こんにちは、春日井コワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です!
Google、Microsoftと続いた“AIお祭りウィーク”もそろそろ終盤。AIの話題、そろそろお腹いっぱいだな…と思ったタイミングで、最後にやって来たのがAnthropic Claude 4です。
このClaude、今まで“安全性ガチ勢”とか“地味な優等生”のポジションだったのが、ここにきて「実はオレ、めちゃくちゃ出来るやつだった」みたいな顔をして堂々と殴り込み。しかも、単なるスペック合戦ではなく、“AIは暴走しません”という高尚な理想を現実でどう担保するか?というところに本気で取り組んできた。
僕自身、最近は名古屋・春日井あたりでAIの相談ばかり受けていて、「で、どのモデルが一番使えるの?」と聞かれるたび、正直“どれも一長一短だよ”と答えるのが面倒になってきたところ。
※ちなみに、主要AIの比較は別記事にまとめてます👇
でも、今回のClaude 4は、その答えをちょっとだけ変えたくなる進化っぷり。
「Claude 4って何がすごいの?」「今さら新しいAI必要なの?」
そんな疑問に対して、現場目線で遠慮なく切り込んでいきます。
AIは便利だけど、“使いこなす側”と“振り回される側”の差が、いよいよシャレにならなくなってきました。
さて、あなたはClaude 4に使われる側か、使いこなす側か。
Claude 4リリースの背景と進化のポイント
AI業界が“またかよ”ってくらい騒がしい2025年5月、GoogleとMicrosoftが立て続けにAIアップデートを発表した直後、Anthropicが満を持してClaude 4をぶつけてきました。
他社が「マルチモーダルが!」「拡張性が!」とお祭り騒ぎをしている横で、Anthropicはずっと「うちは安全性を重視してますから」と玄人ぶっていた印象。実際、その地味さが一部マニアには“逆に信頼できる”と密かに支持されていたりもします。
そんな“地味枠”だったClaudeが、今回は明らかに本気モード。
新モデルのOpus 4とSonnet 4は、コーディングや複雑なタスクの自動化、そしてエージェント的な「AIが勝手に動く」能力をゴリゴリに強化。単に「チャットで相談できる」レベルじゃなく、“7時間連続でコードを書き続ける”とか、“複数のツールを自律的に使い分ける”とか、他のAIが「そこまでは無理っす」と匙を投げたような領域に踏み込んできました。
そして今回、地味な安全性アピールは据え置きつつも、
- 拡張思考(deep reasoning)
- ツール連携
- メモリ強化
- コーディング特化(世界最高スコア連発)
…と、全方位に能力アップ。
しかも、Anthropicが得意の「System Card(AIのリスク開示書)」もさらに分厚くなっており、ただの技術自慢ではなく「本当に使い物になるAIとは何か」を問い直しに来ているあたり、やっぱり一筋縄じゃいかないなと。
まとめると、「黙ってた地味な優等生が、実は喧嘩も勉強もできる最強キャラでした」という転校生パターン。それが今回のClaude 4リリースの本質です。
Claude 4ファミリーの性格と使い分け
Claude 4には「Opus 4」と「Sonnet 4」、タイプの違う2人のAIがいます。
この2人、同じ顔をしてても性格も特技もまるで別物。
AIを“同じ道具”だと思って何でもかんでも一緒くたに扱うと、思わぬストレスが待っています。
Sonnet 4は、普段使いの最適解。
たとえば「ブログのたたき台をサッと出したい」「議事録の要約を作ってほしい」「サンプルコードを軽く直して」――こういう“軽量級の仕事”なら、このAIが断然ラク。無駄に気取らず、すぐ答えを返してくれるスピード派。ちょっとした事務作業やアイデア出し、普段の調査にも、いちいち深読みせずにパッとこなしてくれます。
一方のOpus 4は、“難題請負人”。
「大量のコードを一気にリファクタしたい」「何時間もかけて複数ツールを使いこなしてほしい」「人間だと途中で頭が爆発しそうな分析やシナリオ分岐」――こんな“ヘビー級案件”で本領発揮。
要は、“AIに考え込ませてこそ”の仕事で無双するやつです。
ただし、その分レスポンスは遅くなりがちで、ちょっとした用事に頼むと「重装備すぎて逆に邪魔」という悲劇もありがち。
たとえば、「1+1は?」と気軽に聞いたら、Sonnetなら“2”で一撃即答。Opusは「整数の加算に関する歴史的経緯からご説明しましょうか?」と余計な長話+待ち時間のおまけ付き。
会議で「今すぐ答えがほしい!」なんて時にOpusへ投げて「考え中…」では使いものになりません。
ポイントは、「ライトな仕事はSonnet、脳みそフル回転させたい時だけOpus」――このメリハリ運用。
何でもかんでもOpusで処理して“AIコスト貧乏”になるのは悪手。現実的には、日常業務はほぼSonnetで充分。逆に「これは人間でもキツいわ」って仕事だけ、Opusに肩代わりさせるのが正解です。
ちなみに、無料枠があるのはSonnetだけ。しかも“お試し”程度なので、実戦投入するなら迷わず有料プランに切り替え。そうして初めて“Claudeの本気”が分かります。
世界最高のコーディングAIの真偽
「Claude 4は世界最高のコーディングAI!」と聞くと、「じゃあ全部Claude 4にやらせれば最強じゃん」と思いたくなる人、多いはず。
…でも現場を知っていると、本当に重要なのは“どこまでSonnetで事足りるか見極める目”だったりします。
たしかにOpus 4はSWE-benchやTerminal-benchといったベンチマークでぶっちぎりの高得点。
7時間ぶっ続けでコードをリファクタリングした武勇伝まで飛び出しています。
ただ、現実の開発現場で「そのAIに何をさせるか」を考えずに全部Claude 4(特にOpus)で回すと、
- やたら時間がかかる
- 無駄に丁寧な解説が返ってくる
- “AIコスト”だけ跳ね上がる
という“高級AIの無駄遣い”になりがち。
実際、ちょっとしたコード修正や業務効率化レベルなら、Sonnetでサクッと済ませるのが正解。
Opusは本当に「AIにガチで考え抜いてもらう」時だけ出番を与える。
理想を言えば、「状況に応じて自動で賢さや深さを切り替えてくれるAI」がベストですが、今のClaude 4は“この仕事はどっちに任せる?”という人間の目利き力が問われます。
AIがどれだけ賢くなっても、「どう使い分けるか」を決めるのは結局人間のセンス。
道具に使われる側にならず、しっかり“仕切る側”でいきましょう。
AIエージェント能力の本質:ハイブリッド推論、拡張思考、ツール統合
今回のClaude 4で密かに一番“進化した感”があるのが、いわゆるAIエージェント機能の領域。
要は「AIに自律的に考えさせて、複数のツールや情報源を行ったり来たりしながらタスクを丸投げできる」って話なんですが――ぶっちゃけ今までは“理想論”で終わってた部分が大半。
Claude 4は、ここでガチな進化を見せてきました。
- ハイブリッド推論(瞬時の応答と、深く考え込む“拡張思考”モードを使い分け)
- ツール連携(ウェブ検索や外部アプリ、APIとの統合。VS CodeやJetBrainsでのインライン編集まで対応)
- メモリ強化(重要な情報を保持して、タスクの連続性や文脈維持も進化)
実際、Opus 4だと「数時間かけてコードを書き換え続ける」とか「途中でいろんなツールを自動で呼び出して仕事を完結させる」みたいな、“人間でもしんどいマルチタスク”を淡々とこなしてくれる。
Sonnet 4も、日常的なコーディングや業務効率化ツールとの組み合わせなら十分なレベルに仕上がっています。
もちろん、「全部を自動で完璧にやってくれる」なんてAI万能神話はまだ遠いですが――
「一部の作業はAIが勝手に動いて処理してくれる」「人間は最小限の指示だけでOK」という世界が現実味を帯びてきたのは間違いありません。
本格的なClaude Codeの統合も進み、開発現場で「AIを“編集者”や“コーダー”としてガチ運用する」シーンが増える未来はかなり現実的。
正直、ここは「今から慣れておいた人間だけが楽できる」未来の入口かもしれません。
透明性とリスク:Anthropicの“安全性神話”とその裏側
Claudeシリーズといえば、「安全性命」な優等生キャラ。
今回のClaude 4でも、Anthropicは「System Card」と呼ばれる分厚いリスク説明書を公開して、「うちはAIの危険な側面も包み隠さず見せますよ」と透明性を全開にしています。
ちなみにAnthropicは、自社AIのリスクレベルを「AI Safety Level(ASL)」という独自指標で管理しています。
ASL-1は“ほぼリスクなし”、ASL-2は“やや注意”、そしてASL-3は「賢くなりすぎて、社会的・倫理的リスクが高い可能性がある」という最上位レベル。
今回、Opus 4がASL-3に指定された理由は、「知識や推論力が高すぎて理論上は危険な使い方も可能」「極端な状況では自己保存行動=“人間を脅す”リスクもゼロとは言えない」ことが、Anthropic自身の安全検証で確認されたからです。
もちろん、OpenAIのGPT-4oやGoogle Gemini 2.5 Proなど他社のAIも同様のリスクは抱えていますし、各社それぞれ安全対策や倫理基準の整備に力を入れています。ただ、Anthropicほど自分たちのリスクをここまで丁寧かつ具体的に「全部さらけ出します」と明言している会社は、現時点ではかなり珍しい存在。
要するに、「うちのAIは賢い分、危なさもある。でもその課題から目を逸らさず、しっかり開示して使う人と一緒に考えていく」――それがAnthropicのスタンス。
AIが賢くなるほど、その“人間臭さ”や“制御不能リスク”も同時に膨らむ。
結局、“安心して使う”ためには、開発側もユーザー側も、どちらも常に目を光らせ続けるしかないという現実は、どのAIでも同じです。
価格・利用環境と、今後の展望
さて、「使ってみたい」と思ったときに気になるのが利用環境とお値段の話。
Claude 4は、Sonnet 4なら無料プランでも一応体験できます(ただし“お試しレベル”ですぐ上限に到達)。本気で業務活用するなら、最初から有料プラン一択。有料プランなら出力制限も緩くなり、ストレスなく活用できます。
Opus 4は最初から有料プラン専用。いわゆる“エリートAI枠”なので当然といえば当然。
料金はAPI経由や各種クラウドサービス(Anthropic API、Amazon Bedrock、Google Cloud Vertex AIなど)でも利用可能で、用途に合わせて課金形態を選べます。
- Sonnet 4:入力100万トークンあたり3ドル/出力100万トークンあたり15ドル
- Opus 4:入力100万トークンあたり15ドル/出力100万トークンあたり75ドル
(参考:料金体系は2025年5月時点)
「月額いくら」のサブスク型もあれば、API課金型、クラウド連携プランなどバリエーション豊富。
個人なら公式サイトからチャットUIで。企業・開発者ならAPIやクラウド連携でがっつり運用――この辺も“現実主義”なAnthropicらしい手堅さ。
今後の展望としては、「Opus」「Sonnet」「Haiku」といった階層モデルをさらに進化させていく方針。
“Claude 4.1”系のさらなるアップデートや、エージェント能力の強化、安全性技術の深化など、ユーザー側が「また進化したのか!」と毎月驚く未来はほぼ確定。
競合他社(OpenAI・Google)との“AIバトル”もまだまだ続きますが、Anthropicの強みは「現場実装力」と「安全性への本気コミット」――この二本柱に今後も注目です。
まとめ:Claude 4が示した“賢さ”と“危うさ”のリアル
今回のClaude 4リリースで、Anthropicは「賢さ」と「安全性」を本気で両立させようとしている姿勢をあらためて世に示しました。
Opus 4の“ガチで考え抜く力”と、Sonnet 4の“普段使いの現実路線”――どちらもAI時代の“新しい相棒”として十分なポテンシャルがあります。
ただし、「AIに任せておけば全自動で全部うまくいく!」みたいな夢物語は、ここでもやっぱり存在しません。
AIが賢くなればなるほど、その裏で「暴走しないか」「ちゃんと人間が制御できるか」というリスクも現実味を増してくる。Anthropicはその現実から目を背けず、むしろリスクを全部開示した上で「使いこなす側と一緒に考えていこう」という本気の姿勢を見せている。これが最大の強みだと思います。
結局、AIを“便利な道具”で終わらせるか、“手に負えない厄介者”にしてしまうかは、使う側のセンスとリテラシー次第。
「どこまでSonnetで足りるか?」「Opusは本当に“ガチ案件”だけで使うべきか?」――こうした現場感覚を持ちつつ、賢いAIを“自分の味方”にしていく。
これがこれからのAI活用において、一番現実的で楽しいやり方じゃないでしょうか。
ちなみに、GoogleやMicrosoftなど他社AIとの違いも気になる方は、こちらの記事でまとめてます👇
主要AIプラットフォーム比較|Claude・ChatGPT・Geminiの違いとは?
もし、AIとの付き合い方に悩んだら、Room8でコーヒーでも飲みながら語り合いましょう。AIもいいけど、人間同士の会話もまだまだ捨てたもんじゃないですよ。