こんにちは、春日井コワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です!
さて、これまでのシリーズで、ランチェスター戦略の基本原則や理論的な側面について詳しく見てきました。今回からは、いよいよその知識を実際のビジネスシーンでどう活かすかという、実践編に入っていきます。
特に今回は、多くの起業家や小規模事業主の最大の関心事である「市場シェアの拡大」に焦点を当てます。「理論はわかったけど、実際どうすればいいの?」という声にお答えする回です。
なぜ今、ランチェスター戦略が重要なのか?
デジタル化が進み、競争が激化する現代のビジネス環境。特に春日井のような地方都市で起業したり、小規模事業を営む我々にとって、効果的な戦略の実践は生き残りの鍵となります。
ランチェスター戦略の真髄は「弱者の戦略」。これを市場シェア拡大に応用することで、限られたリソースでも大きな成果を出せるんです。
では、具体的にどうやって実践するのか?4つの重要な戦略を紹介します。
1. 的を絞った市場戦略:小さな市場で圧倒的な存在感を
ランチェスター戦略の第一法則(1対1の局地戦)を市場シェア拡大に応用すると、「市場を細かく分け、その小さな市場で圧倒的な存在感を示す」という戦略になります。
実践ステップ:
- 自社の強みを見直す
- その強みが最も活きる顧客層を見つける
- その顧客層のニーズを徹底的に調べる
- ニーズにぴったり合った商品・サービスを作る
具体例:
春日井市の特産品であるサボテンを使った美容製品を考えてみましょう。「美容製品」という大きな市場ではなく、「40代女性向けの保湿に特化したサボテンスキンケア」という小さな市場を狙います。この市場なら、大手化粧品メーカーも簡単には参入できません。
2. 地域密着戦略:地元に根差したマーケティングの達人になる
第二法則(兵力の二乗則)を応用すると、「限られた資源を特定の地域に集中する」という戦略が導き出せます。
実践ステップ:
- 自社の資源で十分に対応できる地域を決める
- その地域の特徴(人口構成、経済状況など)を詳しく調べる
- 地域特有のニーズや課題を洗い出す
- それらに合わせたマーケティング活動を行う
具体例:
春日井市は名古屋のベッドタウンです。この特徴を活かし、「名古屋への通勤・通学者向けの朝の時間活用サービス」を始めます。例えば、朝食付きのコワーキングスペースを駅前に作り、通勤前の時間を有効に使いたい人たちをターゲットにします。
3. 口コミ拡散戦略:お客様を応援団に変える
第三法則(情報の二乗則)を応用すると、「お客様一人ひとりを自社の宣伝担当に変える」という戦略が生まれます。
実践ステップ:
- お客様の情報をまとめ、一人ひとりをよく知る
- お客様の満足度を測る仕組みを作る
- 驚きと感動を与えるサービスを考える
- 口コミを広げてもらうための特典プログラムを作る
具体例:
コワーキングスペースの利用者一人ひとりの誕生日や記念日を記録し、その日には特別なサービス(例:好きな飲み物1杯無料)を提供。さらに、友達紹介プログラムを始め、紹介した人と紹介された人の両方に特典を用意します。
4. 協力関係戦略:小さな力を合わせて大きな力に
ランチェスター戦略の「味方を増やす」という考え方を応用し、他の小規模事業者と手を組みます。
実践ステップ:
- 自社の弱い部分を補ってくれる他社を探す
- お互いにメリットのある協力関係を提案する
- 共同でマーケティングを行ったり、お客様を紹介し合う仕組みを作る
- 定期的に成果を確認し、協力関係を見直す
具体例:
春日井市内の小規模事業者(例:カフェ、本屋さん、ヨガ教室)と「春日井クリエイティブ仲間」を作ります。共通のポイントカードを導入し、お客様を相互に紹介し合います。さらに、定期的に合同イベントを開催し、集客力を高めます。
まとめ:小さな一歩から、大きな飛躍へ
これらの戦略は、どれもすぐに結果が出るものではありません。しかし、地道に実践していけば、必ず市場シェアの拡大につながります。
僕自身、春日井で起業した時、これらの戦略を実践することで、想像以上の成果を上げることができました。皆さんも、自社の状況に合わせてこれらの戦略を自分流にアレンジし、実践してみてください。
小さな一歩の積み重ねが、やがて大きな飛躍につながるはずです。
次回は、これらの戦略を実践する上で欠かせない「競合分析」について、ランチェスター戦略の視点から詳しく解説します。お楽しみに!