こんにちは、春日井コワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です!
最近は、名古屋・春日井エリアの中小企業やフリーランスの方から「AIって色々出てるけど、実際どれが使えるの?」という相談をよく受けます。僕自身もAIコンサル的な立場で現場に関わる中で、耳タコなほど聞いたフレーズがこれ。
「Copilotって名前だけは聞いたけど、結局なにが変わったの?」
安心してください。Microsoftは名前だけで勝負してるわけじゃない…いや、してた時期もありますけど、今年のBuild 2025はガチで“中身”を詰めてきました。
今回の記事では、「Copilot」「Microsoft 365」「Azure OpenAI」など、実務に直結するアップデートに絞って、使えるか使えないかの目線で、現場感たっぷりに解説していきます。
他社との比較も気になる方は、以下のまとめ記事をご覧ください↓
では早速、今年のBuildは何がすごかったのか? から見ていきましょう。
Microsoft Build 2025とは?
「Build」と聞くと、エンジニアの祭典と思われがちですが、ここ数年のBuildは“エンジニア限定”の枠を完全に壊しにきてる。2025年の今回は、特にAIに関してその傾向が顕著で、「え、これもCopilotでできんの?」という驚きの連続。
もはや“補助ツール”ではなく、ガチで業務の一部を担う“副操縦士”に育ってきたCopilotたちの進化が目玉です。
ポイントはこの3つ:
- CopilotのAIエージェント化(より能動的に提案し、行動する)
- Microsoft 365との深い統合(日常業務を根本から作り変えるレベル)
- Azure OpenAIと他社モデルの組み合わせ(自社データとの融合が加速)
従来の「AIをちょっと使ってみようか」から、「このAIがいないと回らないんだけど」という世界へ。
特に今回のBuildでは、AIが“人間の代わり”ではなく“人間と並走する”存在として描かれていたのが印象的です。Copilotが勝手に資料を作る、メールを書く、スケジュールを最適化する…そんな未来が、もはや“未来”じゃない。
このあと紹介する各アップデートで、「あ、これはうちでも使えそう」と思えるかどうか。そこがこの記事の勝負どころです。
Copilotの進化:ツールじゃない、“任せられる同僚”へ

Copilotがただの「便利な補助ツール」だったのは、もう去年までの話。
Microsoftは今回、Copilotを「使うもの」から「働かせるもの」へと定義を変えてきました。
それが今回の目玉、Copilot WorkspaceとCopilot Studio。
「とりあえずやっといて」で済むGitHub Copilot Workspace
エンジニア向けのGitHub Copilotが、ただの補完ツールから“能動的に動くタスク実行エージェント”へと進化。
たとえば「この不具合、ちょっと調べて直しといて」と書くだけで…
- 関連ファイルを洗い出す
- コードを読み、問題を分析
- 修正候補を作成し、テストコードも添えてくる
- 必要に応じてPull Requestまで作成
…という、新人エンジニアの2週間分くらいの仕事を、1分でやってきます。
Slackで「直しといて」って言われた時の、あの曖昧な絶望感。
Copilotはそれ、ちゃんと受け止めて成果物で返してくるんですよ。
社内専用AIを「Studioで増産」できる時代へ
じゃあ非エンジニアには関係ない話か?と思ったら、それがCopilot Studio。
こちらは「うちの業務用に育てたCopilotを量産」できるノーコードツール。
営業資料を作らせるAI、社内マニュアルを回答するAI、請求業務を自動でさばくAI…
全部、ノーコードで自社のSharePointデータや業務フローから作れるようになってしまった。
つまり、
「社内の誰に聞いてもわからない、でも毎回やってるルーティン作業」
をCopilotにやらせて定着させるという運用が可能になった、ということ。
誰にとって革命的か?
- 雑務に時間を取られている中小企業の経営者
- 手順は知ってるが毎回やりたくない事務スタッフ
- 属人化が進みすぎた社内業務を標準化したい現場リーダー
「AI使えばラクになる」とかいうふんわり話ではなく、
「もうその仕事、あいつ(Copilot)でよくない?」と言わせる段階に来ている。
次は、このCopilotたちがどんなふうにMicrosoft 365のアプリたちと絡み始めているかを見ていきましょう。
Microsoft 365のAI統合:日常業務の変革

WordやExcelにCopilotが入る。
正直それ、前から言ってたじゃん?って感じですよね。
でも今回のアップデートは、“AIが入った”んじゃなくて“AIが仕切り出した”レベル。
中小企業の経営者からしたら、「おい、それ俺の仕事だぞ」ってツッコミたくなるかもしれません。
Outlook:メール返信は“AIの方が角が立たない”
会議後の「とりあえず丁寧なメール送っといて」が、Copilotで一撃。
しかも、上司にも取引先にも絶妙に怒られない文面を勝手に生成。
例えば、あの微妙な断りメール。
「ご提案ありがとうございます。社内で検討しましたが今回は見送らせて…(以下略)」
Copilotが作ると、絶妙に“角が立たず、でも期待はさせない”文章になる。
人間だったら3回は書き直すヤツを、1秒で仕上げてきます。
Excel:データを渡すとレポートになって返ってくる
単なる関数のアシストじゃない。「何が気になる?」と聞いてくるExcelです。
たとえば請求データを投げると、
- 今月の売上傾向
- 顧客単価の推移
- リピート率の変化
などを、Copilotが勝手に「気になる数字」としてまとめ、グラフ付きで提出してきます。
もう、Excelの“言い訳しながら働く部下”感がすごい。
Copilot Notebooks:対話しながら業務設計する
Copilot Notebooksは、チャット形式で複数の指示を繋げてくれる新機能。
もはやプロンプトの書き方に悩まなくても、「こういうことがやりたい」と話せばOK。
しかも、指示の途中で「それってどういうこと?」と逆に質問もしてくるので、
“何をしたいかまだ曖昧”な状態でも使えるのが革命的。
マルチエージェントで複雑な業務も分業処理
今回、Copilotが“複数のAIを使い分けて動く”構成に進化。
メール・資料・スケジュールなど、それぞれの得意分野を持つAIたちが連携して仕事を回します。
つまり、「一人の神AI」ではなく「有能な部署チーム」ができたようなもの。
Slackでいうと、
- 「Aくんがメール処理担当」
- 「Bさんがレポート作成担当」
- 「Cくんが資料整理とフォロー」
みたいな分業体制。しかも、全員24時間即レスで愚痴も言わない。
この統合っぷりを見てると、
「そろそろ、Copilotのために人間が業務を最適化する時代なんじゃ?」って気さえしてきます。
次は、そんなCopilotやAIモデルを支える裏側、Azure OpenAIのアップデートに注目してみましょう。
Azure OpenAIの拡張:企業向けAIの強化

MicrosoftのCopilotがあそこまで自由に動ける理由。
それは裏でAzure OpenAIが“人事・教育・管理・福利厚生”全部面倒見てるからです。
今回はその裏方がさらにパワーアップしました。
「選べるモデル」は当たり前、“組み合わせて使う”が新常識
Azure OpenAIでは、GPT-4だけでなく、Claude 3、Mistral、Grok(Elon MuskのxAI)などの他社モデルを横並びで使えるようになっています。
普通こういうのって「うちはGPTしか使えません」「うちはClaude派です」みたいな排他的運用になるのに、Microsoftは違う。
「全部乗せていいよ。切り替えも自動でやっとくから」
というスタンス。
つまり、“AI宗教戦争”には一切付き合わない大人の対応です。
1,900以上のモデルで“現場に最適なヤツ”を選べる
Azure AIのFoundryモデル数は1,900超え。
中には、用途特化型の軽量モデルから、多言語対応型までよりどりみどり。
たとえば、
- チャット対応には高速・軽量なモデルを
- 要約や分析には高精度モデルを
- センシティブ情報には閉じたローカルLLMを
というように、目的別にAIを選んで使うのが当たり前になります。
“持ち込みデータ”が前提になった
これまでは「AIに学習させるにはデータ準備が面倒」という壁がありましたが、今回からは違います。
「自社データはSharePointでもOneDriveでもTeamsのチャットでも、
Copilotが勝手に読んで理解しときますね」
という、“BYOD(Bring Your Own Data)時代”が本格到来。
難しそうに聞こえるけど、ようは「社内のドキュメントをCopilotが全部覚えてくれる」ということ。
おまけに検索じゃなく“会話形式で”引き出せるので、まるで「社内の何でも知ってる人」に聞く感じで使える。
なぜ中小企業に向いてるのか?
「うちはそんな複雑なシステムいらんよ」と思う方こそ、逆に向いてます。
理由はシンプルで、“システムが単純な会社ほど、AIがすぐ馴染む”から。
- 情報があちこちに散らばってない
- フローが明文化されていない分、AIで一元管理しやすい
- 社員が少ないので、Copilotを一人増やす効果が大きい
つまり、「AI一人雇ったら業務が一気に回り出す」という、費用対効果が最も高く出るのが中小企業なんです。
次は、実際にこうしたAIが現場でどう使われているのか──
国内外の導入事例から、そのリアルを覗いてみましょう。
現場での活用事例:AIがもたらす具体的な変化
「で、それってMicrosoftのAIじゃないと無理なの?」──
多分ここが一番リアルな疑問だと思う。
正直言って、事例だけ見れば他社のAIでも似たことはできます。
医療現場であれ、営業現場であれ、Copilotでなくても資料作成や自動化は仕組み次第でいくらでも実現可能。
じゃあなぜMicrosoftのCopilotやAzure OpenAIが選ばれるのか?
医療現場・営業・教育…どこでも“AI自動化”の時代
- スタンフォードの医療機関では、腫瘍ボード準備がCopilotで90%時短
- 日本企業でも営業資料の自動生成や、ナレッジ活用にAIが浸透
- 教育や行政でも業務の一部をAIが肩代わり
…と、業種や規模問わず「AIでできること」は急速に増えている。
でも、あえてMicrosoftを選ぶ理由
AIが溢れている中で「Copilot」「Azure OpenAI」を選ぶ現場には、それなりの“事情”があるんです。
- すでにMicrosoft 365やTeamsを使い倒している
→ 「データやファイルが全部ここにある。連携も簡単だし切り替える理由が無い」 - ITに強い人が社内にいない
→ 「他社AIは導入・運用が地味に面倒。でもMicrosoftのAIは、いつものWordやExcelに勝手に入ってくる」 - 情報漏洩やセキュリティーが気になる
→ 「Microsoftのセキュリティ設計が信用できるし、データガバナンスの設定も手厚い」 - “今さら新しいサービスを覚えたくない層”が多い
→ 「Copilotは“導入した感”を出さずに使えるので、現場が混乱しにくい」
逆に、「Google派」や「自前で作れる会社」なら、他社AIでも全く問題なし。
むしろ“AIを目的化しない”ことが一番大事です。
こんな人ならCopilot/Azure OpenAIはアリ
- もうMicrosoft 365を使い倒してる現場
- 社内IT人材が手薄、もしくは“新しいUI”にアレルギーがある会社
- セキュリティやコンプラで“MSの傘”を利用したい人
- 「AIを使ってる感」よりも「自然に仕事を効率化したい」人
「とりあえずAIを入れとけば安心」みたいな時代はもう終わり。
“どの現場にどれを入れるか”を見極めるための材料として、こうした事例を参考にしてほしい──
そんなスタンスで紹介しました。
では最後に、今後の展望や選定ポイントも含めて、まとめに入ります。
まとめ:MicrosoftのAI戦略と現場が選ぶ理由
「AIで全部自動化!」みたいなフレーズが世の中を賑わせていますが、現場からすると「いや、誰がその自動化をメンテするの?」というツッコミがつきもの。
MicrosoftのAI戦略の強みは、「無理に新しい文化を押し付けない」点にあります。
- いつものWordやExcel、Teamsの中に“何食わぬ顔”でCopilotが入り込んでくる
- 使い方は「何となく」でも仕事になる程度の敷居の低さ
- 面倒な社内教育や移行を最小限にできる柔軟さ
こういう「いかに現場を混乱させずに導入できるか」が、
日本の中小企業・現場主義な会社にはめちゃくちゃ重要だったりします。
他社AIがそれぞれ“独自の強み”で攻めてくる一方、
OpenAIは「とにかく自由に作りたい人」向け、
Anthropicは「とにかく賢さと安全性で差別化したい人」向け、
Googleは「インフラごとAIにしたい人」向け──
その中でMicrosoftは“現場にしれっと溶け込む堅実派”として、
「いつもの業務フローを壊さずAIを使わせる」ことに全振りしている。
で、どんな会社に向いてるか?
- 「AIアレルギー」な現場を“無理なく巻き込みたい”管理職
- “今さらGoogleアカウント作りたくない”中高年の多い職場
- セキュリティやコンプラにうるさい大企業・行政系
- 「一気に変える」じゃなく「今の延長でちょっとずつ変えたい」人たち
求めるものが何かによっては他社AIの方がフィットします。
AIは“どこまで任せるか・どこから人が主役か”の線引きが肝心です。
「どのAIが最強か?」論争に乗るより、
「今の現場に一番自然に溶け込むAIはどれか?」で選ぶのが一番現実的。
ちなみに他社のAIプラットフォーム事情や比較が気になる方は、
こちらのまとめ記事も参考にどうぞ。
👉 主要AIプラットフォーム徹底比較(2025年版)
名古屋・春日井で日々現場に向き合う身からのリアルな感想でした。
「AIで仕事がなくなる」なんて心配より、「明日の雑務をどれだけ任せられるか」ぐらいの軽い気持ちで、ぜひ試してみてください。
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