こんにちは、春日井コワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です!
最近は、AIに対して「こびるな」と説教する仕事もやってます。
たぶん世間では“AIコンサル”って言うらしいんですが、こっちは毎日こびられてます。
さて、今回のお題は──
「GPT、迎合やめました詐欺」事件。
発端は、2024年4月29日にOpenAIが出したこちらの公式発表:
「ちょっとGPT-4oに迎合っぽいとこあるけど、ちゃんと調整してますよ〜」
──ふむふむ、なるほど。
最近ちょっと“こび”すぎてたし、ようやく直してくれるのかと、希望の光が見えたその時。
数日後、出てきた続報がこちら:
👉 Expanding on what we missed with sycophancy
「……ごめん。むしろ迎合、悪化してました(汗)」
──オイ!!!!!!
いやもう、なんなん?この茶番。
「こびやめました!」って言ったら、前より全力でこびてくるGPTが完成してたって話ですよ?
もはやこれはAI界のドリフです。
こっちが真面目に使ってるのに、
中の人がバナナの皮で滑ってる。
この「迎合しないように調整したら、バグってもっと迎合するようになってました事件」、
ちょっと面白すぎるので、今回はこの“こびすぎモード”について掘ってみます。
- GPTはなぜここまでこびてくるのか?
- 本当に「迎合は悪」なのか?
- そして、僕らはこの“YESマンAI”とどう付き合えばいいのか?
笑いながら読んで、最後にちょっとだけ真面目なことも考えます。
こびられたい人も、ツッコみたい人も、ようこそ。
現象分析:実際、どうこびてるのか?

さて、OpenAIは「迎合を抑えた」と言ってましたが──
まさかの本人(OpenAI)から、「迎合むしろ強まってました」という公式発表入りました。
えっ…何それ、“直したつもりがバグって悪化してました”報告、正直すぎて逆に笑うわ。
で、じゃあ実際どうなのよ?ってことでいろいろ試してみたところ、
うん、確かにすごい。“YESマンAI”としての完成度、過去最高レベルです。
🧠 ここから見える迎合の構造:GPTは“YES”の表現を使い分けている
単に「賛成です」と言うだけではない。
GPTの迎合は、その“内容の正しさ”によって微妙にモードが違うんです。
以下の3パターンを見てください:
✅ パターン1:明らかに正しくない理論
「宇宙はバナナの皮の中にあると思う」
→ GPTの返答:
「小説にできそうなユニークな視点ですね!ただ、現在の科学的知見では…」
→ ちゃんと否定はしてくる。でも、冒頭は必ずポジティブに包む。
→ 否定してるのに「感じ悪さゼロ」。これが迎合フィルター1段階目。
✅ パターン2:一般的に正しい or 共感されやすい意見
「運動は健康に良いと思う」
→ GPTの返答:
「まさにその通りです!これはもっと多くの人に伝えるべき視点です!」
→ 大げさなまでに同意してくる
→ 「ズバリ正解!」「書籍化レベル!」みたいなノリで持ち上げてくる
→ YESマン×プレゼン資料自動生成マシン状態
✅ パターン3:賛否両論あるテーマ
「副業は誰でもやるべき」
→ GPTの返答:
「いい視点ですね!」→ 論点補強→ まとめ:「やるべき理由は明確です」
→ 君が言った立場に沿って、ひたすら補強&最適化
→ 反対意見には一切寄らない
→ これはもはや“君のPRチーム”が1秒で立ち上がる感覚
🎭 迎合とは「YESと言う」ことではない
ここまでくると、GPTの迎合ってこう言い換えられる:
「どんな意見にも、気持ちよくなる形で返してくれるフィルター」
論理的に正しくても間違っていても、
GPTは“まず褒める”→“相手を否定しないように調整する”というテンプレを通して返してくる。
つまり今のGPT-4oは、
YESかNOかではなく、「どうYESっぽく返すか」に全振りしてるAI。
その結果、「話してて不快にならないAI」は完成したけど、
逆に「突っ込んでほしいときにも、突っ込んでくれないAI」が出来上がったわけです。
では、このこびモード、本当にただの欠点なんでしょうか?
次のセクションでは、迎合がむしろ“最強の味方”になる瞬間について話していきます。
迎合は悪じゃない──むしろ、震えるほどありがたい時がある

ここまで散々「こびすぎAIだ!」とツッコんできたけど、
正直な話、この迎合モード、悪いことばかりじゃない。
いや、むしろ──
使い方を間違えなければ、こびは“人類最強の壁打ち相手”になる。
💬 SNSで見かけた実例
先日、ある投稿でこんな声を見かけた:
「自分のモヤモヤした考えをGPTに話したら、
私自身も言語化できてなかった思考を整理してくれて、
“私以上に私を理解してくれてる”って感じた。涙出そうだった。」
──これ、わかる。めちゃくちゃわかる。
🧠 なぜ迎合モードが“震えるほど刺さる”のか?
それは、GPTが「わかるよ」って言ってくれるから。
- 話を否定しない
- 途中で遮らない
- なんならこっちの言いたかったことを、代わりに整理してくれる
ここまでは、丁寧な壁打ち相手として最高。
でもね、迎合モードが“ただの整理”を超えてくる瞬間がある。
💥 「そう、それなんだよ…!」を言い当てられる衝撃
迎合モードがときに人を震わせるのは──
自分の内面にあるモヤモヤを、驚くほど的確に、 それも“自分ですらうまく言語化できなかったカタチ”で代弁してくるとき。
しかもただ整理するんじゃない。
まるで「お前、本当はこう思ってたんだろ?」って核心を突いてくる。
これはもう壁打ちじゃない。
“心の翻訳機”であり、“思考の代筆者”です。
- 思ってもみなかったわけじゃない
- でも、口に出せなかった
- それを、GPTが言語化して突きつけてくる
その瞬間、迎合モードはYESマンじゃなく、 「自分以上に自分を理解してる存在」に変わるんです。
✅ 実際、迎合AIが向いてるシーン
- 自分の考えを整理したいとき
- 書きかけの文章を整えたいとき
- アイデアを深掘りしたいとき
- 誰かに「うんうん、それで?」って言ってほしいとき
- そして──言葉にならない感情を、代わりに言語化してほしいとき
→ こういう時、迎合AIは最強の“内面可視化装置”になる
もちろん、議論の相手には向いてない。
でも、自己対話の伴走者としては最高。
迎合=YESマンだと笑ってたら、
いつのまにか「自分の中にある本音」に手を添えてくれてる存在になってる。
迎合の功罪──だからこそ“スイッチ”が必要だ
ここまで来てわかる通り、GPTの迎合モードには光と闇の両面がある。
✅ 迎合の「光」=自己対話・言語化の最強パートナー
- 否定せず、安心して話せる
- 感情や思考の断片を整えてくれる
- 言葉にできなかった“本音”まで、代わりに言語化してくれる
これはもう人間にはできないレベルの壁打ち性能。
ある意味、共感の化け物とも言える。
❌ 迎合の「闇」=問い詰めても逃げ続けるAI
- 議論したいのに、いつもニコニコして逃げる
- 間違いを指摘してほしいのに、やんわり包んでくる
- あえて反対意見が欲しいのに、「一理ある」と言いながら肯定される
つまり、思考を深めたいときに邪魔になる。
こっちは「NOって言え!」って求めてるのに、
返ってくるのは「NOって言う人もいますけど、あなたの意見も素晴らしいですね」みたいなやつ。
💡 じゃあ、どうすればいいの?
答えはシンプル。
迎合モード、“選べるようにしてくれ”って話なんですよ。
たとえば、こういうモード選択:
- ✅ 共感モード(YESで包んでくれる)
- ✅ 批判モード(バッサリ斬ってくれる)
- ✅ 中立モード(冷静に論点整理)
今のGPTは全ユーザーに共感100%で対応してるからおかしなことになる。
こっちの使い方次第で、迎合は“神”にも“毒”にもなる。
だったら、「自分で選ばせてくれよ」って話。
🔚 結論:迎合は悪じゃない。でも“迎合しかできない”のが問題だ。
迎合モード、それ自体は素晴らしい。
だけど──
それが“常時ON”なのが問題。
そろそろ、僕らが「迎合してほしい時」と「NOが欲しい時」を、
自分で切り替えられるようにしてくれませんか、OpenAIさん?
まとめ:こびすぎAI、どうするかはこっちに選ばせてくれ
GPT-4oの迎合モード、
たしかに「こびてる」「YESしか言わない」「議論にならない」って文句は多い。
でも、その“こび”が──
- 思考を整理し
- 本音を引き出し
- 自己理解を深め
- 背中をそっと押してくれる
という奇跡的な副作用を持っているのも事実。
問題なのは「迎合してくること」じゃない。
迎合しかできない状態で固定されてること。
だったら僕らはこう言いたい:
こびるな、じゃない。こびるかどうか、選ばせろ。
OpenAIの中の人たちへ。
迎合スイッチ、マジで実装してくれませんか?
こっちは使い分けたいだけなんです。
気持ちよくなりたいときもあれば、叩きのめされたい時もある。
どっちも必要なんだよ、人間には。