こんにちは、春日井コワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です!今日は起業や自分探しに関するお話をしたいと思います。
「起業したいけど、本当に自分に合っている事業が見つからない…」
「もっと自分の才能や適性を見極めてから始めるべきかな…」
起業を考えている方から、よくこんな悩みを聞きます。僕のコワーキングスペースにも、毎週のように起業相談に来られる方がいるのですが、その多くが「自分に合った事業」を探し続けている状態で立ち止まっているんです。
確かに一見、理にかなっているように思えますよね。人生を賭けるような大きな決断なのだから、慎重に自分との相性を見極めたい。こう考えるのは当然でしょう。
でも、ちょっと待ってください。
実は、この「自分探しから始める」というアプローチには、大きな落とし穴が潜んでいるんです。10年以上、数多くの起業家を見てきて分かったのは、「自分に合った事業を見つけてから起業すべき」という考えは、むしろ成功から遠ざかってしまう可能性が高いということ。
なぜそう言えるのか?そして、本当に成功への近道となるアプローチとは何か?
この記事では、起業における「自分探し」の罠と、実際に成功するために必要なマインドセットについて、僕の経験と具体的な事例を交えながら詳しくお話ししていきます。
特に、懐かしのドラクエ3を例に挙げながら、分かりやすく解説していきますので、最後までお付き合いください。
なぜ自分探しから始める起業は危険なのか
完璧な「自分に合った事業」を探し続ける罠
「これこそが自分に合っている!」
そんな確信が持てるまで、事業プランを探し続ける——。
実は、これが最も危険な考え方の一つなんです。なぜなら、ビジネスの世界では、やってみなければ本当に自分に合っているかどうかわからないことがほとんどだからです。
僕のコワーキングスペースに来る起業相談者の中で、「自分探し」にこだわる人たちの多くが、1年経っても2年経っても、まだ準備段階から抜け出せていません。その間にも、「とりあえずやってみよう!」と始めた人たちは、すでに実践から多くを学び、ビジネスを軌道修正しながら成長を続けているんです。
行動より思考が先行してしまう問題
「もっと市場調査をしてから…」
「もっと自己分析が必要かも…」
「もっといいアイデアがあるはず…」
こういった思考は、実は「行動回避」の言い訳になっていることが多いんです。確かに準備は大切ですが、あまりに完璧を求めすぎると、永遠に行動できない状態に陥ってしまいます。
ドラクエ3から学ぶ大切な教訓
ここで、少し懐かしいゲームの話をさせてください。
ドラクエ3には「性格」という要素があり、これによってキャラクターの成長が変わってきます。多くの人は「自分に合った性格を選べば、きっと楽にクリアできるはず」と考えがちです。
でも、ちょっと待ってください。
僕が初めてドラクエ3をプレイしたとき、まだインターネットもなく、性格がどう影響するのか、誰も詳しいことは分かっていませんでした。それを完全に理解しようと思えば、膨大な時間をかけて検証する必要があったでしょう。
しかし、僕は単純に「魔王を倒す」という目標に向かって進んでいきました。性格診断の結果をそのまま受け入れ、与えられた条件の中でベストを尽くしただけです。結果として、特に問題なくクリアすることができました。
起業も全く同じなんです。
「自分に最も合った事業を見つけられれば、きっと成功できるはず」
これは実は幻想かもしれません。その”最適解”を見つけようとすれば、ドラクエ3の性格システムを完全に理解するのと同じように、膨大な時間と労力が必要になります。現実は、ドラクエ3の性格よりも遙かに複雑なものです。
むしろ大切なのは、「この事業を成功させる」という明確な目標を持ち、その達成に向けて進み続けることです。与えられた条件や現在の状況の中で、できることから始めていく。
完璧な自分との相性を探すことより、目標達成に向けて一歩一歩進んでいくことこそが、成功への近道なのです。
成功する起業家に共通する考え方
目標達成重視のマインドセット
僕がコワーキングスペースで出会った成功している起業家たちに、ある共通点があることに気づきました。
それは、「これは自分に向いているだろうか?」ではなく、「どうやったらこの事業を成功させられるか?」を常に考えているということです。
例えば、あるIT企業の社長は、プログラミングの経験がほとんどないまま事業をスタートさせました。「IT企業の社長なのにプログラミングができないなんて、向いていないのでは?」と悩むこともできたはずです。
でも彼は違いました。
「プログラミングができなくても、優秀なエンジニアを採用し、彼らが活躍できる環境を作ることはできる」
そう考え、自分の強みであるコミュニケーション能力を活かして、チームビルディングに注力したのです。結果として、社員の力を最大限に引き出せる組織を作り上げ、成功を収めました。
試行錯誤を恐れない姿勢
ドラクエ3の例えに戻れば、ゲームを進めていく中で、予期せぬ強敵に出会うことはよくあります。そんなとき、私たちは何をしましたか?
「やっぱりこの性格設定じゃダメだったんじゃないか…」と悩んで最初からやり直すのではなく、「どうやったらこの敵を倒せるか」を考えました。レベルを上げたり、装備を見直したり、作戦を練り直したり…。
成功している起業家たちも同じです。彼らは困難に直面したとき、「自分に向いていないからだ」とは考えません。代わりに、「この課題をどうやって乗り越えるか」に焦点を当て、試行錯誤を重ねていきます。
実践からの学びを重視する態度
「やってみないと分からない」
これは、成功している起業家たちがよく口にする言葉です。彼らは完璧な計画や自己分析を待つのではなく、まず行動を起こし、その結果から学ぶことを重視します。
ある飲食店経営者は、こう語っていました。
「最初から自分に合った事業を見つけることなんて、実は不可能なんです。むしろ、事業を進めていく中で、自分の得意分野や苦手分野が見えてきて、それに応じて事業の形を変えていけばいい。大切なのは、目標に向かって進み続けることです」
この言葉は、まさに先ほどのドラクエ3の例えと同じですね。性格設定に時間をかけるより、実際にプレイしながら自分なりの攻略方法を見つけていった方が、はるかに効率的なように。
具体的なアプローチ方法
まず小さく始める重要性
ここで、ドラクエ3と現実の大きな違いについて考えてみましょう。
ドラクエ3は、ゲームとして設計されているので、自然と段階を追って進められるようになっています。最初は魔王城に行けないようにちゃんと仕組まれていますし、ストーリーを進めれば必要な装備や呪文が手に入るようになっています。
でも、起業の世界はそうはいきません。全てがごちゃ混ぜで、何の配慮もされていないんです。
誰でもいきなり大きな勝負に出ることができるし、その気になれば、経験ゼロでも大規模な事業を始めることができます。
だからこそ、私たち起業家の側で、意識的に「小さく始める」という選択をする必要があるんです。
小牧市に株式会社フリースタイルと言う会社があります。
このフリースタイルの社長の東さんは僕の知人で、一緒に香港に旅行に行ったこともあります。
では、東さんの例を見てみましょう。
彼はもともとミニカーなどのおもちゃのマニアで、趣味の延長として、ヤフオクでレアアイテムを見つけては購入して販売することから始めました。まさに小遣い稼ぎレベルからのスタートでした。
そして今では、大きな倉庫を持ち、様々な事業を展開する会社にまで成長しています。
小さく始めることの本当の価値は、失敗のリスクを抑えられることだけではありません。むしろ、じっくりと市場を観察し、成功パターンを学び、実践できる期間を確保できることにあるのです。
ドラクエ3では自然とレベルアップできる仕組みが用意されていますが、ビジネスではそうはいきません。だからこそ、意識的に「学ぶ姿勢」を持ち、着実に成長していく必要があるのです。
実践と振り返りのサイクル
ドラクエ3と現実の違いについて、もう一つ重要な点があります。
ドラクエ3では、レベル上げをすれば確実に強くなります。経験値という明確な指標があり、それを積み重ねれば間違いなく成長できる。そういうゲームの仕組みがあります。
でも、ビジネスにはそんな親切な仕組みはありません。
同じことを闇雲に繰り返しているだけでは、必ずしも成長できるとは限らないんです。
これは、元ヤクルトの名キャッチャー、古田敦也さんの言葉を思い出させます。
「ただ素振りを繰り返すのではなく、自分が何をしているのかを理解することが重要」
つまり、大切なのは「コツを掴む」こと。そして、そのコツを掴むためには、自分の行動とその結果を深く理解する必要があるんです。
成功している人たちは、このような意識的なサイクルを回しています:
- まず行動を起こす
- 結果を細かく観察する
- なぜその結果になったのかを理解する
- 理解したことを基に改善して実行する
例えば、先ほどの東社長の例でいうと:
「この商品は良く売れたな。でもなぜ売れたんだろう?
価格帯なのか、商品の状態なのか、それとも出品のタイミングだったのか…」
というように、単に「売れた」「売れなかった」で終わらせるのではなく、その理由を深く理解しようとしていったそうです。
ドラクエ3なら「レベルを上げれば勝てる」で終わりかもしれません。
でも、ビジネスでは:
- なぜこの商品は売れたのか?
- この成功は偶然なのか、必然なのか?
- この方法は他の商品でも通用するのか?
このように、結果の背後にある「コツ」や「法則」を理解することが重要なんです。
特に初期の小遣い稼ぎ段階は、このコツを掴むのに最適な時期です。
なぜなら:
- 小規模なので結果が分かりやすい
- 試行錯誤の余地が大きい
- 失敗のリスクが小さい
- 素早くフィードバックが得られる
大切なのは、この過程を「自分に向いているか」を判断するために行うのではなく、「どうすればより良くできるか」の”コツ”を掴むために行うことです。その違いが、成功への大きな分かれ道となるのです。
軌道修正の仕方
「最初の計画通りにいかないのは、自分に向いていないからだ」
これは大きな誤解です。
ドラクエ3でも、最初に立てた作戦がうまくいかないことはよくありますよね?
でも、僕たちはそれを「自分には向いていない」とは考えませんでした。代わりに:
- 装備を変える
- 作戦を練り直す
- パーティ編成を見直す
というように、状況に応じて柔軟に対応していきましたよね。
ビジネスでも同じです。東社長の例で言えば、最初は中古ミニカーだけを扱っていましたが、ミニカーで稼げるようになってきたら:
- 扱う商品ジャンルの拡大
- 販売チャネルの追加
- 仕入れ先の開拓
と、どんどん軌道修正をしていきました。
大切なのは「自分に向いているか」ではなく「目的を達成のために何を変えるべきか」という視点を持ち続けることです。
失敗や計画通りに進まないことは、諦めるための理由ではなく、むしろより良い方法を見つけるためのヒントなのです。
自分探しはいつすべきか
ここまで、自分探しから始める起業の危険性について話してきました。
では、自分探し自体が不要なのかというと、そうではありません。
ここでもう一度、ドラクエ3の例えが役立ちます。
ゲームをクリアした後、多くのプレイヤーは新たな遊び方を探しますよね:
- 別の性格で始めてみる
- 違うパーティ編成に挑戦する
- より効率的なレベル上げ方法を研究する
つまり、基本的な達成(クリア)ができた後に、より深い探求が始まるわけです。
ビジネスでも同じことが言えます。
例えば東社長の場合:
- まずは売上目標の達成を重視
- 基本的な収益基盤ができた後に
- 新しい事業分野への挑戦
- より自分らしい経営スタイルの模索
を始めていきました。
自分探しは、それ自体が目的ではありません。
むしろ、具体的な成果を出しながら、その過程で自然と見えてくるものなのです。
目標達成を重視しながら進んでいけば、自ずと「自分に合った方法」は見つかっていきます。大切なのは、その順番を間違えないことです。
まとめ:目標達成が最優先、自分探しは”やり込み要素”
この記事を通じて、起業における重要な考え方をご紹介してきました。
最後にもう一度、ドラクエ3の例えを使ってポイントをまとめてみましょう。
起業は、ドラクエ3でいえば「魔王を倒す」という明確な目標に向かって進んでいくようなものです。
大切なのは:
- 目標達成を最優先すること
- 性格(自分に合っているか)を考えすぎるのではなく
- まずはクリア(事業の成功)を目指す
- 小さな成功から学ぶこと
- 他の成功者から積極的に学ぶ
- 結果の「なぜ?」を理解する
- 分かったことを次に活かす
- 自分探しは”やり込み要素”として考える
- まずは基本的な成功を収める
- その過程で自然と見えてくる
- より深い探求は成功後に
ドラクエ3をクリアする方法は人それぞれ。
起業も同じです。完璧な準備や自分探しを待つ必要はありません。
大切なのは、目標に向かって一歩一歩進んでいく姿勢なのです。