こんにちは、春日井コワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です!ここでは、起業 の場所選びについてのアドバイスを紹介します。
「起業するなら、やっぱり名古屋の方がいいですよね?」
Room8での起業相談で、よくこんな質問を受けます。確かに直感的には、大都市の方が市場も大きいし、なんとなくカッコよさそうですよね。
でも、ちょっと待ってください。
特に小規模事業者の方が新しくビジネスを始める場合、実は地方都市の方が圧倒的に有利なケースが多いんです。
今日は、春日井市と名古屋市を例に、起業時の地域選択について、マーケティング理論も交えながら具体的に見ていきましょう。
「名古屋の方が格好いい」は本当に正しい?(春日井ダサい!)
よくある思い込みとその真実
「事務所は名古屋の方が信用されそう」
「取引先への印象が良いかと…」
「大きな案件が取れそう」
こんな声をよく聞きます。去年も、美容室の開業を考えているお客様がこう話していました。
「名古屋栄での開業を考えていたんです。でも、家賃の相場を見て驚きました。それに、近所には既に10件以上の美容室が…」
結局この方は、春日井での開業を選択されました。なぜでしょうか?
お客様が本当に見ているのは:
- 住所や場所?
- それとも、仕事の質やサービスの中身?
実例:ある工務店さんの声
Room8を利用している工務店さんはこう話していました。
「最初は名古屋の住所にこだわっていたんです。でも実際に開業してみたら、お客様は『春日井の地域のことをよく知ってる』『すぐに来てくれる』という点を評価してくれました。今では春日井市内の案件が7割です。リピートも多いですよ」
もう一つの実例:ITサポート事業
「名古屋だと大手のIT企業がたくさんあるので、価格競争に巻き込まれそうでした。春日井なら、地域の中小企業向けにきめ細かいサービスが提供できると考えました」
実は、住所のイメージより大切なことがあるんです。
マーケティング理論から見る地方都市の優位性
ランチェスター戦略が教えてくれること
ランチェスター戦略、特に「弱者の戦略」として知られる第二法則は、新規参入者の戦略を考える上で非常に示唆的です。
この理論によると、新規参入者は:
- 大きな市場での全面対決は避ける
- 限定された市場で局地戦を展開
- そこで確実に地位を築いていく
というのが王道なんです。
まさに:
- 名古屋:多くの競合と全面対決
- 春日井:特定エリアでの局地戦が可能
という図式が当てはまります。
例えば、先ほどの美容室の例。名古屋栄では:
- 大手チェーン店との競争
- 価格競争に巻き込まれるリスク
- 広告宣伝費の負担増
一方、春日井では:
- 特定のエリアに集中
- 地域密着型のサービス展開
- 口コミでの評判構築
より効率的なマーケティングが可能になるんです。
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ブルーオーシャン戦略の視点
ブルーオーシャン戦略も、地方都市での起業が有利な理由を説明してくれます。
- 名古屋:レッドオーシャン(競争の激しい市場)
- 多くの競合が存在
- 価格競争が激しい
- 差別化が難しい
- 春日井:比較的ブルーオーシャン(競争の少ない市場)
- 特定ニーズへの対応が可能
- 地域特性を活かした展開
- 新しい価値提案の余地
地域のマーケティングの重要性
地域のマーケティング(Amazon)でも指摘されているように、地域に根ざしたビジネス展開は、大きな競争優位になり得ます。
特に重要なポイント:
- 地域ニーズの深い理解
- コミュニティとの関係構築
- 地域特性を活かしたサービス開発
実践的な視点から見る春日井のメリット
1. 競争環境が圧倒的に有利
名古屋市場には:
- 名古屋の事業者
- 周辺地域からの参入者
- 大手企業の支店
- 全国チェーン展開企業
が ひしめき合っています。
実際の例:飲食店の場合
- 名古屋:半径500m以内に30-40店舗
- 春日井:半径500m以内に5-10店舗
これだけでも、新規参入のしやすさは歴然です。
2. 初期投資とランニングコストの違い
実際の相場感(※業種により変動):
名古屋(繁華街)の場合
- 事務所家賃:15-20万円/月
- 保証金:6ヶ月分
- 広告宣伝費:月10万円以上必要
春日井の場合
- 事務所家賃:5-8万円/月
- 保証金:3ヶ月分
- 広告宣伝費:月3-5万円で十分
3. 地域密着のアドバンテージ
春日井では:
- 「地元の〇〇さん」という認知
- 口コミが広がりやすい環境
- 地域コミュニティとの関係構築
- 地域情報誌やローカルメディアの活用
実例:飲食店オーナーの声
「春日井の地域情報誌に載せた広告の反応が良くて。地元のお客様が口コミで広げてくれて、今では常連さんが7割です」
名古屋在住での春日井展開について
実務的な影響とその対策
手続き面
- 開業届は事業所所在地の税務署
- 各種許認可は春日井市で申請
- 税務申告も事業所所在地基準
日常的な運営面
- 通勤時間の考慮
- 地域活動への参加計画
- 緊急時の対応体制
効率的な事業展開のコツ
- 営業エリアの設定
- 春日井市を中心に
- 小牧市、瀬戸市もカバー
- 名古屋市は選択的に対応
- 時間の使い方
- 地域イベントへの参加
- 商工会議所の活用
- コミュニティ形成
- 将来的な展開
- まずは春日井で基盤作り
- 実績を基に周辺地域へ
- 必要に応じて住所移転を検討
事業計画立案のためのチェックリスト
基本項目
□ ターゲット顧客は地域密着型か
□ 競合の数と強さを確認したか
□ 日々の移動時間は許容範囲か
□ 地域とのつながりは重要か
□ 将来の事業拡大イメージは?
具体的な行動計画
□ 地域の商圏調査実施
□ 競合マッピング作成
□ 初期費用の詳細な見積り
□ 地域活動への参加計画
□ 営業エリアの設定
まとめ:小規模事業者にとっての最適解
理論的に見ても、実践的に見ても、小規模事業者の起業には地方都市の方が向いているケースが多いんです。
特に大切なのは:
- 見た目の格好良さより実質的な強み
- 地域密着による差別化
- 競争環境の有利さ
- 初期投資の抑制
春日井には、まだまだビジネスチャンスがたくさんあります。特に:
- 工業地域としての側面
- 名古屋のベッドタウンとしての側面
- 名古屋へのアクセスの良さ
これらの特徴を活かした事業展開が可能です。
起業をお考えの方、場所選びで悩んでいる方、ぜひRoom8に相談に来てください。経験豊富な先輩起業家も多く、具体的なアドバイスがもらえるはずです。
一緒に、あなたにとってのベストな選択を考えていきましょう。