こんにちは、春日井コワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です!
起業してから、様々な場面でプレゼンをする機会が増えたという方も多いのではないでしょうか?取引先への提案、投資家へのピッチ、そして従業員への説明会など、ビジネスの成功を左右する重要な場面で、プレゼン力が試されます。
今日は特に、プレゼン資料の「話の流れ」に焦点を当てて、相手の心をつかむコツをお伝えしていきます。
実は、多くの起業家が陥りがちな失敗は、「情報を詰め込みすぎる」「話が飛び過ぎる」「結論があいまい」といったものです。僕も起業当初は、伝えたいことを全部話そうとして、かえって相手を混乱させてしまった経験があります。
でも、プレゼンの基本的な「話の流れ」を押さえておけば、そんな失敗は簡単に防ぐことができるんです。
まず、効果的なプレゼンに欠かせない基本構成について見ていきましょう。
効果的なプレゼンの基本構成
普段からプレゼン資料作成のお手伝いをしている中で、多くの方から「どうやって話を組み立てればいいですか?」という質問をもらいます。実は状況や目的に応じて使える、いくつかの定番パターンがあるんです。
1. 起承転結パターン
日本人になじみ深い構成で、特にストーリー性を重視したプレゼンに効果的です。
- 起:聴衆の興味を引く導入
- 承:現状や課題の説明
- 転:新しい提案や解決策
- 結:まとめと具体的なアクション
2. PREPパターン
結論を先に述べて説得力を高めたい場合に使います。特にビジネスの意思決定を求めるプレゼンで重宝します。
- Point(結論):主張を端的に述べる
- Reason(理由):なぜその結論なのかを説明
- Example(具体例):事例や根拠を示す
- Point(結論):もう一度結論を強調
3. SDS方式
問題提起から解決策まで、論理的に展開したい場合に有効です。
- Situation(状況):現状を説明
- Development(展開):課題分析や解決の方向性
- Solution(解決策):具体的な提案内容
4. What-Why-How方式
シンプルで分かりやすく、特に短時間のプレゼンに向いています。
- What:何を提案するのか
- Why:なぜそれが必要なのか
- How:どうやって実現するのか
これらのパターンは、プレゼンの目的や状況によって使い分けると効果的です。例えば:
- 新規事業の提案 → SDSやPREP
- サービスの説明 → What-Why-How
- ビジョン共有 → 起承転結
相手の心をつかむ3つのストーリー展開法
先ほどご紹介した基本構成は、あくまでも「型」です。ここからは、その型に命を吹き込むための展開法をお伝えしていきます。
1. 課題解決型ストーリー
最も説得力の高い展開方法の一つです。
現状の課題を掘り下げることからスタートし、その解決策を示していく流れです。ポイントは「なぜそれが課題なのか」「解決できないとどうなるのか」をしっかり説明すること。相手が「確かにこれは問題だ」と感じてくれてこそ、解決策への興味が生まれます。
例えば、こんな展開です:
- 「従業員の7割が業務効率化に課題を感じています」
- 「残業時間は平均して月20時間。年間の残業代はおよそ○○円に」
- 「このままでは人材流出や生産性低下のリスクが」
- 「そこで提案したいのが、○○というソリューション」
2. Before & After型ストーリー
変化や改善を印象的に伝えられる展開方法です。
導入で「Before(現在)」の状況を共有し、続いて「After(実現後)」のビジョンを示します。このギャップが大きいほど、インパクトのある展開になります。ただし、あまりに非現実的なAfterを描くと信頼性が損なわれるので注意が必要です。
こんな具合です:
- Before:「毎月の経理業務に3日かかっている現状」
- After:「AIツール導入で作業時間を6割カット」
- 「その結果、新規営業にリソースを回せるように」
3. ジャーニー型ストーリー
聴衆を物語の旅に連れて行くような展開方法です。
過去から現在、そして未来へと時系列で展開していく手法です。特に大きなビジョンや変革を伝えたい場合に効果的です。業界の歴史や変遷を織り交ぜることで、説得力も増します。
例えばこんな展開:
- 「10年前、このビジネスを始めた時は」
- 「そして今、業界はターニングポイントを迎えています」
- 「3年後には、こんな世界が実現できるはず」
これら3つの展開方法は、先ほどの基本構成(PREP型やSDS型など)と組み合わせて使うことができます。大切なのは、あなたが伝えたい内容に最も合った展開方法を選ぶこと。
よくある失敗例と対策
プレゼンの構成や展開方法を知っていても、つい陥ってしまいがちな失敗パターンがあります。ここでは主な失敗例と、その対策について解説していきます。
1. 序論が長すぎる
よくあるのが、背景説明や業界動向の説明が長くなりすぎるケースです。確かに丁寧に説明したい気持ちはわかりますが、肝心の提案部分が駆け足になってしまいます。
対策:
- 導入は全体の2割程度を目安に
- 業界動向は、提案に直接関係する部分だけに絞る
- 詳細なデータは資料の付録へ回す
2. 話が横道にそれる
プレゼンの最中に「あ、それに関連して…」と脱線してしまうことってありますよね。特に質疑応答では起きやすい問題です。
対策:
- プレゼンのゴールを資料の1ページ目に明記
- 各スライドの見出しが、ゴールに向かってつながっているか確認
- 関連トピックは「補足資料」として用意
3. 論理の飛躍
プレゼンする側には分かっていても、聴衆にとっては「なぜそうなるの?」と感じる箇所があるものです。特に専門性の高い内容を、異なる業種の方に説明する時は要注意です。
対策:
- 第三者に事前確認してもらう
- 「なぜなら」「たとえば」といった言葉を意識的に使う
- 専門用語にはその場で簡単な説明を加える
4. 提案が抽象的
「より良いサービスを提供します」「業務効率が上がります」など、具体性に欠ける提案はよくありがち。でも、これでは相手の心に響きません。
対策:
- 数値目標を示す
- 実現までのステップを明確に
- 類似事例での成果を紹介
5. オチがない
最後に「ご清聴ありがとうございました」で終わってしまい、次のアクションが示されないケース。結局、何をすればいいのかが伝わりません。
対策:
- 必ず具体的なアクションプランを示す
- 相手に期待する役割を明確に
- 次のステップの時期も提案
これらの失敗は、実は誰もが経験するものです。大切なのは、失敗を恐れすぎないこと。そして、プレゼンの後には必ず振り返りの時間を設け、次回に活かせるポイントを見つけることです。
まとめ:効果的なプレゼン資料作りのために
ここまで、プレゼンの構成や展開方法、よくある失敗例などを見てきました。最後に、実践に向けたポイントをまとめていきましょう。
プレゼン作成前の3つの確認事項
- 誰に何を伝えたいのか
- 相手は何を知りたいと思っているのか
- プレゼン後、具体的に何をしてほしいのか
これらを明確にしておくことで、適切な構成パターンと展開方法が選べます。
構成を決める時のチェックポイント
- 時間や場所など、プレゼンの環境は?
- 相手の知識レベルや興味は?
- 質疑応答の時間は必要か?
例えば、経営層向けの短時間プレゼンならPREP型、新規事業の提案ならSDS型というように、状況に応じて使い分けましょう。
最後に:完璧を目指さない
プレゼンで最も大切なのは、相手に伝わることです。派手な演出や凝った資料である必要はありません。
まずは基本の型を使って組み立て、そこに自分なりのエッセンスを加えていく。そうやって少しずつレベルアップしていけばいいのです。
僕も日々、様々な方のプレゼン資料作りをお手伝いしていますが、「これが正解」という一つの形はありません。この記事で紹介した内容を参考に、あなたなりのプレゼンスタイルを見つけていってください。
そのうち、それぞれのパターンの書き方など、詳しくご紹介する予定です。お楽しみに!