こんにちは、春日井コワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です!
最近は名古屋・春日井あたりで、AIとフィクションを使って「現実のアップデート」を仕掛ける相談役みたいなこともしてます。
……と書くとなんか怪しいけど、要するに“人が信じたくなる物語”をつくって、それをビジネスにしたり、サービスにしたりっていうお手伝い。
で、今日はその根っこの話。
「虚構」って聞いて、どう思う?
・宗教は幻想
・肩書は見せかけ
・お金はただの数字
・国家は地図に線を引いただけ
・ブランドはイメージ商法
そんなふうに思ってる人、案外多い。
“賢い人ぶった虚構批判”って、SNSじゃ定期的にバズるからね。
でも、ここで一言。
「それ、ぜんぶ人類をここまで連れてきた最強のシステムなんですけど?」
って話。
ユヴァル・ノア・ハラリのベストセラー『サピエンス全史』にもあるように、
人間は“虚構”を信じることで、何千・何万単位の協力ができる唯一の動物になった。
- ライオンは血縁でしか動けない。
- ゴリラは顔のわかる範囲でしかまとまれない。
でも、人間は?
「日本」や「会社」や「理念」や「円」っていう、“実体のない話”を共有することで、全然知らない人とも団結できた。
これが文明の始まりであり、社会の起点であり、
つまり僕たちは、“虚構によって進化した動物”なわけ。
なのに――
「虚構なんて信じない」と言いつつ、しれっと通貨使って、SNSで肩書名乗って、
インスタにブランドバッグ載せて、「私らしく」とか言ってるわけで。
いや、それぜんぶ、どっぷり虚構。
ということで、このシリーズではそんな「虚構」の再定義をしていきます。
第1回の今回は、その序章。
虚構とは何か?
なぜそれが“力”になるのか?
これをハラリ的な視点をベースにしながら、毒多めで楽しく噛み砕いていくので、どうぞ最後までお付き合いを。
さあ、まずは「虚構の正体」から掘り起こしていこうか。
虚構の定義

虚構とは「みんなで信じた物語」である
じゃあまず、「虚構ってなんなの?」ってところからいこうか。
ざっくり言えば、
虚構とは、“物理的には存在しないけど、みんなが信じることで機能する物語”のこと。
たとえば――
- お金:紙きれに過ぎないけど、みんなが「これでパン買える」と信じてるから使える。
- 会社:登記してるだけの数字の箱。でもみんなが「この組織に属してる」と信じてるから、名刺が効力を持つ。
- 法律:紙に書いてあるだけ。でも社会が「従うべきもの」として信じてるから力がある。
- 国家:地球には国境なんて線は引かれてない。でも地図に線を引いて「ここが日本」と信じてるから成り立ってる。
「見えないけど、動かせる」──それが虚構の力
どれも、「物語の共有」があるから成立してる。
この“共有されたフィクション”が、社会を回してるってこと。
言い方を変えれば、僕たちは幻想で作られたゲームのルールを、疑いなくプレイしてるんだよね。
虚構は「嘘」じゃない。「超テクノロジー」だ
で、ここで大事なのは、
虚構は“嘘”じゃない。
むしろ“人類の超テクノロジー”だってこと。
他の動物は、「見えるもの」「嗅げるもの」しか理解できない。
でも人間は、「存在しないけど、信じることで動く」っていう認知革命を起こした。
これがハラリが言ってる「人類がここまで来れた最大の理由」でもある。
僕たちは今も“虚構”を使って生きている
つまり、
虚構は、人間だけに許された“認知の魔法”ってこと。
そして、これは単なる過去の進化じゃなくて――
僕たちが今、この瞬間も使いこなしてる、“生きるためのインフラ”なんだ。
ハラリ的視点──虚構が文明を生んだ

サピエンスが頂点に立てた理由、それは“ウソを信じられたから”
じゃあ、なんでそんな“存在しない物語”を人類は信じ始めたのか?
それについてズバリ答えてくれたのが、歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ
ベストセラー『サピエンス全史』(Amazonリンク)の中で、こう断言してる:
人間は虚構を信じることで、他人と大規模に協力できる唯一の生き物になった。
ライオンは100頭で狩れない。でも人間は、100万人で動ける
チンパンジーは、顔が見える範囲でしか群れをつくれない。
せいぜい50〜150人が限界。
でも人間は?
- 国という虚構で、1億人をまとめられる
- 法律という虚構で、見ず知らずの人と取引できる
- 通貨という虚構で、未来の価値を信じて貯金する
つまり、実体のないストーリーを共有する力こそが、文明の出発点だったわけ。
宗教も、国家も、企業も、ぜんぶ虚構の集合体
ハラリは言う。
「キリスト教もAppleも、信じる者をつなぐ虚構である」と。
まさにその通り。
- 聖書の教えを信じる人は“教会”に集まり
- スティーブ・ジョブズの思想を信じる人は“Apple Store”に並ぶ
物理的に触れられない「理念」や「価値観」を、まるで空気のように信じて動くのが、僕たち人間ってわけ。
で、これが今の僕たちの生活すべてを支えてる
改めて言うけど、
- 通貨も
- 法律も
- 会社も
- SNSのフォロワー数も
- あなたの履歴書にある「学歴」も
ぜんぶ虚構。だけど、それを「みんなが信じてるからこそリアルになる」。
そしてその“リアルに見える虚構”こそが、今の文明を形づくっている。
虚構は進化の副産物じゃない。主役だ。
ハラリの主張を一言でまとめれば:
虚構が文明をつくり、虚構が未来を動かしている。
僕たちは「嘘を信じる力」で進化した。
なら、どうやってそれを使いこなすか?って話が、次のテーマになる。
虚構をバカにする人の自己矛盾

「宗教なんて信じない」という人が、ブランドにお布施してる件
「宗教はウソだ」「スピリチュアルはバカのやること」
そう言う人、たまにいるよね。
でもそういう人に限って、
- Apple製品を“信仰心”レベルで揃えてたり
- ブランドロゴが付いてるだけで10倍の値段払ってたり
- インフルエンサーの言葉をありがたくリポストしてたりする
……ねぇ、あなたがそれを信じてる理由、ちゃんと説明できる?
結局、人は“自分の信じてる虚構”にだけリアリティを感じてる
宗教を「盲信」だと笑いながら、
自分の信じてる「キャリア」や「学歴」には異常に執着してる人、めっちゃ多い。
でもね、それ全部、物理的には存在しない“物語”なんだよ。
- 「東京大学卒」って書類はあるけど、そこに“頭の良さ”は貼りついてない
- 「課長」って肩書も、ただの社内ルールにすぎない
- 「成功者」って誰が決めたの?
みんな、何かしらの虚構に“信者”として参加してる
そしてそれ自体は悪くない。
虚構を信じること=人間の本能だから。
問題は、
他人の信じてる虚構だけを笑って、
自分のは“現実”だと思い込んでること。
虚構に気づかず、選ばず、流されてるのが一番やばい。
虚構は「信じるべきかどうか」じゃない。「選ぶ」ものだ
ここまできてわかってくるのは、
虚構は避けられない。だからこそ、“どの虚構を信じるか”が大事。
たとえば僕は「Room8」という虚構を信じてるし、
このブログも「虚構をアップデートできる」という信念で書いてる。
あなたは、どんな虚構に参加してる?
……その問いが、次の話に繋がってくる。
虚構の力──未来、自己物語、社会構造

未来への“約束”すら、虚構でできている
「明日から本気出す」
「老後に向けて貯金する」
「夢を叶えたい」
……それ、ぜんぶ未来に対する想像と信頼が前提にある。
でも未来って、物理的にはどこにも存在しない。
見えないし、触れられない。
それでも僕らは、未来を“信じる”ことで行動できる。
未来とは、最も普及している“虚構”の一つだ。
自分という物語も、実は虚構である
自己紹介って、言ってみれば「自分という虚構のプレゼン」だよね。
- 「営業マンとして10年のキャリアがあります」
- 「子どもの頃から音楽が好きで…」
- 「夢は独立して自分のカフェを持つことです」
それらは、過去の出来事を“意味づけ”して、未来の物語を“仮定”してる。
事実+意味付け+妄想=自己物語。
「自分とは何か?」という問いの答えも、
実は、信じたいストーリーを編集してつくってるにすぎない。
社会構造そのものが“虚構の集合体”
社会ってさ、実体あるようで無いよね。
- ルール、制度、会社、役所、組織図、肩書き
- 「空気読む」「常識」「普通」みたいな謎の同調圧力
全部、人間が勝手に決めたルールで動いてる。
でもそれがめちゃくちゃ強い拘束力を持ってるから、誰も無視できない。
社会とは、大量の虚構が絡み合ってできた“幻想のインフラ”だ。
虚構を“創造のために”使えるのが、人間の特権
だからこそ言いたい。
虚構を信じるかどうかじゃない。
虚構をどう使うかが、僕たちの生き方を決める。
宗教でも、理念でも、ビジョンでもいい。
誰かの創った虚構に乗っかってもいいし、
自分でゼロからつくってもいい。
問題は、あなたが「どんな物語を生きるのか?」という選択。
そしてその選択こそが、現実を動かしていく。
さあ、いよいよラスト。
次はこのシリーズ第1回の締め――「虚構を知ることは、目覚めること」へ。
虚構を知ることは、目覚めること
ここまで読んでくれたあなたは、もう気づいてると思う。
僕たちが「リアル」だと思っているものの多くは、
実は“物理的には存在しないけど、信じられているから機能している物語”だってこと。
国家も、会社も、通貨も、自己イメージすらも。
つまり、人生は虚構でできてる。
で、それを「嘘だ」とバカにすることは簡単だけど、
それって目隠ししてゲームやってるようなもん。
虚構は、操られるか、操るかだ
虚構を「知らないまま」生きると、
他人のストーリーの中で、都合よく動かされることになる。
でも、虚構を「理解した上で」選ぶなら、
自分の物語を、自分でデザインできる。
虚構とは、“目を覚ましたまま信じるもの”だ。
次回予告──意味のない世界で、それでも生きる理由
さて、第2回のテーマはここからさらに深くなる。
「意味なんてない」世界で、どうやって希望を持つか?
実存主義、サルトル、そして自分で選び取る虚構について。
「なぜ、フィクションを信じる必要があるのか?」という問いに、
知性と毒を込めて切り込んでいきます。
引き続きよろしく。じゃあ、また次回。