どうもこんにちは、ビジネスプロデューサーの大西 隆貴(たかき)です。
本当は先週ブログを更新するはずでしたが、体調を崩してしまい、あえなくお休みしてしまいました…。
Room8オーナーの鶴田さん、一緒にブログを書いている皆さん、そしてこの記事を楽しみにしてくださっている読者の方々には大変ご迷惑をおかけして申し訳ありません…。orz
さて、気を取り直して、今回はいつもと違った記事を書いてみようと思います。
そう、テーマはズバリ…
「人工知能」
です。
「え?いつも偉そうにビジネスのことを書いているあんたに、そんな話扱えるの?」
それが…扱えるんです。
ビックリしました?
なぜなら…僕が大学(理学部物理学科)に在学中、卒業論文のテーマとして取り上げたのが、実は人工知能の原理に関する話だったからです。
そんなわけで今回は、時代の流れに取り残されないようにするべく、まずはいま話題の人工知能の仕組み、そしてそれを踏まえて僕らはこの先考えなければならないことは何か、をこの記事をご覧のあなたと一緒におさらいしていきたいと思います。
なぜ、人工知能について学ぶ必要があるのか?
…の前に、わざわざ人工知能について勉強する必要がなぜあるのか、その理由について考えてみましょう。
確かに、例え人工知能といえども、あくまで人間のサポートをするツールです。
パソコンや車と一緒で、「使い方さえ知っていればそれでいいでしょ!」という意見もあるでしょうし、それはそれでごもっともなお話だと思います。
しかし、特に起業家や経営者ないしは独立起業を視野に入れている方、その他意識の高いビジネスパーソンは多少なりとも勉強していて損はありません。
なぜなら…
今まで、人間の介入を必要としていたことが、この先、どんどん人工知能に取って代わられる
からです。
つまり、従来は人間がこなしていた仕事が、人工知能の発達に伴って人手を必要としなくなっていくのです。
その結果、既存の職業がどんどん失われていく将来が待っているのです。
なので、先ほど挙げたような方々は今までの枠組みにとらわれない、新しいお金の稼ぎ方を率先して編み出していかなければなりません。
そのためにも、人工知能について学び、人工知能ができること・できないことを考える必要があるのです。
人工知能の仕組みって、どんなもの?
ではまず、人工知能の仕組みについて見ていきましょう。
…って、ついつい尻込みしていませんか?
大丈夫です、難しい話は一切しない…つもりです。笑
さて、肝心の仕組みについてですが、一言で言うと「人間の脳をパソコン上で再現したもの」が、現在の人工知能です。
人間(動物もですが)の脳は、「ニューロン」という細胞が互いに網の目のように結びつき合って構成されています。
ここでは、そのニューロンのうちいくつかを擬人化してA君、B君、C君と名づけてみましょう。
それでは脳が活動している時、このニューロン君たちは一体何をしているのでしょうか?
例えば、脳が「台湾ラーメン」について考えているとします。
すると脳の中では、先ほどのニューロン君のうち、A君とC君が互いに片手をつないでもう片方の手を挙げ、B君が1人で手を下げているという状態になります。
脳の中では、この状態が「台湾ラーメン」とイコールになっているのです。
次に、脳が「まぜそば」について考えているとしましょう。
今度は、3人のニューロン君のうち、B君とC君が互いに片手をつないでもう片方の手を挙げ、A君が1人で手を下げているという状態に変わります。
先ほどと同じく、脳の中ではこの状態が「まぜそば」とイコールになっているのです。
このように、3人のニューロン君が手をつないだり挙げたりして信号(=パターン)をつくることで、思考というものが成り立っているのです。
これが人間の脳の仕組みです。
(もちろん、話を簡単にしているので実際はもっと複雑ですが…)
では一体、従来のパソコンと脳の最大の違いは何でしょう?
答えは、このニューロン君たちが「手をつなぐ」ことにあります。
というのも、従来のパソコンでも、ニューロンと同じような役割をする「ビット」というものが存在します。
このビット君たちですが、パソコンの中でX君、Y君、Z君のように順番に並んでいます。
そしてニューロン君たちと同じように、彼らも手を挙げ下げすることで「台湾ラーメン」とか「まぜそば」といった信号がつくられるのです。
しかし、彼らはただ順番に並んでいるだけで、互いにつながりを持っているわけではありません。
対して、ニューロン君たちは手を挙げ下げするだけではなく、さらに手を挙げている者同士で手をつないで信号を表現します。
(実際はつなぐための手がたくさんあるので、手をつなぐニューロンは1つだけとは限りません)
この構造をニューラルネットワークと言うのですが、何を思ったかこれをわざわざパソコン上で再現してみると…
あらびっくり!
現在の人工知能ができちゃった、というわけです。
(まだまだ未解明の部分が多いので、本当にこんなイメージです笑)
人工知能が得意なことって?
では、この人工知能、いったいどんなことが得意なのでしょうか?
先ほど説明した人工知能、もとい脳の構造(ニューラルネットワーク)ですが、非常に面白い性質を持っています。
それは…
ネットワークに覚えさせた信号のうち1つによく似た信号を与えると、簡単に元の信号を呼び出せる
ことです。
しかも、
覚えさせる信号が多ければ多いほど、信号の呼び出しは簡単になる(ただし上限あり)
というおまけつきです。
先ほどのニューロン君たちの例に戻って、信号の呼び出しについて見てみましょう。
ここまで出てきた信号、つまり現時点で脳が覚えている信号を整理すると、
A君−C君で挙手、B君そのまま→「台湾ラーメン」
B君−C君で挙手、A君そのまま→「まぜそば」
でしたね。
では、このニューロン君たちにある指示を出します。
「A君、手を挙げろ!」
すると、脳内で何が起こるのでしょうか?
まず、言われた通りにA君が手を挙げます。
そして覚えさせられた信号の中には、A君が手を挙げている時、C君が手をつないで一緒に手を挙げる「台湾ラーメン」というものがあります。
するとC君は、この信号を再現するべくA君と手をつなぎ、自らの手も挙げる、という行動を取るのです。
それは、あたかも僕たちが台湾ラーメンらしきラーメンを目にした時、
「あっ、これはただのラーメンじゃない。
あまりの辛さに汗がしたたる、あの台湾ラーメンだ!(汗)」
って心の中で思うのとまったく一緒です(笑)
余談ですが、欠点として
ネットワークに覚えさせた信号のうち複数に似ている信号を与えると、混乱が起きる
という性質も確認されています。
先ほどの信号の例では、2つの信号どちらもC君が手を挙げているため、
「C君、手を挙げろ!」
と指示を出すと、3人のニューロン君たちは混乱を起こします。
僕たちの例に置き換えると、具のせいで台湾ラーメンにも見えるし、まぜそばにも見えるような料理を見かけて
「あれ、これは台湾ラーメン?それともまぜそば?」
と一瞬考え込む時が該当します。
これも余談ですが、僕の卒業論文は、プログラムを実際に組んでこの現象を確認するのがゴールでした。
完全に豆知識ですが、用意されているニューロンの数に対し、約0.14%の数まで信号を覚えさせてしまうと、ほぼ確実に混乱が起きます(汗)
人間の大脳の場合だと、ニューロンは約100〜150億個と言われています。
その0.14%は約1500万ですので、単純計算すると僕たちが覚えられるものごとの数は1500万個が上限ということになりますね。
(繰り返しますが、話を簡単にしているので実際はもっと複雑ですが…)
じゃあ、人工知能が苦手なことは?
ここまで人工知能の得意なことについて見てきましたが、では逆に人工知能が苦手なことは一体どんなことでしょうか?
先ほどの話をまとめると、人工知能が得意なのは
あるデータを与えられた時に、あらかじめ覚えている類似のデータをすばやく取り出す
ことです。
つまり、過去の経験からある程度最適とされるパターンが決まっている作業をすばやくこなしていくのが、人工知能の得意なことなのです。
では、この逆は…?
過去の経験を踏まえることはあっても、臨機応変に対処する必要があること
これが、現在の人工知能でもまだ苦手とされていることです。
例を挙げれば、
・デザインや建築、芸術、物語作成など、クリエイティブさが要求される仕事
・カウンセリングやマネジメントなど、人間の感情を理解しなければならない仕事
などでしょうか。
(ちなみに僕自身、「日本のトップマーケッター」神田昌典先生の講演会に何度か参加しているのですが、神田先生もやはりこのような趣旨のお話をされていました)
…というわけで、人工知能の仕組みと、それを踏まえて僕らがこの先すべきことを簡単に述べてみました。
繰り返しますが、特に起業家や経営者ないしは独立起業を視野に入れている方、意識の高いビジネスパーソンなどは、いかに上記のような仕事を自分たちの現在の仕事に組み込んでいけるか、それを考えてみるとよいのではないでしょうか。
それでは、またお目にかかりましょう!
ありがとうございました!
P.S. なぜ理学部物理学科出身の僕が、卒業論文を書くほど人工知能に詳しいのかですって?
確かに、冒頭から気になっていた方も多いでしょうね(笑)
実は、意外にも人工知能のモデルには、物理で発展した考え方が取り入れられているのです。
しかし今回以上にマニアックな話になってしまうので、それはまた別の機会に…。