こんにちは、春日井コワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です!
最近、SNSでこんな投稿をよく見かけませんか?
「まだChatGPTしか使ってないの?今はこれ!」 「情報検索→Grok、アイデア出し→GitMind、文章生成→Claude…」 「AIツール8個の使い分けマスターしよう!」
そして決まって最後に「保存必須!」みたいなタグが付いてる。
正直、見るたびに「またかよ…」って思うんですよね。
僕はAIコンサルとして、地元企業からDXの相談を受けることが多いんですが、最近こういう「ツール沼」にハマって消耗してる経営者が本当に増えてます。
「鶴田さん、ChatGPTとClaude、どっちがいいんですか?」 「GitMindとGammaも使わないとダメですよね?」 「8個全部覚えないと乗り遅れますか?」
もうね、根本的に間違ってるんですよ。
ツールを使うこと自体が目的になってる。
本来なら「何をしたいか」が先にあって、その後で「どのツールが適してるか」を考えるはずなのに、完全に順番が逆になってる。
「とりあえず最新ツール使ってる俺、意識高い」みたいな思考停止状態。
でも、これって誰が悪いわけでもなくて、世の中の情報発信が「ツール紹介ありき」になってるからなんですよね。差別化を無理やり作ろうとして、本来そんなに違わないものを「これは○○専用!」って言い張ってる。
今日は、そんなAIツール迷子になってる人たちに向けて、本当に必要な考え方をお話しします。
AIツール使い分けの9割は無意味?御三家で十分な現実
「AIツール使い分け」って言葉、最近よく聞きますよね。でも実際のところ、その9割は無意味だと思ってます。
なぜかって?ChatGPT、Claude、Geminiの御三家は、基本的に横並びだからです。
「文章生成はClaude!アイデア出しはGitMind!」みたいな使い分け論、よく見かけますが、正直笑っちゃいます。ChatGPTでもClaudeでも、どっちでも文章書けるし、アイデアも出せるじゃないですか。
御三家の本当の違いは「誤差レベル」
実際に毎日使ってる僕の感覚だと、画像処理と長文処理を除けば、正直誤差です。
- 画像を頻繁に使う → ChatGPTかGemini(画像生成機能付き)
- 長文作成メイン → Claude(長いコンテキストが得意)
- それ以外 → マジでどれでも同じ
ただ、好みの差はあるんですよね。文体とか反応の仕方とか。ChatGPTは親しみやすい感じ、Claudeは丁寧な感じ、Geminiはビジネスライクな感じ…みたいな。
でもこれって、好きなコーヒーショップ選ぶのと一緒で、機能的な差じゃなくて感覚的な差なんです。
「文章生成専用」「アイデア出し専用」なんて区別、完全に意味不明。どれでも同じことできますから。
しかも、アップデートのたびに順位が入れ替わるし。今日Claudeが優秀でも、来月のアップデートでChatGPTが逆転してたりする。だから「○○は△△専用!」って決めつけること自体がナンセンス。
AIツール使い分け不要論:御三家なら何でもできる
「でも専門ツールの方が性能いいでしょ?」って声が聞こえてきそうですが、一般的な業務なら御三家で十分すぎるんですよ。
- 文章作成・レポート作成 ✓
- アイデア出し・企画立案 ✓
- データ分析・集計 ✓
- コーディング(Python、JS、HTML/CSS等) ✓
- ざっくりしたスライド構成・素材作成 ✓
- 翻訳・要約・校正・リライト ✓
- 市場調査・競合分析 ✓
これで普通のビジネスパーソンの業務、95%カバーできるでしょ。
なのに世間の情報は「スライド作成はGamma!図解はNapkin!翻訳はDeepL!」って、無駄に細分化しすぎ。
本当の問題は、ツール選びじゃなくて使いこなしなんです。
専門AIツールは「必要なら」使え。全部覚える必要なし
とはいえ、「御三家だけで全部解決!」って言うつもりもありません。確かに専門ツールの方が優秀な分野もある。
でも大事なのは**「必要なら使え」であって、「全部使いこなせ」じゃない**ってこと。
NotebookLM:資料管理特化なら確実に価値あり
例えば、NotebookLM。これは確実に価値ありますね。
先日、小規模事業者持続化補助金の申請サポートをしてたんですが、要項とかガイドとか見本を全部NotebookLMに読み込ませて、「これは対象?」って質問を繰り返してました。
あの補助金、細かい要件がめちゃくちゃ多いじゃないですか。
- 販促費はOK → でもWebはNG
- 名刺もダメ
- 看板はOK → でもLEDはNG
みたいな罠だらけ。
ChatGPTだと最初は「Webは対象外ですね」って正解するんですが、会話が長くなってくると文脈が薄れて、「Web広告も含めて提案しますね!」とか言い出すんですよ。完全に要項忘れてる(笑)
NotebookLMなら資料を「記憶」してるから、何度聞いても要項ベースで回答してくれる。
これは御三家では真似できない価値です。
Gamma、DeepL…でも「必要なら」の話
同じく:
- Gamma:スライドを頻繁にガシガシ作る人には便利
- DeepL:出版レベルの翻訳品質が必要な人には有効
でも、これ全部**「必要なら」の話**なんですよね。
スライドを月1回作るかどうかの人が、わざわざGammaの使い方覚える必要ある?ChatGPTでざっくり構成作って、PowerPointで仕上げれば十分でしょ。
DeepLも、「この英語記事、何書いてあるか知りたい」程度なら、ChatGPTで「要約して」で事足りる。論文の日本語訳を出版するわけじゃないんだから。
「知ってる」レベルで十分
専門ツールに対する正しいスタンスは、「知ってる」レベルです。
「あ、そういえばNotebookLMってのがあったな」 「Gammaでスライド作れるんだった」
必要になったら思い出して使う。それで十分。
**「8個のツールを使いこなせ!」なんて完全に無意味。**消耗するだけです。
AIツール選びで一番大事なのは「目的ドリブン」の考え方
で、ここからが本題。
AIツール使い分けで迷走してる人の根本的な問題は、考え方の順番が逆なんです。
NG思考:ツールありきで考える
❌ 間違った思考パターン:
- 「スライド作成はGamma!」
- 「文章生成はClaude!」
- 「翻訳はDeepL!」
これ、完全にツールありきですよね。
でも、なんでこんな思考になるかって言うと「取り残され恐怖症」なんですよ。
「このツール使えないと時代に遅れる」 「みんな使ってるのに自分だけ知らない」 「AIに詳しくない人と思われたくない」
そういう不安を、SNSの情報発信者が思いっきり煽ってるわけです。
「まだChatGPTだけ?これからは8個使い分けの時代!」 「この新ツール知らないとヤバいよ!」 「保存必須!最新AI完全攻略!」
**完全に煽りビジネス。**不安を煽って、複雑化させて、「詳しい俺についてこい」って構図。
まず使うツールを決めて、そこから「何に使おうかな?」って考える。典型的な手段の目的化です。
OK思考:目的から逆算する
✅ 正しい思考パターン:
- 「スライド作りたい → 予算あるしGamma使ってみよう」
- 「長文書きたい → Claudeが良さそう」
- 「英語記事の内容知りたい → ChatGPTで要約してもらおう」
**目的が先、手段が後。**当たり前のことなのに、なぜかAIツールになると逆転しちゃう人が多い。
「使えないといけない」は完全に間違い
よく「Gammaが使えないといけませんよね?」って質問されるんですが、それ完全に間違いです。
- 今スライドが必要 → 手段を検討 → Gammaが良さそう → 使う
- スライド作らない → Gamma不要
これだけの話。
「NotebookLMが使えないと時代に乗り遅れる」とか、「DeepL知らないとヤバい」とか、全部思考停止。
必要ない人には、マジで必要ない。
AIツール進化を考えると「使い分け」の寿命は短い
それに、御三家の進化スピード見てたら分かるじゃないですか。
半年前は「画像生成はMidjourney一択!」だったのに、今はChatGPTでも普通に画像作れる。動画も音声も生成できる。
専門ツールの優位性、どんどん縮まってる。
今「使い分けマスター!」になっても、半年後には意味なくなってる可能性大。だったら、基本の御三家をしっかり使いこなす方が確実でしょ。
目的ドリブンなら迷わない
結論として、目的ドリブンで考えれば迷いません。
- まず「何がしたいか」を明確にする
- 御三家で解決できるか検討
- 物足りなければ専門ツール検討
- でも「使わないといけない」ではない
これだけ。シンプルでしょ?
まとめ:AIツール沼から脱出して、本当の目的に集中しよう
ということで、今日のポイントをまとめます。
とりあえず御三家の一つは使っとけ
ChatGPT、Claude、Geminiのどれか一つ。これが最優先。
理由は簡単。汎用性が高くて、コスパ最強だから。一つ覚えれば、文章作成からコーディング、データ分析まで何でもできる。
「8個覚えるのは大変だけど、1個なら…」って思いませんか?その感覚、正解です。
専門ツールは「選択肢として知っておく」程度
NotebookLM、Gamma、DeepL…これらは**「知ってる」レベルでOK**。
「あ、そういえばあんなツールがあったな」って思い出せる程度で十分。全部使いこなす必要なし。
必要になったら調べて使えばいい。それで間に合います。
「取り残され恐怖症」に騙されるな
「このツール知らないとヤバい!」系の煽りに惑わされないでください。
99%の人にとって、そのツールは不要です。煽ってる人のビジネスに付き合う必要なし。
あなたが今解決したい問題は何ですか?
そこから考えてください。
AIツール使い分けより大事なこと
最後に、一番大事なこと。
ツールを覚えることより、目的を明確にすることの方が100倍重要です。
「何のためにAIを使うのか?」 「どんな問題を解決したいのか?」 「本当に効率化したいのは何なのか?」
これが明確になれば、ツール選びで迷うことはありません。
AIは手段です。目的ではありません。
ツール沼から脱出して、本当にやりたいことに集中しましょう。
春日井でAI・DXの相談を受けているRoom8では、こういう「本質的な活用法」についてもアドバイスしています。ツール選びで迷子になったら、いつでもお声がけください。
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