「ひっかりの射す方うぇ~えぇ」と桜井さんが青筋を立てれば、スティーブン・タイラーさんも「take to the other side」と魅力的な唇を震わせ、今いる場所ではない、どこか魅力的なアチラ側へ導こうとしてくれます。中古デリカのカーステというフェイバリットなコンサート会場で。
キラキラと輝いて見えるアーティストは、ハーメルンの笛吹き男よろしく、ネズミ色の我ら一般ピーポーをアチラ側へと導くソング(またはわたくし非モテ同盟には縁のないラブソングのどちらか)で、フィーバーとばく大なマネーをサラッとクリエイティブしているように見えます。もちろん、妬み目線全開で見てますよ。わたくしもアチラ側で笛を吹きたいと願い、カラオケボックスで妄想ワンカラしてますよ。えぇ、せこいネズミのくせにね。
でも、そんなアチラ側にいると思われていたキラキラな才人たちは、さらにアチラ側に行こうと合法的でないものに手を出し、本当にバッドトリップして逝ってしまうというのが、世界的にあるあるの構図。古くはジャニス・ジョプリンやドアーズのジム・モリスンとか。尾崎豊の不可解なソレは、高3の時だったなぁ。めちゃカッコいいと聴き始めた頃にはショットガンの後だった、カート・コバーン。
そして、ここ数年ハマっている桂枝雀師匠も、とっくに生で聴く機会なく…。羨望の眼差しを集め、手に入れたと思われる者たちが、持たざる者をおいて、急いでアチラ側に旅たっていく。wikiを読む限り、思い詰めた表情で。
生きてるみんなミスチルの桜井さんとニアイコール説
仏教的には、アチラ側を、誰もが聞いたことがあるワードで定義しています。
いま私たちが生きているこの世界を「此岸(しがん)」、ご先祖さまのいるの世界“極楽(ごくらく)”を「彼岸(ひがん)」といい、彼岸とは「悩みのない、悟り、涅槃の境地」を意味していると。
つまりは、お彼岸。それは、まぢなアチラ側=死。
都合よくネズミが夢見るアチラ側は、実は今と陸続きの悩みのある世界で、本当のアチラ側はまだ見たくないアチラ側。…ということは、だ。止まることを知らない♩の桜井さんも、金持ちを食い尽くせと歌うエアロ超金持ちスミスも、悩みや煩悩、性行為があれば自慰行為もある、けっこう湿り気のある同じ陸地にいるってことだ。仏教徒として考えると。
ふむふむ。ということは、今のままでイイ、誰もうらやましいと思わなくてイイってことだな。だって、憧れのあの人たちも、生きている限り同じ側に立っているんだから。もしかしたら、桜井さんとちょっとしか離れていないんじゃないの?距離。もしくはかなりニアイコール。少なくとも渡ろうとすると射殺されるイムジン河ほどの、厳しい隔たりはないはず。とりあえず、動いても、妄想しても、殺されない。
よく“アチラ側への誘い”としてネズミの元に来る「これを読むだけで」とか「セミナーに参加するだけで」一瞬で変われる、と言っているような奴も、一瞬で行けるアチラ側は死しかないんだから、必要ナシだな。それと、したり顔で統計学とか言って、タイプや運勢を決めつけてアプリ内課金を急かす「占い」、てめーもだ。
だって悩みのない、都合の良いアチラ側なんて、コチラにいる限りずっと無いんだから!
結局、運命で決められた本当の自分とか変わる自分とかいう、今とは違うアチラ側なんてなくて、なりたい自分になるためには、やりたいことをやって、少しづつなっていくしかないんだから。
なんてROOM8で出会った「エニアグラム」を学び、際限のない自己啓発的なものや占い的なものと距離を置くことができた、type6の悟りの話。同じように自己啓発占い課金ライフから離れたい方、ROOM8で語りましょう。そろそろ夜長の秋ですし。