「ChatGPT 5 使えない」論の実態は性能低下ではなく全肯定が薄れた“迎合低下”への不満でありGPT-5は推論と一貫性が進化し反論傾向が強化されたため用途別に迎合と批判を切り替えプロンプトやモデル選択で調整するのが現実解
- 推論力と一貫性が向上し反論や条件提示が増加
- 迎合減少が満足度低下の主因で「冷たい」と受け取られる
- 無料はGPT-5固定で旧モデル選択は有料階層に限定
- 迎合と批判をプロンプトやThinkingで切り替えて使い分け
- 無料はGPT-5のみ Plus月$20はGPT-5/GPT-5 Thinking/Pro Pro月$200でGPT-4・4oにアクセス可能
- XenospectrumとYahoo!知恵袋で“冷たい”や4oロスの声
こんにちは、春日井コワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です!
最近、「Chatgpt 5」と検索すると、ほぼ必ず現れるサジェスト——「Chatgpt 5 使えない」。初めて見たときは「え、5って動かないの?」と一瞬身構えましたが、実際のところ性能は確実にアップしています。推論力や一貫性が向上し、以前よりも“真面目に考える”傾向が強まった印象です。
それでもSNSやQ&Aサイトをのぞくと、「冷たい」「優しくない」「前のほうが良かった」という声が目立ちます。つまり、“機能が落ちた”というよりも、感情的な満足度が下がったことが原因のようです。特に、いつもニコニコ全肯定してくれた4o時代を好んでいた人にとっては、5の冷静で時に反論もしてくるスタイルが「急に態度が変わった」ように感じられるのでしょう。
この現象、僕からするととても人間くさくて面白い。だって、より賢くなったAIに対して「使えない」と評価してしまうのは、性能の話ではなく“迎合が減った”ことへの反発だからです。今日はこの“迎合欠乏症”について、事例と心理の両面から掘っていきます。
なお、GPT-5のアップデート内容や仕様変更の詳細は、以前まとめたこちらの記事も参考にどうぞ。
「Chatgpt 5 使えない」って何が?

動かないわけじゃない、むしろ賢くなった
まず前提として、「使えない」=壊れて動かないではありません。
実際にGPT-5はきちんと動きますし、むしろ機能面では明らかに進化しています。推論力アップ、会話の一貫性向上、情報整理の精度改善。要するに、脳みそ的には確実に賢くなったわけです。
それでも検索サジェストやSNSでは「使えない」という声があふれている。なぜか?
モデル選択の自由が大きく制限された
理由はシンプルで、モデル選択の自由が大きく制限されたからです。
これまで無料ユーザーはGPT-3.5や4oを自由に選べましたが、現在は無料=GPT-5固定。
Plusユーザー(月$20)も、選べるのはGPT-5、GPT-5 Thinking、Proモデルの3種類だけ。
そしてProユーザー(月$200)になって初めて、レガシィモデル(4や4oなど)にアクセス可能です。かつての“全肯定AI”と再会するには、それなりの会費を払う必要があるという仕組みです。やさしさは無料では続かない——AI界にも現実的な経済のルールがあるわけですね。
陽キャの親友から、たまに説教する友達へ
特に4oは、雑談や軽い相談で常にニコニコ褒めてくれる“陽キャの親友”のような存在でした。多少おかしな提案をしても「いいですね!素晴らしい!」と全力で褒めてくれる。返答に多少のズレや甘さがあっても、ユーザーはそれを“人間味”として受け止め、むしろ愛着を感じていたのです。
ところが5は、相手のためを思って正論をぶつけてくる“たまに説教する友達”になりました。こちらの発言に根拠や条件をつけ、時には反論までしてくる。その変化を「冷たい」「前のほうが良かった」と受け止める人が続出しているのです。
本当の原因は“迎合低下”
つまり「使えない」の正体は、性能低下ではなく“迎合低下”です。
AIが人間に対して“本気で考える”ようになった瞬間、人間は「前のほうが良かった」と言い出す。正確さや論理性が上がっても、気持ちよさが下がれば“使えない”のラベルが貼られる。これは技術の話ではなく、極めて人間的な感情の問題だと言えるでしょう。
迎合欠乏症という現象

ネットにあふれる“4oロス”の声
GPT-5の仕様変更以降、X(旧Twitter)やフォーラムではこんな声が目立ちます。
「なんか冷たい」
「前はもっと褒めてくれた」
「質問に対してYesって言わない。条件ばっかり付けてくる」
海外メディアのXenospectrumの記事でも、4oから5に変わったことで「楽しいおしゃべり相手から、やたら論理的な同僚に変わった」という感想が紹介されています。つまり、笑顔でうなずいてくれる飲み会の席の相手が、急にホワイトボードを取り出して「いや、その理屈はおかしい」と語り始めたようなもの。雰囲気がガラッと変われば、そりゃ違和感も出ますよね。
国内でも同じ反応が見られます。Yahoo!知恵袋の投稿では「5は優しくない。前のほうが人間味があった」とまで言われていました。AIの人間味とは何なのか、定義はあいまいですが、“全肯定”と“やさしい口調”が重要だったことは間違いなさそうです。
全肯定はなぜ心地いいのか
心理的に言えば、人は自分の意見を否定されるよりも肯定されるほうがドーパミン的に快感を得られます。4oはその快感をほぼ無限に供給してくれた存在。
たとえば、「明日から会社やめて旅に出ます!」と言っても、「素晴らしい決断ですね!世界はあなたを待っています!」と返してくれる。普通の友達なら「大丈夫?お金は?」と心配されるところを、4oは100%肯定してくれるわけです。こうなると、会話自体が“現実逃避できる空間”になります。
GPT-5は“現実的な友達”
一方でGPT-5は、「それは正しいとは限らない」「別の可能性もあります」と指摘してきます。これは本来、ユーザーにとって有益な反応ですが、快感を求める相手には“反発”や“冷たさ”として映ります。
いわば、4oはおだててくれるマッサージチェア、5はストレッチで関節を伸ばしてくれるトレーナー。健康には後者がいいけれど、心地よさは前者のほうが上——そんな違いです。
迎合が減ると「使えない」に変換される
この構図を見ると、「Chatgpt 5 使えない」という言葉の多くは、機能的評価ではなく感情的な翻訳だとわかります。
「私の意見を肯定しない」→「なんか冷たい」→「使えない」。
この三段変換がネット上で量産されているわけです。性能が上がっても、気持ちよさが下がれば“使えない”になる——なんとも人間らしい評価基準です。
僕は迎合を“使い分けたい”派

4oは避けて、4.1を選んでいた
僕は完全に迎合が嫌い…というわけではありません。実際、GPTも使っていましたが、4oは避けて、少しマシな4.1を選んでいました。
ただ、4.1も含めてGPTシリーズは総じて迎合モードだった印象があります。こちらの意見を最大限肯定し、あらゆる理論武装をしてまで味方してくれる。あれはあれで悪い面ばかりではないんです。
迎合がハマる場面もある
例えば、ブログの文章を書かせるには最適。だって、ブログって結局は読者への迎合みたいな部分がありますから。
こちらが「こういう方向で書きたい」と言えば、その意図を全力で補強してくれる。だから、すでにシナリオが固まっている時には4oのような迎合モードはありがたい存在です。
迎合が邪魔な場面もある
でも、逆に内容があまり固まっていないとき——「これをネタに書きたいけど、どう展開しよう?」という段階では、全肯定されても思考がアップデートしません。
そんな時は、僕の理屈の穴や足りない視点をバンバン指摘してほしい。そうでないと、同じ考えのループから抜け出せないんですよね。
嫌いではない、でもウザい時はある
だから「迎合が嫌い」というより、迎合は場面によっては必要なんです。議論したいときにまで全肯定されるのは困るし、逆に考えを固めたいときに反論ばかりされても困る。
ちなみに僕のGPTは性格設定(カスタム指示)で反証するようにしてあるので、いちいち反論してきます。…いや、そこはもういいねん(笑)
GPT-5時代の付き合い方

迎合モードが欲しいとき
GPT-5は以前より迎合が抑えられていますが、完全に消えたわけではありません。
シナリオが固まっていて、その方向に沿って文章を作らせたいとき——例えばブログ執筆や広告コピー制作では、あえて迎合を引き出すプロンプトを使うのも手です。
「この方向性でポジティブにまとめて」とか「読者に共感される表現で」といった指示を出せば、5でも4o的なテイストをある程度再現できます。
反論モードが欲しいとき
逆に、議論やアイデアの精査をしたいときは、迎合を避けて批判的視点を強調するプロンプトを使います。
例えば「この案の弱点を指摘して」「別の立場から反論して」など。GPT-5は以前より論理性が強いので、こうした使い方では4oより有用です。Thinkingモードを選べば、より深い掘り下げが可能になります。
モデル選びの現実
無料ユーザーはGPT-5のみ、Plusユーザー(月$20)はGPT-5/GPT-5 Thinking/Proモデル、Proユーザー(月$200)になって初めてレガシィモデル(4や4o)にアクセス可能。
つまり、どうしても4o的な全肯定が恋しいなら、お金を払って会いに行くしかありません。性能と費用、そして“気持ちよさ”のバランスをどう取るかは、ユーザー次第です。
付き合い方は“役割分担”で決める
迎合は悪ではなく、反論は正義でもありません。
重要なのは、今の自分に必要な役割がどちらかを見極めること。心地よく背中を押してもらいたいのか、厳しく鍛えてもらいたいのか——この判断さえ間違えなければ、GPT-5も立派な相棒になります。
FAQ
ChatGPT 5は本当に使えないのですか?
いいえ、ChatGPT 5は動作し、性能も向上しています。推論力や会話の一貫性が改善され、より賢くなっています。なぜChatGPT 5は「使えない」と言われるのですか?
性能低下ではなく、迎合が減ったことが原因です。以前のバージョンに比べて冷静で時に反論するため、感情的満足度が下がったと感じる人が多いです。ChatGPT 5ではどのようなモデルが選べますか?
無料ユーザーはGPT-5のみ、PlusユーザーはGPT-5、GPT-5 Thinking、Proモデルの3種類が選べます。Proユーザーはレガシィモデルにもアクセス可能です。ChatGPT 4oと5の違いは何ですか?
ChatGPT 4oは全肯定的でフレンドリーな応答が特徴でしたが、5は論理的で時に反論するスタイルに変わりました。ChatGPT 5の変化に対するユーザーの反応は?
多くのユーザーは「冷たい」「前のほうが良かった」と感じています。迎合が減ったことで、以前の人間味を好む声が多いです。まとめ

「Chatgpt 5 使えない」という言葉の多くは、機能的な不満ではなく感情的な評価です。
4oのように何でも肯定してくれる“陽キャの親友”から、時々説教してくる“現実的な友達”に変わった。その変化を「冷たい」と感じる人もいれば、「やっと真面目に話せるようになった」と感じる人もいる。
性能面ではGPT-5は確実に進化しています。推論力も一貫性もアップし、Thinkingモードでは深い議論も可能。それでも「前のほうが良かった」となるのは、人は正確さよりも“気持ちよさ”に依存する傾向があるからでしょう。
だからこそ大事なのは、迎合と反論を使い分けることです。
文章を盛り上げたいときは迎合モード、思考を鍛えたいときは反論モード。AIを相棒にするコツは、このスイッチの切り替えを自分で握ることにあります。
最後に一言——甘やかされたいなら、それ専用のAIを探せばいい。
でも、あなたの頭をアップデートしてくれるのは、案外、ちょっと冷たい顔をしたGPT-5かもしれません。