自分を変えることは芋虫に似ていた

お前は本当に面白くない人間だな
良くそれで生きているわ
お前、友達いないだろ?

 

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十年以上前に会社の現場で働くオッチャンから面と向かってそう言われた。僕はへへ、と笑ってその場は過ぎ去ったが、内心は穏やかではありませんでした。

確かに僕は面白い話ができる人間ではなかったし、口数も少なく決して会話に花が咲く事はなかった。今でも同じ様な感じです。

僕の周りには話が面白く、常に人を笑わせている人がいた。笑わせるに至らなくとも多くの人は面白ろ可笑しく会話に加わっていました。

僕は其れができなかった。しかし、そんな人々を羨ましく思い、いつも外から眺めていました。

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無論のこと友達も多くはなく、殆ど居ないと言った方がよかった。人と話したい欲望は強いものの、いざ話すとどう話して良いか分からず次第に苦痛となっていた。人が多くいる場でも頭の中は自分の殻に閉じこもっていました。そうなると一人になって好きな読書をしていたい、勉強していたいと思いました。

 

なぜ僕は人の輪に入って会話ができないのだろうか?どうしたら皆と同じ様に会話を楽しめるのか?いつも悩んでいました。

現場のオッチャンに言われた事はグサリと心を刺したが、僕の悩みそのものを表現しており、言い返す言葉も無かったのです。

 

なぜ僕はこんな人間なんだろう?
そんな自分を僕は腹立たしく思い、受け入れる事も出来なかったのである。

 

自分の生まれつき。

 

これを知ることにより、僕は救われる事になるのです。

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それは三年前の事でした。
その時の僕は人間関係のもつれから深く悩み、過去の自分を棄てて自分を入れ替えようと思い、いろんなセミナーやイベントに参加をしていました。

その中で、自分の本質を活かして金を稼ごう、というセミナーがありました。一見、とても胡散臭い題名で、主催者の方々も派手な身なりと上手い口調で、それまでの僕からするとあまり関わりたくない人達でした。

自分の本質は何だろうか?
自分の本質を変えれば僕は人と会話を楽しめるようになるだろか?

僕はそのセミナーに参加しふらりと塾に入ってしまいました。

まずそこで教えてもらった内容は、自分の性格は生まれつきのもので変わることはない、と絶望的なものでした。

最初は頭がくらくらっ、ときました。

塾が進んでいくと概要が見えてきました。
自分の本質は変わらないので認識して受け入れ、逆にその性格を良い方向に生かして利用する、という内容でした。

つまり、僕が自分の殻に閉じこもりがちで人とうまく会話ができないのは生まれつきの性格なので当然のことである。その性格を活かして自分を伸ばしていけばよい。

この話に僕はとても救われる思いがしました。

僕は無理に人と話す必要はないんだ。
好きなことを自分の殻に閉じこもってやっていればいいんだ

僕はよかった、間違っていなかったと思いました。

でも、同じことを続けていても何も変わっていかないぞ?
次の瞬間こう思いました。それじゃあ意味がないぞ。

昆虫の脱皮。蝶や蛾という本質は変わらなくても生まれた時は芋虫や毛虫ですが、脱皮によってその性質から抜け、蝶や蛾へと成長していく。

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それと同じようなことを言われました。生まれた時からの本質は変わらないけれども、今の自分の性格の殻から抜け出ることによって成長していくんだよ。

じゃ、殻から抜けるにはどうすればよいの?

引きこもって読書などをして得られた知識を人に話していけばよい、ということでした。好きな内容なら話はできるでしょう、その話を面白いと思う人も中にはいるはず、そういう人と会話をしていけばよい、という事でした。

これならできそうだ、面白そうだ。

こうして、僕は芋虫からちょっとだけ、殻を破って成長した気がしました。

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※自分の性格を知ることができる本です。

この記事を書いた人

たなか あきら

ウェールズ歴史ライター。「歴史が深く素朴で仲間を大切にするウェールズの歴史を知ってもらい」という思いから、ウェールズの歴史を活かしたイベント開催や執筆・講演活動を行っています。
ウェールズに住み歴史を学んだ経験を持ち、モノを売るビジネスマンというキャリアを活かした活動であることも、私の特徴であり強みです。
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