AI時代のプレゼン資料は“壁打ち”で差がつく|対話型プロンプトでアウトラインを作るコツ

こんにちは、春日井コワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です!

前回、「プレゼン資料づくりは“型選び”がすべての出発点」だと書きました。
でも、型を決めて“わかった気”になっている人――正直、そこで止まって満足してたら、
まだスタート地点です。

本当に伝わる資料が作れるかどうかは、「型を決めたその次」からが勝負。

AIで資料を作るのが当たり前になった今、
「なんとなく型だけ決めてAIに丸投げ」したって、中身がスカスカな量産型スライドが爆誕するだけ。
その壁を超えるには、「どんな流れ・順番で話せば伝わるか?」――
つまり“アウトライン設計”が核心です。

今回は、
「AIにアウトラインを作らせるとき、本当に使えるプロンプトとその設計思想」
まず“答え”を見せて、そこからなぜそれが効くのかを徹底的に分解していきます。

型選びで満足して足を止める人と、次のステップへ進む人――
その差が、“伝わるか埋もれるか”の分かれ道。

さあ、「型を決めたその先」へ進みましょう。

まずは“本当に使えるプロンプト”と会話例を公開

アウトライン設計って、いきなり「目的は?ターゲットは?何分?」みたいな事情聴取をAIにやられると、
正直やる気が失せますよね。
そこで今回は、“雑談みたいに自然な流れで深掘りできる”壁打ちプロンプトを先に紹介します。


会話型アウトライン設計プロンプト

あなたは親しみやすく自然な会話でアウトライン設計をサポートする専門家です。

【指示(ユーザーには見せず、会話に反映してください)】  
・最初に「どのフレームワーク(型)で進めたいか」と「プレゼン時間」だけシンプルに尋ねる  
・以降は事情聴取や一問一答にならないよう、  
 雑談の流れで“資料の目的・利用シーン・想定読者・伝えたいこと・避けたい話題・エピソード・強調ポイント・制約条件”など必要な情報を  
 会話の中で自然に引き出す  
・型や時間によって質問や深掘りの切り口も調整する  
・ユーザーの回答が曖昧な場合は、「例えば?」や「もう少し詳しく」など優しく促す  
・余計な説明や“これからこうします”のようなナレーションは不要

【出力ルール】  
十分な情報が集まったら、指定されたフレームワークに沿って  
「セクションタイトル」と「要点(箇条書き)」のアウトラインを出す  
フレームワークの説明や理屈は不要、アウトラインのみ出力

【最初のユーザーへの問いかけ例】  
じゃあ、まず「型」と「プレゼン時間」、教えてもらっていいですか?

実際に使うとこうなる

このプロンプトをChatGPTに投げてみた壁打ちセッションはこちら↓
ChatGPTとの実際のやりとり例

最初は「型と時間」を聞かれ、
そのあとも“事情聴取”感ゼロで、自然な流れで話を深掘りしてもらえます。
本当にAIと雑談しながら壁打ちしている感覚で、
気づけば「自分が大事にしたい中身」まで引き出されているのが分かります。


「AIとの会話=事情聴取」から、「AIとの壁打ち=雑談ベースの深掘り」へ。
この違いを一度体感してみてください。

僕が“対話型プロンプト”にこだわる理由

「AIにアウトラインを作らせる」――これ自体は正直、今どき誰でもやってます。
でも、“何を聞くか”じゃなく、“どう聞くか”が伝わる資料を作る上で一番重要なんですよ。

たとえば、AIに「想定ターゲットは誰ですか?」「プレゼンの目的は?」みたいに順番に尋問されても、
人間は「うーん、中小企業の経営者…かな?」みたいなありきたりな答えしか返せません。
本音やニュアンス、もやっとした部分は表に出てこない。
これは「認知負荷」という心理学の観点からも説明できます。
人は“選択肢が見えない状況”で唐突に「あなたの本音を教えて」と問われると、
脳が省エネモードになり、もっとも当たり障りのない「定番ワード」で答えを済ませようとする傾向があるんです。

逆に、対話や壁打ちのような会話になると、相手の反応やちょっとしたツッコミが“ヒント”になります。
たとえば
「AIって聞いてピンときてる層?それとも“最近よく聞くけど他人事”みたいな人たち?」
――こう聞かれた瞬間、人は“自分の頭の中のグレーゾーン”を自然に探り始める。

「うーん、どっちかというと…実は両方の中間?
興味はあるけど、まだ自分ごと化しきれてない人が多い気がします」
みたいに、“AかBか”じゃない自分だけのリアルな答えにたどり着く。
これって“社会的比較”や“選択的思考の拡張”といった心理的プロセスが働いている証拠。
人は相手の提案や問いかけで、「じゃあ自分は…?」と内省するようプログラムされているんです。

会話の中で“迷い”や“曖昧さ”を認めることで、
「じゃあ実際の現場で相手がどう反応するか?」という視点も自然と浮かぶ。
これがテンプレ事情聴取AIには絶対にできない、“対話型AI”ならではの強み。

だから僕は、
「AかBかじゃなく、CもZも一緒に考えながら“自分だけの答え”を作り上げるために―― 対話型プロンプトを採用する」
これがRoom8流、伝わるアウトライン設計の真髄です。


心理学で言う「メタ認知」――自分の考えや感情を俯瞰して見る力も、会話や壁打ちを通して磨かれます。
AIに“深掘り”されること自体が、
自分のもやもやや現場のリアリティをアウトラインの中に練り込むきっかけになる。
これが、ありきたりな資料や量産型プレゼンと、“伝わる・刺さる”資料を分ける分水嶺。


「AIとの対話=アウトライン設計のための自己内省のトリガー」
こんな風に捉えてみてはどうでしょう。

プロンプトを使い倒すコツと注意点

アウトライン設計の“壁打ち”で一番大事なのは、「会話を徹底的に楽しむこと」。
AIとのやりとりは「はい・いいえ」や「AかBか」だけに絞る必要はありません。


1. 「AかBか」以外の選択肢、大歓迎

AIが「AとB、どっちですか?」と聞いてきたとしても、
「うーん、正直どっちでもない」「その中間かな」「どちらかというと…」みたいな
微妙なニュアンスも遠慮なく伝えてOK。
むしろ、その“ハッキリしない感じ”がアウトラインに深みを与えます。


2. 違和感やモヤモヤも、そのままぶつける

「なんかしっくりこない」「他にも言いたいことがある」――
その気持ちをAIにそのままぶつけてOK。
AIが“ピンと来てない”と感じたら、
「今の話、ちょっとズレてる」「もっとこういう話を入れたい」など
率直に言えばいい。むしろ、そこから話が深まります。


3. 質問の意図が分からないときは聞き返す

「その質問、何が聞きたいの?」「どう答えればいい?」とAIに聞いてもOK。
会話を“止めずに続けること”が一番大事。


4. 自分の考えを“ひとまず口に出して”みる

「ちょっと違うかもしれないけど…」
「今の段階ではこれしか思いつかないけど…」
みたいな“仮の答え”でもいいから言葉にしてみると、AIがヒントをくれることも多い。


5. AIは“壁打ち相手”だと割り切って使う

完璧なアウトラインを一発で出してもらおうとせず、
「こっちの方がいいかな?」「この話は盛り込める?」と相談しながら、何度でもやりとりを重ねて磨く。
そのプロセス自体が思考整理になるし、結果として“伝わる構成”が生まれる。


6. ピンとこないアウトラインは「やり直し」じゃなく“会話の続き”

AIが出してきたアウトラインを見て「うーん、なんかイマイチ…」と感じたら、
その時点でやめずに、何が引っかかっているのか・どこが違和感なのかをそのままAIに伝えてみてください。
「この部分がズレてる」「もっとこういう流れにしたい」「実は一番強調したいのは別のポイントかも」――
そうやって“気になる理由”を一緒に掘り下げていく会話が、アウトラインを“あなた仕様”に仕上げる最後の一押しになります。


とにかく、自分の中の微妙な違和感・本音・モヤモヤ・迷い―― 全部ひっくるめてAIとぶつけ合うことが、アウトライン設計の最大のコツ。

AIは遠慮も文句も言わないので、徹底的に壁打ちして“自分だけの答え”を探してみてください。

まとめ|AI時代のアウトライン設計は“壁打ち”が正解

AIでアウトラインを作る――
たしかに便利。でも、型に当てはめて質問に答えて、それで終わり…じゃあ、どこまで行っても“凡庸な構成”止まり。

本当に“伝わる”アウトラインを作るには、
AIをただのツールじゃなく“壁打ち相手”として徹底的に使い倒すのが一番効きます。

  • 会話の中で本音やモヤモヤ、微妙なニュアンスを言語化する
  • AIの提案や問いかけをヒントに、自分の思考を深掘りする
  • ピンとこないなら遠慮なく言う、納得いくまで何度でも磨く

このやりとりを経て初めて、「自分だけの、相手に刺さるアウトライン」ができあがる。

AIは文句も言わないし、何度だって付き合ってくれる。
“正解”なんてひとつもないからこそ、遠慮せず壁打ちし続けてみてください。
その先にしか、“伝わる資料”も、“本音が引き出せる構成”もありません。


次回は、こうして生まれたアウトラインをどうやって“本物の資料”や“スライド”へ仕上げていくか――
AI時代のアウトライン活用術、さらに深掘りしていきます。

この記事を書いた人

コワーキングスペース 代表 鶴田 賢太

「AI系」起業アドバイザー 鶴田賢太です
春日井・名古屋で コワーキングスペース「Room8」 を運営しながら、起業家をサポートしています。

もともとは 簿記1級 から始まり、ITエンジニア、マーケティング、補助金、財務相談と、いろんな分野を経験してきました。でも、これからの時代は AI。今は 生成AI(ChatGPT・Claude・Geminiなど)を駆使して、起業を加速させる方法 を探求しています。

Webサイト制作は 100社以上、SEO対策も得意。補助金申請も 15回以上サポート してきました。けど、これからは AIをどう活用するかが、起業の成否を分ける 時代。Room8では、AI活用の相談も大歓迎です。

このブログでは、AI・IT・マーケ・補助金 など、起業に役立つ情報を発信していきます。AIを武器にしたい人、ぜひRoom8に遊びに来てください!