こんにちは、春日井コワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です!
最近は、名古屋・春日井エリアで「AI?ウチには関係ないと思ってた人たち」にこそ刺さるAI活用を広める活動もしてます。
さて、今回はNotion公式ブログのこの記事がちょっと話題になっていたので、AIオタクの僕がちょっと冷静に切り込んでみようと思います。
タイトルは「Notion AI for Work」。
「会議メモの要約から、情報の整理、進捗のキャッチアップまで全部やってくれるよ!」という、まるで“社内秘書”がAIになったような話。
でもね、僕から言わせると──
それ、便利になる人と、逆に時間を無駄にする人に、はっきり分かれます。
ツールが優秀になればなるほど、“それを使う人の頭の中”が問われる。
Notion AIはまさにその典型で、使いこなせば確実に作業効率は上がるけど、雑に使えばただの幻。
そんな「魔法のように見えるけど、魔法じゃない」Notion AIの実力と、
見落とされがちな“前提条件”について、掘り下げてみます。
Notion AIの新機能ざっくりまとめ

まずは、今回Notionが発表した新機能をざっと見ていきましょう。
一言でいえば、「AIが自分の代わりに内容を把握・要約・整理してくれる」という機能群。
いよいよ、AIが“使える風”から“実務で戦力になるかも”というフェーズに踏み込んできた感じです。
✅ Summarize meetings(会議の要約)
録音や議事録ベースで、会議の内容を数行で要約。
たとえば「昨日の進捗会議って、何が決まったっけ?」というモヤモヤに対して、即答してくれる。
✅ One-click summaries(ワンクリック要約)
Notion上の長文コンテンツを、ボタン一発で要約してくれる。
ドキュメントを全部読まなくても、概要だけサクッと掴める。
✅ Catch up(コンテンツの変化をまとめて把握)
チームのドキュメントやプロジェクトがどう更新されたか、変更点をまとめて把握可能。
Slackの通知がうるさくて全部見てられない人向け。
✅ Auto-organize(自動整理)
会議のメモやToDoリストなどを、AIが自動的にカテゴリ分け・並び替え。
「あれどこに書いたっけ?」問題を減らす。
✅ Writing improvement(英文の修正・整形)
英文メールや資料の書き直しもしてくれる。
日本人にとって地味にうれしい機能。
どれもこれも、「Notionって、もはやメモアプリじゃなくて仕事のOSだよね?」って錯覚しそうなラインナップ。
でもこの時点では、あくまで“やってくれそう”な感じがするだけ。
問題は、「ちゃんと仕事として機能するかどうか」。
──というわけで、次は実際に使ってみた・もしくは運用している立場から、
どこまで役に立つかを冷静に見ていきます。
正しく使えば鬼に金棒──「人にしかできないこと」に集中できる

Notion AI、今回のアップデートで明らかに一段階レベルが上がった。
単なる「文章を要約します」レベルじゃない。これはもう、“あなたの仕事を横で見てくれるAIアシスタント”です。
🎙 AIミーティングノート──録音するだけで議事録ができてる世界
まずヤバいのが「AIミーティングノート」。
Notionのデスクトップアプリ上でマイクをONにすれば、会話をリアルタイムで文字起こし → 自動要約まで一気通貫。
ZoomやGoogle Meet、Microsoft Teamsといったオンライン会議にも対応していて、
- 「誰が何を言ったか」
- 「何が決まったか」
- 「次にやるべきこと」
を勝手に抽出してくれる。
メモすら取らなくていい。Notionを開いておくだけで、「録る・書く・まとめる・共有」が完了してる。
これはもはや“秘書型AI”。
📚 リサーチモード──ページをまたいで「知ってる」AI
「リサーチモード」は、Notion上にある複数のページをAIが横断して検索・要約してくれる機能。
たとえば、プロジェクトの企画書・顧客ヒアリング・過去の打ち合わせメモがバラバラに存在していても、
「この件についてまとめて」と言えば、関連情報を勝手にかき集めて1ページにまとめてくれる。
つまり、「どこに書いたっけ…?」という迷子の時間がゼロになる。
🧠 その他のアップデートも“使えるやつ”ばかり
- キャッチアップ機能:プロジェクトの変更点だけをまとめて教えてくれる
- ワンクリック要約:長文ページを数秒でざっくり把握
- 自動整理(Auto-organize):メモやタスクを文脈でグルーピング・並べ替え
- Writing improvement:英文メールや資料をプロ並みに整えてくれる
どれも共通してるのは、「考えること以外」を手放させてくれるってこと。
🧩 “思考”にフルコミットできる環境が手に入る
ここまで読んで「それ、全部やってくれるの…?」って思った人もいるかもしれない。
そう、それ全部やってくれる。だからこそ、僕たち人間がやるべきことは、判断と創造だけになる。
- 会議の記録はAIに任せる
- 情報の整理もAIに任せる
- 要点の抽出、更新の把握、文書の書き直しもAIに任せる
つまり、「本当に自分がやるべきこと」に集中できる状態がつくれる。
この恩恵をちゃんと受け取れる人にとって、Notion AIはまさに鬼に金棒。
それでもまだ「なんかうまく使いこなせる気がしない…」と思ったあなた。
大丈夫。次のセクションでは、その“落とし穴”をちゃんと見ておきましょう。
でも、ナレッジが無いなら“空回り”するだけ

ここまで読んで、「Notion AIってめっちゃ便利そうじゃん!」と思った人──
その直感、間違ってません。でもちょっと待って。
このツール、本当に効果を発揮するのは「ある条件」を満たしてる人だけです。
それは何かというと、ズバリ…
“ナレッジが整ってること”
“日頃からNotionをちゃんと使ってること”
📉 情報がカオスな人が使っても意味がない
どれだけAIが優秀でも、素材がぐちゃぐちゃならそれなりのアウトプットしか出ません。
- 過去の会議メモがバラバラに散らばっている
- タスクもToDoもメモも全部1ページに書きっぱなし
- プロジェクトごとに情報のフォーマットがまるで違う
──こういう状態で「要約して」と頼んでも、Notion AIは「う〜ん、何をまとめれば…」と困惑するだけ。
AIは整理されていないものを、勝手に整理はしてくれない。
あくまで、整っている情報を“さらに活かす”存在なんです。
🙈 会議の音声も、ただ録るだけじゃダメ
AIミーティングノートも、便利な反面で過信は禁物。
- 録音するだけで“完璧な議事録”になるわけじゃない
- 話し方が曖昧だったり、会話がグダついていたらそのままグダった要約になる
- 話者の識別も完全じゃない。声質の違いである程度分けてはくれるが、誰が誰かを完全に把握してるわけではない
つまり、「録っておけば何とかなる」じゃなくて、「整理して伝える気のある会話」を前提に動くということ。
🧹 整備してこそ、AIは本領発揮する
Notion AIは、“放り込めば何とかしてくれる魔法の箱”じゃない。
むしろ、「日頃から情報を整える文化」を持ってる人にとっては、効率を爆発的に伸ばしてくれる武器になります。
- プロジェクトごとにテンプレートがある
- メモや記録を分かりやすく構造化している
- タグやデータベースを使って、Notionを“情報のハブ”として使っている
こういう人にとって、Notion AIは「時間を2倍にしてくれる道具」と言っても過言じゃない。
逆に、なんとなく使ってる人には、使いこなす前に“Notionごと放置”される可能性が高い。
🤖 AIは「人間の下位互換」だが、処理速度でぶん殴ってくる
AIってすごそうに見えるけど、本質的には人間ができることの延長線上にあるだけ。
- 人間にできないことは、基本的にAIにもできない
- 音声の微妙なニュアンスや空気感の読み取りでは、まだ人間の方が圧倒的に優れてる
- 話の前後関係や場の空気を踏まえた“総合的な理解”も、今のAIにはまだ難しい
でも、情報を構造的に処理して引っ張ってくるスピードだけは、完全に人間を超えている。
人間が5分かかる処理を、1秒でやってのける。
しかもそれを、同時並行で何十件もやれる。
だからこそ、人間が頭で考えて、整えた情報をAIに渡す。
この分担ができれば、Notion AIはめちゃくちゃ強い味方になる。
便利な道具ほど、“前提”が問われる。
Notion AIは、その最たる例。使いこなす準備ができていないと、むしろ無駄な期待とガッカリを生むことになる。
──でも、ちゃんと整える覚悟がある人なら、このツールは裏切らない。
誰に向いてて、誰に向いてないか

Notion AIが爆速で進化してるのは事実。
うまく使えれば、業務のスピードと精度を一気に底上げできる。
でも当然ながら、誰にとっても万能というわけじゃない。
正直に言うと、僕自身Notionがちょっと苦手です。
というのも、僕はいつも「ゼロベースで始める」タイプで、方向性が途中で変わることも多い。
そうすると、最初からガチガチに構造を決めるNotionより、ChatGPTやGeminiで壁打ちしながら、
その場その場で適したツール(スプレッドシートとかFirestoreとか)に分けて連携していく方が、圧倒的に性に合ってる。
Notionって、「使い方が決まってる人」に向いてるツールなんですよね。
🎯 Notion AIが向いてる人
- 情報の蓄積や整理がある程度できている
- 会議・タスク・プロジェクト管理をNotionに集約している
- ドキュメントやメモのフォーマットを自分なりに決めている
- 「何がどこにあるか」を他人と共有する場面が多い
- 情報整理や要約を“ある程度AIに任せたい”と思っている
つまり、Notionを“仕事の土台”として設計している人にとって、Notion AIは最高の相棒になる。
🤷♂️ Notionが合わないかもしれない人
- まだ何をどう整理するか決まっていない
- 思考の中でツールが決まっていくタイプ(=ChatGPTとの相談型)
- 会話ベースで進めたい or 動的に作業を組み立てたい
- スプレッドシートやコードベースで処理する方が早いと感じる
- “ルール設計”から始めることにストレスを感じる
Notionは構造化・運用ルール・見せ方を考える余裕がある人には向いているけど、
試行錯誤しながら考えていくタイプの人には、むしろ重荷になる場合がある。
👣 それでも、使い方が固まってきたらNotionも“入ってくる”可能性がある
実際、僕もいろんなツールを試しながら整えていった結果、
「この辺りはNotionに置いてもいいかもな」と思う領域が出てきている。
つまり、ツールって“最初から決める”ものじゃなく、“流れの中で役割が見えてくる”ものなんですよ。
Notion AIもその一つ。
「自分に向いてるか?」というより、「自分の仕事の流れにハマる役割があるか?」で見ていくと、無理せず使いどころが見えてくる。
だから僕は、Notion AIを「ラクしたい人の魔法のツール」じゃなくて、
「仕組みを作って、加速したい人の拡張装置」だと思ってます。
まとめ──Notion AIは“使いこなす意志”のある人の味方。でも、それが全てじゃない
Notion AIは、確かにすごい。
議事録を勝手に要約し、複数ページを横断して情報を整理し、進捗の把握までサポートしてくれる。
うまくハマれば、業務の効率は本当に化けます。
でもその力は、「自分で整えようとする人」や「整った情報環境を持っている人」にしか発揮されない。
Notion AIは“考えることをやめた人”を助けてはくれないんです。
僕自身、Notionは得意じゃありません。
なぜかというと、プロジェクトの方向性が最初から決まっていないことが多いから。
ChatGPTやGeminiに相談しながら模索していく中で、自然とスプレッドシートやFirestoreなど、いろんなツールに情報が分かれていく。
そうなれば、それらをAPIで連携して、自分なりの仕組みにしてしまう方が合っている。
Notionは、ある程度「運用を決めてからスタートする」世界観。
だから、「まず整える意志があるか?」「どんな整理が最適かが見えているか?」が重要になる。
つまり、AIやツールに自分を合わせる必要はないんです。
ChatGPTが合うならそれでいい。スプレッドシートが楽なら、それでいい。
Notion AIはその選択肢の一つにすぎない。
そして、ひとつだけ言いたいのは──
AIを使いこなさなきゃ、みたいな呪いは捨てていい。
AIは使うためにあるんじゃなくて、“何かを前に進めるため”にある。
流行ってるからとか、なんとなく便利そうだから、で使うと続かない。
「自分は何をしたいのか」「どこを効率化したいのか」
その問いからスタートすれば、NotionでもChatGPTでも、
きっと“使えるツール”になってくれるはずです。