こんにちは、春日井コワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です。
世の中に「悩みがない人」なんていないし、僕自身も毎日なにかしらで頭を抱えることはある。でも、正直に言うと、「親が応援してくれない」「周りにバカにされる」「同級生が先に成功してる」とか、そんなことでいつまでも悩んでる時間は全くない。
僕が本気で悩むのは、「ヤバい、システム壊した」「このままだと納期アウト」「今やるべきこと何だっけ」みたいな、“自分で動けば解決できること”ばかり。
逆に、他人の評価や過去のしがらみに悩んで足が止まっている時ほど、実は「自分のやるべきこと」にちゃんと向き合えてなかったりする。
何かに夢中で取り組んでいると、そういうノイズはいつの間にか頭の外に押し出されていくもんだ――最近になってやっと、そう実感している。
今回のテーマは、「悩み=ノイズ理論」。
くだらないノイズに心を支配されて“本当にやりたいこと”を見失ってる起業志望者、そして「悩み疲れた大人」全員に送りたい話。
悩みは消すものじゃない、主旋律でかき消すBGMだ。
自分の人生の音量バランス、そろそろ真剣にミックスし直してみないか?
起業したい人がまず知るべき「悩み=ノイズ理論」

起業を目指す人からの相談で、毎度のように聞かされるのが「親が反対してる」「友達にバカにされた」「誰も味方がいない」「何かと不安で動けない」――要するに、悩みノイズ大合唱だ。
それを聞くたびに思う。「今、この雑音にどれだけ脳みそを占領されてる?」と。ぶっちゃけ、悩みの99%は人生の主旋律に何の関係もないノイズ。
心理学の世界では、この「ノイズが気になりだすと止まらなくなる現象」をちゃんと研究している。
「シロクマ効果」――“白いクマのことは考えるな”と言われるほど頭から離れなくなる、アレだ。
起業も同じで、「親のことは気にするな」「不安に飲まれるな」と自分に言い聞かせるほど、逆にそのノイズが頭で大音量になる。
ノイズを消そうとすればするほど、どんどんでかくなる。
この罠にはまると、肝心の「やりたいこと」「ビジネスの種」より、ノイズの対処にエネルギーを吸われる。
つまり、「どうやってノイズを消すか?」なんて考える暇があったら、とっとと主旋律(やるべきこと)にリソースを全振りしろって話。
ノイズに埋もれる人 vs 主旋律に生きる人

典型的なノイズ例
- 「親や家族が全然理解してくれない」
- 「周りの友達はすでに安定してて自分だけ取り残されてる」
- 「起業しても失敗したらどうしよう、恥ずかしい」
- 「SNSで他人がどんどん成功報告してて焦る」
- 「会社や世間に“そんなの無理だよ”って言われるのが怖い」
――この辺のノイズ、いくら悩んだところで1円にもならないし、起業の役にも立たない。
むしろ「自分だけが不幸」「なんで自分ばっかり」と無限リピートするうちに、主旋律(やりたいこと)がどんどん小さくなる。
要するに「人生の主役」から降りて、ノイズに主導権を渡してる状態。
僕の場合:悩む内容の違い(仏でも聖人でもない)
誤解されたくないんだけど、僕だって全然“できてる側”じゃない。
親父にムカつくこともあるし、「なんで俺ばっかり…」って思う日も普通にある。
でも、最近ふと気づいたのは――
Room8のことや新しい企画を考えてると、そういうイライラとかムカつきが「いつの間にかどうでもよくなってる」って事実。
これ、別に「よし、悩みを切り替えよう!」って意識したわけじゃない。
ただ、本気でやりたいこと・面白いことに没頭してると、勝手にノイズがBGM化してるだけ。
たぶんこの「夢中の力」が一番コスパいいノイズ対策。
だから悟りを開いたわけでも、悩みをコントロールできる超人になったわけでもない。
単に「やるべきこと・やりたいこと」に全力投球してると、ノイズは勝手に遠ざかる。それだけ。
悩みをノイズに変える科学的根拠

「悩み=ノイズ理論」は、単なる精神論や“気合い論”ではない。
心理学の実証研究でも、悩みやネガティブ思考がノイズのように増幅する仕組みが確認されている。
シロクマ効果(White Bear Effect/皮肉過程理論)
- ダニエル・ウェグナー(Daniel M. Wegner, 1987)が提唱。
- 「白いクマのことを考えるな」と言われるほど、逆にそのことばかり気になってしまう現象。
- 論文:「Ironic Processes of Mental Control」
- 悩みを“消そう”とすると、むしろ意識の中でノイズとして増幅する、という逆説的な効果が明らかになっている。
反芻思考(Ruminative Thinking)
- スーザン・ノーレン=ホークセマ(Susan Nolen-Hoeksema)によるうつ病・不安障害研究の成果。
- 悩みやネガティブ思考を何度も反芻(ぐるぐる思い返す)ことで抜け出せなくなる現象。
- 「Ruminative Responses to Depression」などの研究で、抑え込もうとする努力が逆に反芻を強めることが示されている。
アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)
- スティーブン・ヘイズ(Steven C. Hayes)による現代認知行動療法の一つ。
- 「悩みを消そうとせず、そのまま“あるもの”として受け入れ、自分の価値観(主旋律)に沿った行動に集中する」アプローチ。
- ACTでは、ノイズ(悩み)はゼロにできない前提で、「行動」を優先するのが最も実践的な解決策とされる。
要は、ノイズは努力しても消えないし、むしろ「どうにかしよう」ともがくほど増幅する――これが科学的な結論。
僕自身、いろんな現場で悩んでる起業家を見てきたけど、「自分の目的(主旋律)が定まった瞬間、人生が進み始める」ケースばかり。
悩みをBGM扱いできる奴から、ちゃんと動ける起業家になっていく。
だからこそ「悩みは消すな、主旋律でかき消せ」というのは、単なる持論じゃなく“現場と科学”の両方で裏付けられた話。
「ノイズと共存しろ」…それが“悩み卒業”のコツ

ノイズをゼロにしようと頑張るのは、砂漠に水まくようなもの。
現実として、親の一言も、世間の冷たい目も、起業してると四六時中どこかで聞こえてくる。
完全無視は不可能。でも、自分の主旋律――やりたいこと・叶えたい目標――が本当に腹の底から決まってると、ノイズは“BGM”になる。
ちなみに、ウチのRoom8(コワーキングスペース)も、今でこそそれなりに知られる存在になったけど、
作った2014年当時なんて「コワーキングスペースって何?」状態。多分1000人に1人も分かってなかった。
「なんか鶴田が訳の分からんこと始めた」「どうせ長続きしないでしょ」なんて声も、まあ普通に耳に入る。
正直、そういうノイズを最初はむちゃくちゃ気にしてたし、クソッと思うことも多かった。
でも、Room8の運営やイベントづくりに無我夢中で取り組んでると、そのノイズがだんだんBGM化して、気づいたら全然どうでもよくなってた。
そして11年経った今、「あの時の“うるさいノイズ”も今となっては良いアクセントだったな」って思う。
もし当時、“ノイズを消そう消そう”としてたら、多分いまだに何かに悩んで立ち止まってたと思う。
面白いのは、ノイズって消そう消そうとするうちはただの邪魔者だけど、
夢中で突っ走って振り返った時「あのときあんなことで悩んでたな~」って全部ネタやアクセントに変わること。
起業の世界だと、「家族が反対してたけど、今じゃファンになってる」とか、「友達に笑われた経験が自分の芯になった」とか、だいたいみんなそんな話してる。
悩みを「消す」のではなく、「BGM化」して、必要なら人生の調味料にしちまえばいい。
悩みがゼロの人間はいないが、“悩みで立ち止まらない奴”から起業家になっていく。
FAQ
起業を目指す際に悩みが多いのはどうしてですか?
起業を目指す際には、親や友人からの反対や不安などの外部からのノイズが多く、これが悩みの原因となります。このノイズに気を取られると、やるべきことに集中できなくなります。悩みをノイズとして捉えることのメリットは何ですか?
悩みをノイズとして捉えることで、本当に重要なことに集中しやすくなります。ノイズを気にせず、やりたいことに全力を注ぐことで、悩みが自然と気にならなくなります。ノイズに埋もれないためにはどうすればいいですか?
ノイズに埋もれないためには、自分が本当にやりたいことややるべきことにリソースを集中させることが重要です。ノイズを消そうとするのではなく、主旋律に全力を注ぐことで自然とノイズがBGM化します。シロクマ効果とは何ですか?
シロクマ効果とは、何かを考えないようにすると逆にそのことが頭から離れなくなる現象です。これは悩みをノイズとして捉える際にも関連し、ノイズを消そうとするほどそのノイズが大きくなることを示しています。悩みをノイズに変える科学的根拠はありますか?
はい、心理学の研究により、悩みやネガティブ思考がノイズのように増幅する仕組みが確認されています。特にシロクマ効果は、悩みを考えないようにするほどその悩みが増幅することを示しています。まとめ
起業を目指すなら、まず「悩み=ノイズ理論」を自分の中に持っておいてほしい。
悩みや不安はゼロにならないし、消そうとすればするほど逆に大きくなる――これはもう人間の仕様だ。
でも、覚えておいてほしいのは
「ノイズが気になり始めたときこそ、あなた自身が“目的(主旋律)”を見失いかけてるサイン」だということ。
親や世間の目、過去の失敗、誰かの評価。
そういうノイズが妙にうるさく感じてきた時は、「自分は今、本当にやりたいことから目を逸らし始めてないか?」と疑ってみてほしい。
やるべきこと・やりたいこと(主旋律)に夢中で取り組んでいれば、ノイズはBGMに変わるし、
後から振り返れば全部「いいアクセントだったな」で済ませられる。
Room8も、最初はノイズだらけでクソみたいな外野の声も山ほどあった。
でも、「自分のやりたいこと」に集中し続けたからこそ、ノイズは勝手にBGM化して、気がつけば11年も続いている。
悩みを消すのはムリ。でも、主旋律でノイズを飲み込むのはできる。 ノイズが気になったら、「あ、今ちょっと目的を見失ってるな」と気づいて、もう一度自分の主旋律に立ち返ってほしい。
悩みに飲まれるか、主旋律で人生を進めるか――全部、自分で選んでいい。