
3/9 売掛金 200,000 売上 300,000
前受金 100,000
4/9 現金 200,000 売掛金 200,000

イメージできました?

ここら辺は、複式簿記をわかっていないとイマイチ理解しにくいと思います。

が、そんなに難しくはないので勉強してください。
Room8の会員さんは相談してくれれば僕が教えます。

あと、これが一番重要ですが。

正確に集計する

売上の集計漏れなどあったりするとすぐに追徴課税です。

気をつけましょう。

続いて経費の集計

領収証

まず大前提として、経費は支払った証拠のあるものしか認められません。

そうでなければ、いくらでも架空計上できてしまいますからね。

支払った証拠というのは、領収証じゃなくても大丈夫です。
レシートでも経費で落とせます。

請求書&銀行振込でもOKです。

領収証やレシート類は、小さくて無くしやすいし探しにくいので、僕はA4の紙に糊付けして日付順にバインダーに止めています。

皆さんもわかりやすく領収証を管理しておくと確定申告時にめっちゃ楽になりますよ。

仕訳入力

経費と一言で言っても、通信費・仕入れ・家賃・消耗品・人件費など沢山あります。

これも基本的には、売上と同じように納品された日が計上する日です。

まだお金を支払っていなくとも、納品されいれば計上してください。

また、ちょっとややこしいのですが、製造原価という考え方があります。

これは、仕入れや外注費は売上の計上時に経費算入できるというものです。

意味わかりますかね?

コワーキングスペースは、ITの人が多いのでITで説明しますが

例えば
2/1にアプリの制作を100万で受注したとします。
その開発の一部を外注したとします。
その外注した部分は、12/1に完了したので納品とともに外注費30万を支払う。
その後開発を続け1/10にお客様へ納品し、2/10にお金を受け取る。

これを仕分けするとこんな感じになります。

日付 摘要 貸方金額 摘要 借方金額
12/1 前渡金(立替金) 300,000 現金 300,000
1/10 売掛金 1,000,000 売上 1,000,000
前受金(立替金) 300,000 外注費 300,000
2/10 現金 1,000,000 売掛金 1,000,000

こんな感じになります。

外注費は製造原価になるので、売上のタイミングで経費に参入しなくてはいけません。

このような形で期をまたぐと、追徴課税の可能性が出てきます。

ご注意ください。

あと、注意すべきところがあります。

グレーゾーンの経費

それは「経費性」です。

これが経費に当たるのか経費に当たらないのかは正直わかりません。

そう言う規定集があるわけでもなく、税務署が経費と認めれば経費ですし、経費ではないといえば経費ではなくなります。

僕たちは、事業に使ったお金だから経費だろと思い経費に参入しても、税務署がこれが経費ではないと言ったらそれは経費ではなくなるのです・・・

とは言っても、誰が見ても明らかにこれは経費だろというものは大丈夫です。

逆に誰が見ても明らかにこれは経費じゃねぇなという物はどんなに頑張っても無理です。

そして厄介なのは、世の中白か黒の二択で割り切れるほど単純ではないのです。

考え方で判断が変わる微妙なグレーゾーンが存在するのです。

ちょっと説明方法をミスるとそれは経費とは認められませんと言われます。

ここは、正直素人では無理です。ここを経費に入れたければ税理士・公認会計士を雇いましょう!

あとは事業用家庭用の按分です。

自宅を事務所にしている人の電気代や電話代やインターネット代など

車を事業でもプライベートでも利用する人の減価償却費にガソリン代

要は、プライベートが混ざっているものですね。

なぜ、それぐらいの按分なのか説明できるようにしておきましょう。

これらは経費とは認められませんのでご注意ください。

保険料・所得税・住民税・国民健康保険・国民年金など

会計ソフトを使うと、勘定科目に「保険料」なんてあるので勘違いする人もいますがダメです。

生命保険料や国民健康保険や国民年金は控除を受けられるのでそちらに参入してください。

あと面倒なのは減価償却と棚卸ですかね。

減価償却とは、固定資産は一括で経費に参入することができません。

どのように経費に参入するかというと、それぞれの耐用年数に応じて経費に参入します。

減価償却には、定額法と定率法の2通りの方法があります。

例えば、600万の車を買ったとします。耐用年数は6年だとします。
600万円の車を6年かけて経費に算入するわけです。

定額法の場合

600万の車を6年かけて経費に入れていきます。
毎年100万経費に算入します。6年で600万ですね。

定率法の場合

決められた償却率をかけて、減価償却費を計算します。
償却率とか改定償却率とか保証率とか面倒なので省きますが(会計ソフトが計算してくれます)
耐用年数6年の物の償却率は0.417です。
初年度は、6,000,000 × 0.417 = 2,502,00円経費にできます。
2年目、3,498,000 × 0.417 = 1,458,666円経費にできます。
3年目、2,039,334 × 0.417 = 850,402円経費にできます。
4年目、1,188,932 × 0.417 = 397,103円経費にできます。
5年目、397,103円経費にできます。
6年目、394,726円経費にできます。

こんな感じで計算されます。

どちらが良いかは、それぞれの状態で考えたらいいと思います。

今なんとか経費を増やしたいというのであれば定率法
今は、起業したばかりでまだ利益が少ないという人は定額法を選んだらいいと思います。

トータルで経費に入れられる金額は同じなので、いつの経費を多くしたいかという選択だけです。

棚卸

仕入れや外注費は、売上のタイミングで経費になると上でお話ししました。

外注費は上で説明したように処理していただければ大丈夫ですが、面倒なのは小売店・商店のような事業です。

コワーキングに小売の人は少ないと思うので、コワーキングスペースの利用者でだとするとネットショップの運営とかですかね。
仕入れた商品が期をまたぐことはよくあると思います。

在庫が期をまたぐ場合どうしたらいいのか?

それは、棚卸という処理を行います。

何をするかというと、当期の費用を減らし、次期へ繰り越します。

期末に30万円分の商品が売れ残った場合、こんな感じの仕分けになります。

日付 摘要 貸方金額 摘要 借方金額
12/31 商品 300,000 期末商品棚卸高 300,000
1/1期首商品棚卸高 300,000 商品 300,000

細かいものは無数にあると思いますが、きりがないのでこれぐらいで。

いよいよ、税務署に提出する確定申告書類の作成

必要なものはこの二つ

  • 確定申告書B
  • 「収支内訳書」や「青色申告確定決算書」(白色か青色の違いです)

上で説明した、面倒臭い作業は全てこの書類を作るためのものです。

会計ソフトを使っていると思うので、申告者の氏名や住所などの情報は入力していると思います。

まだなら、入力してしまってください。

もし、扶養に入ってたりして保険料控除などなければここで書類を出力して終わりです。

控除もいろいろありますが代用的なものはこんな感じです。

  • 社会保険料控除(健康保険料や年金)
  • 生命保険料控除(一般生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料)
  • 配偶者控除
  • 地震保険料控除
  • 医療費控除

こういった控除を入力すると確定申告書類の完成です。

あとは、使用している会計ソフトで確定申告書類を出力するだけです。

e-Tax対応の会計ソフトはe-Taxに取り込めるデータを出力できます。

e-Taxでインポートして申告してください。

この記事を書いた人

鶴田 賢太

大学時代、日商簿記の一級まで取得!!
それにより幹部候補だと言われ調子にのって就職するも、パソコンに興味を持ち、これからはITの時代だ!なんて、わずか1年で会社を辞め職業訓練校に通う。
ほんの基礎だけを学び、某大手の富○通のグループ会社で働く、そこも30歳になる頃、富◯通を退職しベンチャーの立ち上げに参加、その後外資系保険会社に転職し、3年後FP事務所を立ち上げ起業
それと同時ぐらいに、コワーキングスペースに魅了され2014年コワーキングスペースを立ち上げ。2015年に一般社団法人春日井起業支援センターを設立し、2016年にはRoom8法人化!
波乱万丈人生を楽しんでます。