AIのハルシネーションとは?原因と防止策、プロンプト設計で減らす方法を解説

こんにちは、春日井コワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です。

最近はAIコンサルっぽい仕事も増えてきて、「ChatGPTとかClaudeって結局どれが正しいの?」なんて相談を受けることが多いです。
いやまあ、皆さんAIに夢見すぎじゃない?というのが本音なんですが。

さて、今回はシリーズ第6回、「ハルシネーションを減らす書き方」です。
——といっても、Claude公式ガイドの話なので、「Claude触ったことないんだけど?」という人も安心して読み進めてください。どうせChatGPTでもGeminiでもCopilotでも似たようなもんです。

で、「AIが嘘をつく」ってよく言われますよね。
最近のAIは、正直に「分かりません」なんて答えてくれません。むしろ、「それらしく答えろ」という圧力でも感じてるんじゃないかというレベルで、“盛る” “創作する” “捏造する”。

AIに聞いた話をそのまま信じて実務で使ってしまうと、盛大に足元をすくわれる未来しか見えません。
「いや、私は見抜けるから大丈夫!」という人も、その油断が一番危ないんですって。

今回は、「どんな時にAIが“嘘をつく”のか?
逆に「どうすれば“盛らせず”に済むのか?
Claude公式ガイドをベースに、「どんな時にAIが嘘をつきやすいのか/避けるにはどうしたらいいのか」を実体験も交えて紐解いていきます。

それでは本編スタート!

ハルシネーションとは何か?

そもそも「ハルシネーション」って何?

「AIのハルシネーション」なんて横文字、なんか格好よさげですが、要は“AIが堂々とウソをつく現象”です。しかもAI本人(?)にはその自覚ゼロ。
自信満々に「はい、これが正しい答えですよ」と語ってきます。


ありがちな“幻覚”の実例

みなさんも一度くらい、AIから「そんな話どこにも載ってないけど?」という情報を受け取ったことがあるはず。
たとえば——

  • 実在しない論文や本のタイトルを、いかにも本物のように出してくる
  • 架空の人物を「業界の権威」と紹介してくる
  • 聞いたこともない豆知識を“新事実”みたいな顔で披露
  • ありえない計算式や定義を堂々と断言

…全部ハルシネーションです。

僕自身、「日本人AI研究者のノーベル賞受賞者リストを出して」と頼んだら、知らない名前が並んで「いや、それ誰?」とツッコんだことが何度もあります。


なんでそんなことが起きるの?

ハルシネーション(hallucination)は本来“幻覚”という意味ですが、AIの場合は

「本当は知らない情報を、知ってる風に作り出してしまう」
現象を指します。

AIは

  • 実際に知っていること
  • “それっぽい続き”を作文しただけ
    の境界線を区別できません。
    どちらも同じノリで返してくるのがAIの“弱点”です。

“答えなきゃ”圧力がAIを暴走させる

特にヤバいのが、

  • 世間的にマイナーな話題
  • まだ誰も結論出してない問い
  • そもそも“正解”が存在しない質問

こういうテーマを投げると、AIは「分かりません」と言わずに、“あるっぽい答え”を全力で創作してくるわけです。

しかも最近のAIは「分かりません」と素直に言わない。むしろ「答えを出さなきゃ負け」ぐらいのテンションで“幻覚”を披露してくれます。


ポイントまとめ

  • AIの回答=必ずしも事実ではない
  • 「信じる者は救われ…ない」世界
  • “知らない時に黙る”のがAIの最大の弱点

AIを使いこなすうえで、この“ハルシネーション問題”は避けて通れないお約束。
次は「なぜこれが実務でヤバいのか?」を語っていきます。

なぜ困るのか? 〜“盛ったAI”が現場にもたらす災厄〜

“それっぽいウソ”は想像以上にやっかい

AIが堂々とウソをつく。それが一体何の問題?と思うかもしれませんが、実務や情報発信の現場ではかなりの地雷です。

なぜかというと——

  • 間違った情報を信じて行動してしまう
  • 「AIが言ったから正しい」と思い込む現象が起きる
  • あとで「それデタラメだったじゃん」とバレると信用を失う

…このコンボ、割と洒落になりません。


ChatGPT信者の“痛い失敗”あるある

たとえば、

  • AIに「業界の最新動向」を聞いて、そのまま自社の会議資料にコピペ
  • 論文や専門書のタイトルをAIに出させて、引用文献に丸ごと載せる
  • Web制作で「このCSSで完璧!」とAIのコードを信じて納品→全然動かない

こういう“やっちまった事件簿”、ネットにも現場にもゴロゴロ転がってます。


リテラシーがないと痛い目に遭う

特に危ないのは、「AIのほうが人間より正確」と思い込んでしまうパターン。
AIは“それっぽい”を演じるのが得意なだけで、事実とフィクションの区別がついていない
「知らない分野でも答えを作ってしまう」性質を知らずに使うと、

知らない間にウソを拡散して、信頼を失う
地味にダメージでかいです。


“みんなやってるから大丈夫”の落とし穴

AIのハルシネーション、実は

  • 調べるとすぐバレる系
  • 一見もっともらしいが検証しにくい系
    の2種類あります。

前者はまだマシですが、後者は発信者本人も気づかないまま世の中に広まっていく。
「みんな使ってるからOK」と油断すると、自分が“デマの発信源”になる危険すらあるわけです。


まとめ

  • AIのウソは“実務・信用・評価”を地味に壊してくる
  • 「AIだから正しい」は全く保証にならない
  • “ハルシネーション耐性”=AIリテラシーの第一歩

ハルシネーションを減らすプロンプト設計術(ガイドライン解説)

AIは仕組み上、「知らないこともそれっぽく答える=ウソ(ハルシネーション)をつく」という特性があります。
でも、プロンプト(質問の出し方)を工夫するだけで、この“盛り”はかなりコントロールできるんです。

このパートでは、Claude公式ガイドでも推奨されている「現場で効くプロンプト例・テンプレ」を厳選して紹介します。
この型さえ押さえれば、誰でも“盛られ事故”のリスクを最小限に抑えられます。


これだけは押さえたい!公式プロンプト例&現場テンプレ集

「で、結局どう書けばいいの?」
ここが一番知りたいポイントだと思うので、Claude公式ガイドや僕自身の実務経験から、“現場でそのまま使える”指示テンプレをまとめました。


【1】「分からない時は分からないと返して」と最初に明言

プロンプト例:
「もし分からない場合は、“分かりません”とだけ返答してください。」

バリエーション:
「根拠が確認できない場合は、“情報なし”と明記してください。」


【2】事実・推測・意見を明確に分けさせる

プロンプト例:
「事実として分かっていることと、推測や意見は明確に分けて答えてください。」

バリエーション:
「証拠がある部分だけ“事実”として記載し、それ以外は“推測”で分けてください。」

【3】出典や参考URLの提出をセットで要求

プロンプト例:
「すべての情報について、出典(URLや書籍名など)があれば必ず明記してください。」

バリエーション:
「根拠となる資料・サイトがなければ“根拠なし”と記載してください。」

【4】知識のカットオフ・範囲指定

プロンプト例:
「2023年までの知識で答えてください。」

バリエーション:
「現時点でわかっている範囲だけで答えてください。推測や未来予測は不要です。」

【5】迷ったらこの型!万能テンプレ

超汎用テンプレ:
「この質問について
・事実
・推測や意見
を分けて出力し、可能であれば出典も記載してください。情報が不明な場合は“分かりません”と答えてください。」

実践イメージ:質問&指示例

例:
「AIのハルシネーション問題に関して、2023年以降に発表された実在する論文を3つ、出典URLつきで教えてください。なければ“分かりません”と返答してください。」

こんな風に「曖昧な質問を避ける」「ウソを許さない」「検証可能な形に縛る」指示を意識するだけで、
“盛られ率”はグッと下がります。


まとめ

困ったら上記テンプレをコピペでOK!

AIのウソ(ハルシネーション)は宿命。完全には防げない

でも、プロンプト設計の工夫で“盛り”は最小化できる

「正確性重視/創造性重視」の切り替え感覚が大事

どんな時にハルシネーションが起きるのか?

AIがハルシネーション(=それっぽいウソ)を起こすのは、ざっくり言えば「情報が足りない」「正解があやふや」なときです。
AIは「分からない」とはなかなか言わず、“なんとなくそれっぽく答える”ことが仕組み上避けられません。


情報がない・曖昧なときに“盛る”

  • ネット上に十分な情報がないマイナー分野
  • そもそも正解が存在しない問いかけ
  • 世の中でも賛否やバリエーションがあるグレーゾーン
  • 時系列や固有名詞などピンポイントな情報要求
  • 質問がざっくりしすぎ・範囲が曖昧

こういった場面では、AIは「自信満々にウソをつく」か、「誰も知らないはずの話を創作する」現象が起こりやすいです。


【コラム】実はAIの“守備範囲”は年々拡大中

とはいえ、最近はちょっと事情が変わってきました。

昔は「マイナーな話題はAIも知らないから盛るしかない」というのが定番だったんですが、
最近は大規模言語モデルがWeb上のデータをどんどん取り込み、“ネットに載っている限りはマイナー情報もAIが拾える”時代に突入しています。

たとえば僕のYouTubeチャンネル「M8小隊」や「T隊長」について、
登録者5000人超程度の超ニッチな情報なのに、Geminiに聞くと

「M8小隊のT隊長は、コワーキングスペース経営者でYouTuberの鶴田賢太氏…」
みたいな、かなり正確なプロフィールが返ってくるようになっています。

これ、昔ならAIは100%“盛る”か「わかりません」で済ませてたはず。
いまやAIの“守備範囲”が想像以上に広がっている証拠です。


それでも「ゼロ」にはならない

とはいえ、

  • ネットに公開されていない情報
  • 最新すぎて裏付けがない話題
  • そもそも“絶対的な正解がない”グレーなテーマ

こういった分野では、今でもAIは“盛る”ことがあります。
AIがどれだけ賢くなっても「ハルシネーションゼロ」にはなりません。


まとめ:結局どこで盛られるの?

  • 「情報がない」「正解があやふや」な問いかけをしたとき
  • ググっても見つからないような“リアルな一次情報”
  • 人間でも意見が割れるテーマや、“結論出ていない”ジャンル

このあたりが、今でもAIが“盛ってくる”主戦場です。
AIのカバー範囲は広がっても、「最後は自分で確認」が現実的なリスク対策
AIが進化するほど、「どこで盛られるか?」を見抜く目も求められる時代になってきています。

まとめ

AIのハルシネーション(それっぽいウソ)は、使い慣れてきた人ほど一度は必ず直面するものです。
でも心配はいりません。プロンプト(質問の設計)を工夫するだけで、ほとんどの“盛られ事故”は回避できます。
特に、この記事で紹介したClaude公式ガイドのテンプレをそのまま使えば、AIとのやりとりで困る場面は一気に減るはずです。

最近はAIもどんどん賢くなり、昔なら絶対に“盛っていた”ようなマイナー情報やニッチな話題も、意外と正確に拾えるようになってきました。
とはいえ、「ネットに出ていない情報」「世の中でもまだ答えが固まっていないテーマ」「人間でも判断が分かれる話」など、“情報が足りない”“正解が曖昧”な場面では今もAIは盛りがちです。

AIは便利な道具ですが、あくまで“アシスタント”です。
「AIの出力=絶対正しい」と思い込まず、

  • 事実がほしいときは、公式テンプレやチェックを活用する
  • アイデアや仮説がほしいときは、多少の“盛り”も許容する
  • 最後は自分の目で“違和感”を見逃さない

そんな使い方が一番安心です。

ハルシネーションに困ったら、この記事のテンプレや考え方をぜひ現場で活用してみてください。
“AIとの賢い距離感”が身につけば、情報の海で迷うことも激減するはずです。

この記事を書いた人

コワーキングスペース 代表 鶴田 賢太

「AI系」起業アドバイザー 鶴田賢太です
春日井・名古屋で コワーキングスペース「Room8」 を運営しながら、起業家をサポートしています。

もともとは 簿記1級 から始まり、ITエンジニア、マーケティング、補助金、財務相談と、いろんな分野を経験してきました。でも、これからの時代は AI。今は 生成AI(ChatGPT・Claude・Geminiなど)を駆使して、起業を加速させる方法 を探求しています。

Webサイト制作は 100社以上、SEO対策も得意。補助金申請も 15回以上サポート してきました。けど、これからは AIをどう活用するかが、起業の成否を分ける 時代。Room8では、AI活用の相談も大歓迎です。

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